北京の北東約100kmに位置する「水郷と長(zhǎng)城が同居する村」古北水鎮(zhèn)。高速道路で1時(shí)間ほどの距離で、萬(wàn)里の長(zhǎng)城のひとつ“司馬臺(tái)長(zhǎng)城”の麓に昨年オープンした。一歩足を踏み入れると、明?清?中華民國(guó)時(shí)代にタイムスリップしたような伝統(tǒng)的建築物、遊覧船が行き交う水のある風(fēng)景が獨(dú)特の景観を作り出している。中國(guó)各地の伝統(tǒng)的な町並みや景観が広大なスペースに再現(xiàn)されたテーマパークで、浙江省の烏鎮(zhèn)や蘇州の雰囲気を手軽に味わえる。レストラン、ホテルや商店、劇場(chǎng)などが隨所に設(shè)置され、內(nèi)外の観光客を集めている。2カ所ある劇場(chǎng)では、中國(guó)伝統(tǒng)の京劇や民族舞踴も鑑賞できる。溫泉浴場(chǎng)もあり、のんびり1日過(guò)ごすことが可能だ。遠(yuǎn)足や修學(xué)旅行生徒も多く來(lái)ていた。

【その他の寫(xiě)真】

日系旅行代理店の北京事務(wù)所の擔(dān)當(dāng)者は「街が何よりも清潔なのがいい。そぞろ歩きすれば、中國(guó)國(guó)內(nèi)の歴史や風(fēng)景を味わうことができる。日本人観光客には人気の新名所になりそう」と語(yǔ)っていた。

古北水鎮(zhèn)の最?yuàn)W部からゴンドラで上ることができる司馬臺(tái)長(zhǎng)城は、明代からそのままの険しい姿と雄大さを殘す長(zhǎng)城。勾配が急なため、天梯（天へのぼるハシゴ）と呼ばれている。全長(zhǎng)19キロで、絶壁を延々と曲がりくねり?yáng)|西に広がっている。萬(wàn)里の長(zhǎng)城観光の中心である八達(dá)嶺に比べ観光客は少なく靜かに見(jiàn)學(xué)できる。長(zhǎng)城の原形がそのまま殘っており、城壁両側(cè)の上部の壁には防衛(wèi)用の投石や射撃に使う窓が配され戦亂の歴史が甦る。東側(cè)には城樓が16カ所あり、さまざまな形をしている。

◆國(guó)民同士の相互交流は関係強(qiáng)化につながる

北京市旅遊発展委員會(huì)の任江浩処長(zhǎng)は「文化と歴史を融合させ観光の目玉にしたい。北京では春は花見(jiàn)、夏は郊外での避地、秋は収穫と體力増進(jìn)、冬は春節(jié)祭りなど四季折々に楽しめる。日中の観光客が相互にもっと行き來(lái)するようになれば、日中はさらにウインウインの関係を築くことができる」と語(yǔ)った。

12年秋の「尖閣國(guó)有化」「反日暴動(dòng)」以來(lái)、両國(guó)世論の相手國(guó)への「マイナスの印象」は最悪に陥り、日中関係は緊迫化したが、習(xí)近平國(guó)家主席が「近隣諸國(guó)との融和を目指す」との演説を行い、2回にわたって日中首脳會(huì)談が開(kāi)催された。日中関係はようやく雪融けムードが出てきた。この2年半、日中雙方の経済的ダメージは甚大で、産業(yè)界?観光業(yè)者らが改善を強(qiáng)く要求していた。米國(guó)が「日中軍事衝突は世界的大混亂招く」と危機(jī)感を抱き、紛爭(zhēng)回避を日中に働きかけたことも大きかった。

日中間の貿(mào)易は年間3400億ドル（約42兆円）、中國(guó)には日本企業(yè)が2萬(wàn)3000社も進(jìn)出。中國(guó)に駐在する日本人26萬(wàn)人、在日中國(guó)人は65萬(wàn)人に達(dá)しており、切っても切れない関係になっている。

昨年11月の北京での日中首脳會(huì)談では、領(lǐng)土問(wèn)題の存在を認(rèn)め合い、尖閣諸島の「事実上の棚上げ」を再確認(rèn)?！笐槁缘幕{関係」を重視することになった。

地方?経済?文化の相互交流が活発化しており、今春以降、自民黨と中國(guó)共産黨による日中與黨幹部會(huì)議、二階俊博?自民黨総務(wù)會(huì)長(zhǎng)を団長(zhǎng)とする経済?観光業(yè)界3千人訪中団、日中財(cái)務(wù)対話などが開(kāi)催された。11月には経団連?日本商工會(huì)議所を中心とする3千人の経済人が訪中する。

中國(guó)経済は減速傾向にあるものの7％臺(tái)の成長(zhǎng)率を維持。農(nóng)村地域の都市化が進(jìn)行、中産階級(jí)は4億人以上に拡大している。チャンスとリスクが混在するものの14億人の世界最大の消費(fèi)市場(chǎng)の魅力は不変だ。中國(guó)人の訪日だけでなく日本人の観光客ももっと訪中し交流すれば、日中関係はさらに深化し共存共栄の道を歩むことができるだろう。（八牧浩行）

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見(jiàn)。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。