北京の中心?紫禁城の北東に位置する地壇は、明、清代の皇帝が地の神に対して祭祀を行った宗教的な場(chǎng)所（祭壇）である。天壇が紫禁城の南東に築かれたのに対向しており、古代中國(guó)の「天南地北説」に符合する。天壇の主な建築が円形であるのに対して、地壇は方形だ。これは『大清會(huì)典』（政治制度に関連する史書）に記された「方（四角）は地を表す」に従っており、中國(guó)の天円地方の宇宙観を體現(xiàn)。中國(guó)発祥の「風(fēng)水」のパワースポットでもある?！柑欷详?、地は陰とみなす」という陰陽思想に従い、天壇の石塊や、階段、柱などはすべて奇數(shù)（陽數(shù)）で構(gòu)成されている。一方地壇は偶數(shù)（陰數(shù)）で構(gòu)成されている。

【その他の寫真】

地壇公園には、太極拳、気功をしている人たちが多いが、合唱の練習(xí)會(huì)も開かれ歌聲が響いている。公園內(nèi)にある「中醫(yī)薬養(yǎng)生文化園」を巡ると、中國(guó)醫(yī)學(xué)や養(yǎng)生の知識(shí)を?qū)Wべるようになっている。広い園內(nèi)は「木＝肝臓、火＝心臓、土＝脾臓、金＝肺、水＝胃」など「五臓六腑五行」の區(qū)畫に分かれている。人體のツボを示す展示物や解説パネルも置かれており、一巡すると東洋醫(yī)學(xué)の世界がよくわかる。晝間は中醫(yī)師の先生が診斷もしている。

北京の観光の中心、歴代の皇帝が居を構(gòu)えた世界遺産?故宮博物院。年間観光客數(shù)は1500萬人に達(dá)する。國(guó)慶節(jié)などピーク時(shí)には1日15萬人を上回り、今後も更に増加する見込み。

その混雑対策として、博物院では內(nèi)壇（內(nèi)壁）內(nèi)にある事務(wù)所や科學(xué)研究部門を移転し、今年、新たな展示施設(shè)を5カ所一般公開した。公開エリアは以前の46％から65％に増え、「慈寧宮區(qū)」、「雨花閣區(qū)」などが見學(xué)できるようになった。また、午門、武英殿、文華殿に展示スペースを設(shè)け、元、明、清朝時(shí)代の陶磁器、書畫などが新たに公開された。オープン間もないとあって、人影はまばらで、じっくり國(guó)寶級(jí)の寶物を鑑賞できる。日中戦爭(zhēng)末期に北京の故宮博物院の寶物は戦災(zāi)から逃れるため上海経由で臺(tái)北に逃れたことから臺(tái)北の博物院に比べ地味との見方もあったが、収蔵されていた歴代王朝の寶物の公開で、引けを取らなくなる、との期待もあるようだ。

◆下町の「胡同」「四合院」も観光スポットに

北京獨(dú)特の下町路地、胡同（フートン）?；疑违欹螗伪冥印─染Aき、その裏側(cè)に、大小様々な中庭型住宅が並んでいる。狹く雑多だがホッとする空間だ。住民の間で家族的な近所づきあいの習(xí)慣が殘り、老若男女が元?dú)荬四氦椁筏皮い?。伝統(tǒng)的な家屋である四合院を改造したレストランやホテルも多く、內(nèi)外の観光客の人気となっている。

明代、清代と王朝が代わる中でも、生き殘ってきた胡同だが、北京五輪に伴う再開発や大型ビルの建設(shè)で多くが取り壊された。かつて大きなものだけでも4000あったとされるが、現(xiàn)在は500以下に減ってしまった。古い北京の風(fēng)情をしのぶ貴重なスポットとなっている。（八牧浩行）

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。