2015年2月16日、シチズンの中國子會社?西鉄城精密（広州）有限公司が突然閉鎖を発表し、同じく日本のパナソニックも中國にある2本のテレビ生産ラインからの撤退を明らかにした。米國のマイクロソフトはもともとノキアのものだった中國の攜帯電話生産工場2カ所を段階的に閉鎖することを決定した。この間に、外資系企業(yè)の中國からの大規(guī)模撤退に関するさまざまな言説が飛び交い、これに米半導(dǎo)體大手クアルコムがこのほど國家発展改革委員會から約60億元（約1140億円）の罰金を科されたことも加わり、外資系企業(yè)がこれから中國でどのような布陣を敷くかがあれこれと憶測されている。

【その他の寫真】

▽外資系企業(yè)はサービス業(yè)に注目

データが最も良い例証となる。國連貿(mào)易開発會議（UNCTAD）がこのほど発表した「世界投資報告書」によると、中國が昨年導(dǎo)入した海外からの直接投資は約1280億ドル（約15兆1800億円）に上り、2013年に比べて約3％増加し、外資導(dǎo)入額が初めて世界一になった。昨年の世界の対外直接投資が同8％減少したことをみれば、グローバル資本に対する中國市場の吸引力がどれほどのものであるかは容易に理解できる。

外資の利用構(gòu)造をみると、サービス業(yè)が成長源となっていることは明らかだ。昨年の中國サービス業(yè)の実行ベース外資導(dǎo)入額は約663億ドル（約7兆8600億円）で同7．8％増加し、外資導(dǎo)入全體に占める割合は約56％に上昇した。伝統(tǒng)的な製造業(yè)は約400億ドル（4兆7400億円）で同12．3％減少した。

UNCTAD投資?企業(yè)部門の●暁寧（ジャン?シャオニン、●＝憺の右部のみ）代表は取材に答える中で、「中國に流入する資金には構(gòu)造的な変化がみられ、製造業(yè)からサービス産業(yè)へ、労働集約型から技術(shù)集約型へと移り変わっている」と話す。

また昨年新たに設(shè)立された外資系企業(yè)の數(shù)も増加傾向にあり、登録資本金の登記制度改革に後押しされて、14年の外資系企業(yè)新規(guī)設(shè)立數(shù)は2萬3800社となり、同4．4％増加した。中國（上海）自由貿(mào)易試験區(qū)は海外からの投資に対して參入前內(nèi)國民待遇の付與とネガティブリストに基づく管理モデルを模索するなどして、外資導(dǎo)入の水準(zhǔn)を引き上げた?，F(xiàn)在、外資系企業(yè)の経営狀態(tài)は安定しており、利潤と納稅額は全國の平均水準(zhǔn)を上回る。

▽調(diào)整?布陣には進退あり

中國商務(wù)部（商務(wù)?。﹪H貿(mào)易経済協(xié)力研究院の梅新育（メイ?シンユー）研究員は取材に答える中で、「外資系企業(yè)がサービス業(yè)に注目するのは中國の経済構(gòu)造調(diào)整と多國籍企業(yè)自身のグローバル事業(yè)調(diào)整を受けた必然的な選択だ。産業(yè)のバージョンアップと経済構(gòu)造調(diào)整という大きな背景の下で、ここ數(shù)年、中國のサービス業(yè)は急速な成長を維持し、技術(shù)的な要求が高いサービス業(yè)に対する海外からの投資も急速に伸びている。また中國製造業(yè)自身の発展にともなって、外資系企業(yè)の中國での製造事業(yè)の強みが徐々に失われ、低レベルの製造業(yè)から撤退してハイレベルの製造業(yè)に向かう流れが、外資系企業(yè)が中國の経済発展に適応する上での必然的な選択となっている」と述べた。

データをみると、サービス業(yè)の売上高が30兆7000億元（約583兆円）で同8．1％増加し、國內(nèi)総生産（GDP）の増加ペースを0．7ポイント上回った。サービス業(yè)売上高の対GDP比は48．2％に達(dá)して同1．3ポイント上昇し、第12次五カ年計畫（2011-15年、十二五）で確定された目標(biāo)値の47％を上回った。サービス業(yè)への固定資産投資は16．8％増加し、固定資産投資全體に占める割合は56．2％に上り、05年以來の最高を記録した。

中國経済構(gòu)造の調(diào)整とサービス業(yè)の急速な伸びを受けて、外資系企業(yè)は主體的な調(diào)整を行わなければ中國経済の「新常態(tài)」（ニューノーマル）の要求に適応できなくなっている。

マイクロソフトがノキアの攜帯電話事業(yè)とサービス事業(yè)を買収した後、もともとノキアが所有していた中國の攜帯電話生産工場2カ所を段階的に閉鎖するようになったことについて、中國商務(wù)部の沈丹陽（シェン?ダンヤン）報道官は、「これは一つには世界と中國の攜帯電話産業(yè)の市場競爭の激しさにより、市場の局面に大きな変化が生じたということだ。また一つには多國籍企業(yè)自身のグローバル戦略調(diào)整の結(jié)果でもある。多くの日本企業(yè)が生産ラインを新たに中國に移す計畫を立てており、たとえばパナソニックは最近メディアに対し、福島県にあるルミックスブランドのデジタルカメラ生産ラインの一部をアモイに移転することを決定し、今年5月までに移転を完了させる計畫であることを明らかにした」と話す。

▽メリットで優(yōu)れた海外資本を呼び込み

中國の外資導(dǎo)入構(gòu)造は深いレベルで調(diào)整が行われており、人件費と生産コストは上昇を続け、一部の労働集約型の低レベル製造業(yè)を手がける外資系企業(yè)は生産拠點を低所得の國に移そうとしているが、中國の高レベル製造業(yè)とハイテク産業(yè)に流れ込む海外資本は増加することはあっても減少することはない。製造業(yè)では、通信設(shè)備、コンピューター、電子設(shè)備、交通輸送設(shè)備といった高レベル製造業(yè)の外資導(dǎo)入が好調(diào)な規(guī)模を維持しており、醫(yī)療、介護、物流輸送、通信販売などのサービス業(yè)の外資導(dǎo)入規(guī)模も拡大を続けている。

中國政府も経済成長の質(zhì)を高めることを前提に、質(zhì)の高い海外資本に対しより開かれた環(huán)境を提供するようになった。

発展改革委は昨年、商務(wù)部などの部門とともに「外資系企業(yè)投資産業(yè)指導(dǎo)リスト（2011年改定）」の改定作業(yè)を進め、広く社會からの意見募集を行った。制限類にあたる項目を大幅に削減し、外資系企業(yè)の持ち株比率に関する制限を緩和するなどとともに、製造業(yè)とサービス業(yè)の対外開放を重點的に推進するという方向性を打ち出した。

中國にとって15年は改革の全面的な深化に突入する重要な年であり、行政の簡素化と下部への権限委譲、経済構(gòu)造の調(diào)整、産業(yè)のバージョンアップが一層推進され、改革のメリットが一層放出され、対外開放の水準(zhǔn)が一層向上することが予想される。こうした動きは、外資系企業(yè)の対中投資におけるメリットが呼び寄せたものであることは間違いない。（提供/人民網(wǎng)日本語版?翻訳/KS?編集/武藤）