2015年3月2日、春節(jié)期間、世界で最もお金を派手に使うのは誰だろう？中國(guó)のあるウェブサイトでこのような問いかけがあった。答えは言うまでもなく、中國(guó)人だ。では、2015年の春節(jié)期間、最も変わった消費(fèi)者は誰だろう？もちろん、この答えも中國(guó)人だ。人民日?qǐng)?bào)海外版が伝えた。

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■日本に便座を買いに行く

中國(guó)人観光客が海外でこぞって買う主な商品は、依然として高級(jí)品だ。最近は、豪ドルやユーロの対人民元の為替レートが下落しているため、海外で高級(jí)品を買い漁るのも悪くない選択だ。しかし、今年は高級(jí)ブランド品を避けるのが、新春の海外における消費(fèi)の新しい傾向となった。

春節(jié)前、経済評(píng)論家の呉暁波（ウー?シャオボー）氏が発表した、「電気炊飯器を買いあさり、トイレの便座を買うために日本へ行く」という文章が中國(guó)のネットで大きな議論を巻き起こした。新しい富裕層である中産階級(jí)はすでに高級(jí)品を買うだけでは満足できず、日用品、家電製品、衣料品、食品といった商品まで爭(zhēng)って買っている。

日本へ旅行に行き、電気炊飯器を抱えて帰國(guó)するというのが、おしゃれなブームとなって久しい。數(shù)年前、東京の秋葉原では、街中いたるところに電気炊飯器を持つ中國(guó)人観光客の姿が見られた。

しかし今年新たなブームとなったのは溫水洗浄便座だ。この便座は、抗菌仕様で、瞬時(shí)に便座が溫かくなる機(jī)能や洗浄機(jī)能を備えている。最大のセールスポイントは、どんな形のトイレにも裝著できることだ。免稅店の日本人販売員は、「中國(guó)人のツアー団體客が來れば、毎日品切れとなる」と中國(guó)語で語った。

多くの人は、水に包まれた超微細(xì)イオンを発生させ、髪の潤(rùn)いを守るナノテクノロジー使用のドライヤーや、肉や野菜がスパッと切れるセラミック包丁、ステンレス製の真空斷熱二層で油汚れがつかないステンレスボトル、最新のLED超音波技術(shù)を使用し、ドイツのブラウンよりもさらに軽量の電動(dòng)歯ブラシなどを買っている。さらに変わっているのは、電気炊飯器と溫水洗浄便座を爭(zhēng)うように買った中國(guó)人観光客の間で、現(xiàn)在日本の米を買い漁るブームが起こっている點(diǎn)だ。1500元（約2萬8500円）近くを使って日本の米5kgを買った人までいる。

■合理的とは言えない買い物

世界高級(jí)品協(xié)會(huì)が発表した統(tǒng)計(jì)によると、中國(guó)人は春節(jié)連休中、海外で最も高級(jí)品を買う世界最大の消費(fèi)層となった。海外高級(jí)品価格は、一般に中國(guó)國(guó)內(nèi)の3分の1の値段で、中國(guó)人が海外に出て商品を買い漁っても十分に割が合う。海外ブランドショップやホスト國(guó)の観光業(yè)も中國(guó)人から大きな利益を得ている。

中國(guó)人が海外で豪快に商品を買う理由は、海外の商品の質(zhì)が良く、価格が安いからだという人がいる。しかし、わずか約2000元（約3萬8000円）の価格の便座を、わざわざ海外に行ってまで買うのは理解しがたい。しかも、メディアの報(bào)道によると、こういった機(jī)能を持つ便座は中國(guó)でもかなり前から販売されているという。さらには、日本の米5kgを1500元で購入するということは、1kg300元（約5700円）という恐ろしいほどの価格となる。

消費(fèi)行動(dòng)は往々にして単純な貨幣と商品の交換ではない。これには、消費(fèi)者の価値観や生活観、さらには個(gè)人の教養(yǎng)までが知らぬ間に透けて見える。一部の成金が短期間に大金を稼いだ場(chǎng)合、個(gè)人の資質(zhì)や信仰心がそれに追いついていかず、富に存在する本當(dāng)の意味を理解できていない。

シンガポール、韓國(guó)、フランス…世界各國(guó)で中國(guó)人観光客を歓迎するブームが起こっている。中國(guó)人は、世界経済を救ったが、中國(guó)人の消費(fèi)価値観は己を貶めてしまった。

■「歩く財(cái)布」に別れを告げるべき

1979年、12人の外國(guó)人モデルが、北京の民族文化宮大劇院で行われた中國(guó)初のファッションショーの舞臺(tái)に上った。30年前、「改革?開放」路線をとることを決めた中國(guó)人が初めて自分たちの目で見たブランドは、ピエール?カルダンだった?，F(xiàn)在、數(shù)多くのブランドがこぞって中國(guó)に進(jìn)出し、中國(guó)人のブランドに対する知識(shí)もますます深くなってきている。

海外旅行に行く人の數(shù)が増え、海外で金に糸目をつけずに買い物をする中國(guó)人観光客が、持ち帰ったものは商品だけで、他國(guó)からのさらなる尊敬は持ち帰れなかったようだ。西側(cè)メディアは中國(guó)人の消費(fèi)能力を認(rèn)めると同時(shí)に、「多くの中國(guó)人消費(fèi)者が購入したのは商品だけで、品位は購入できなかったかもしれない」と評(píng)した。便座、電気炊飯器、電動(dòng)歯ブラシなどの関連製品をこぞって買う現(xiàn)象は、この印象をさらに強(qiáng)める結(jié)果となっている。

現(xiàn)時(shí)點(diǎn)で、春節(jié)期間中に中國(guó)人が海外で消費(fèi)した額などの統(tǒng)計(jì)データは出ていないが、中國(guó)の研究機(jī)関の推計(jì)によると、昨年中國(guó)人がブランド物を消費(fèi)した額は1060億ドル（約12兆6800億円）に達(dá)し、世界の消費(fèi)総額の46％を占めた。そのうち、海外での消費(fèi)は810億ドル（約9兆6900億円）に上る。

活気づく海外での消費(fèi)に比べ、國(guó)內(nèi)消費(fèi)は理想どおりとは言えない狀況となっている。春節(jié)期間の中國(guó)國(guó)內(nèi)の小売売上高の伸び率は年々減少している。2014年の小売売上高は前年同期比13．3％の増加で、2005年の統(tǒng)計(jì)以來最低の水準(zhǔn)となった。

ここからも、「春節(jié)期間の中國(guó)人の海外における消費(fèi)ブーム」の現(xiàn)象がますます激しくなるのは、國(guó)內(nèi)消費(fèi)の需給関係のねじれを反映している、ということが容易に見て取れる。これは経済の新常態(tài)を背景にして、巨大な消費(fèi)潛在力をいかに國(guó)內(nèi)に留めて解放させるかに対する、一種の警告であり、叱咤激勵(lì)でもある。（提供/人民網(wǎng)日本語版?翻訳/MZ?編集/武藤）