2015年1月26日、光明日報(bào)によると、安倍晉三首相は25日、過激派組織「イスラム國」による日本人人質(zhì)殺害の畫像についてメディアに、信憑性が高いようだとしたうえで、もう1人の人質(zhì)の解放を強(qiáng)く要求した。

【その他の寫真】

人質(zhì)にされたのは自稱民間軍事會(huì)社経営者の湯川遙菜さんとフリージャーナリストの後藤健二さん。湯川さんは昨年8月に「イスラム國」に拉致されたとみられる。日本の報(bào)道によると、後藤さんは湯川さんを救いに行くと家族に伝えていたが、昨年10月から連絡(luò)が取れなくなっていた。昨年の拉致事件がここ數(shù)日で急に大きく動(dòng)いたことについて、現(xiàn)地メディアは安倍首相の最近の中東歴訪が密接に関係していると考えている。

安倍首相は今年も「外交パフォーマンス」の狙いを中東に定め、1月16日にエジプトに到著して中東歴訪を開始した。注目に値するのは、今回の中東歴訪で安倍首相が「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、中東のテロ対策に派手に介入したことだ。例えば17日のカイロ訪問で、安倍首相は中東地域のインフラ整備のために25億ドル（約2950億円）の新たな支援を約束。うち2億ドル（約236億円）を「イスラム國」など過激派組織の脅威への対応に充てるとした。これが今回の人質(zhì)事件の導(dǎo)火線となった。

「イスラム國」は安倍首相がエルサレムを訪問していた20日、「日本の首相」に向けた動(dòng)畫をインターネット上で公開。身代金2億ドルという要求が安倍首相の上述の発言を受けたものであることを明確にし、72時(shí)間以內(nèi)に支払わなければ日本人人質(zhì)2人を殺害すると表明した。イスラエルメディアによると、安倍首相は同日現(xiàn)地で、いかなる危害も加えず、無條件に人質(zhì)2人を解放するよう要求した。中東地域への支援が変わることはないとも強(qiáng)調(diào)したが、身代金を支払うか否かには言及しなかった。

人質(zhì)事件のために、予定していたレバノン、トルコ両國訪問は頓挫し、パレスチナのアッバス議長と慌ただしく會(huì)談すると、中東歴訪を早めに切り上げた。報(bào)道によると、安倍首相はすでにパレスチナのアッバス議長、エジプトのシシ大統(tǒng)領(lǐng)、ヨルダンのアブドラ國王、トルコのエルドアン大統(tǒng)領(lǐng)に協(xié)力を要請した。人質(zhì)事件によって安倍首相はジレンマに陥った。かねてから強(qiáng)硬姿勢で知られる安倍首相がもし身代金問題について拉致した側(cè)と交渉を行えば、イメージが損なわれるだけでなく、歐米各國との対テロ戦線の方針も狂う。だが実際の狀況から見て、それ以外に日本政府が殘り少ない時(shí)間で取り得る救出手段は非常に限られている。

人質(zhì)事件は安倍首相の「積極的平和主義」にとって、ある程度の試練となった。安倍首相は2013年10月にいわゆる「國際協(xié)調(diào)に基づく積極的平和主義」との立場を打ち出し、海外において「平和への積極的貢獻(xiàn)」を強(qiáng)化し、「世界の平和と安定および繁栄の確保に一層関與する」とした。これは日本で幅広い議論を巻き起こした。

今回「イスラム國」が人質(zhì)映像を公開した前後は、まさに安倍首相を始めとする日本政府高官が中東、南アジア、アフリカ、歐州で「積極的平和主義」外交を鳴り物入りで展開しているピークだった。安倍首相以外に、岸田文雄外相はインド、フランス、英國、EU本部のあるブリュッセルを訪問し、中谷元防衛(wèi)相はジブチにある自衛(wèi)隊(duì)の海外基地と南スーダンの自衛(wèi)隊(duì)の平和維持要員を視察した。安倍首相らが行く先々で煽り立て、口を開けば日本の「國際貢獻(xiàn)」強(qiáng)化を強(qiáng)調(diào)した結(jié)果、今回の人質(zhì)事件によって日本はテロ対策のニュースにおいて脇役から主役へと変わった。

國の政策は自國民の幸福を図るものである必要がある。今回の人質(zhì)事件によって、安倍首相の「積極的平和主義」に存在する大きな危険性に気づく日本人がきっと増え、「積極的平和主義」政策を考え直す聲が日本國內(nèi)で改めて大きくなるだろう。（提供/人民網(wǎng)日本語版?翻訳/NA?編集/武藤）