中國(guó)の習(xí)近平（シー?ジンピン）指導(dǎo)部は最近、國(guó)有企業(yè)のなかでも中核をなす「央企（中央企業(yè)）」155社を今後、業(yè)界ごとに合併を進(jìn)め、最終的に約20社程度に集約するという國(guó)有企業(yè)の改革案を発表した。數(shù)十萬(wàn)にも及ぶ國(guó)有企業(yè)のなかでも最優(yōu)秀の企業(yè)群をさらに絞り込むという荒療治だけに、習(xí)近平指導(dǎo)部は最近の中國(guó)経済の停滯傾向に強(qiáng)い危機(jī)感を抱いていることがこの改革によって切々と伝わってくるようだ。

【その他の寫(xiě)真】

これについて、北京の大手経済専門(mén)紙の編集委員は「中國(guó)経済の落ち込みが激しいのは中國(guó)獨(dú)自の『パクリ文化』のせいだと思うのです」と意外なことを口にする。

彼によると、中國(guó)経済の原動(dòng)力は重厚長(zhǎng)大な國(guó)有企業(yè)で、エネルギーや自動(dòng)車(chē)、鉄鋼、流通など國(guó)有企業(yè)グループで占められており、民間企業(yè)が付け入る隙がない。

民間企業(yè)も手をこまねいているばかりでなく、なんとか市場(chǎng)に食い込もうと新しい技術(shù)を開(kāi)発し、國(guó)有企業(yè)に対抗しようとする。だが、ことごとく大手企業(yè)に新技術(shù)を真似されてしまうので、民間企業(yè)が育たないという悪循環(huán)に陥っている。

中國(guó)に進(jìn)出した日本企業(yè)が獨(dú)自の製造技術(shù)をコピーされ、気が付いたときには、同じような工場(chǎng)があちこちに建ち、偽物が市場(chǎng)に流通しているという話はよく聞く。例えば、有名なのは新幹線技術(shù)だ。もともとは日本製だったものが、中國(guó)は「自主開(kāi)発の國(guó)産高速鉄道」と銘打ち、いまでは東南アジアなど海外諸國(guó)に売り込みをかけている。

「國(guó)內(nèi)企業(yè)はもっとひどい。文句を言っても相手にされません。裁判に持ち込んでも、國(guó)家権力がついている國(guó)有企業(yè)が負(fù)けることはあり得ません。結(jié)局、泣き寢入りしかないのです」と編集委員氏はこう説明する?！袱饯谓Y(jié)果、中國(guó)では創(chuàng)造的発明や新技術(shù)を開(kāi)発するよりも、上手に真似をした方が手っ取り早くて、金も稼げるというわけで、『パクリ文化』が幅を利かせているのです」というのだ。

それでも、中國(guó)が「世界の工場(chǎng)」として安い製品を輸出できた時(shí)代は良かったが、いまや人件費(fèi)も高くなり、外資はアジアの新興國(guó)に工場(chǎng)を移転。高い「メード?イン?チャイナ」製品は売れなくなり、経済環(huán)境は悪化の一途をたどっている。

それを象徴したのが、8月下旬の世界同時(shí)株安だった。上海株価指數(shù)が8月下旬の3日間で22％も下げて3000を下回り、2月上旬の年初來(lái)最安値の3049をも割り込んでしまった。6月12日に記録した5200の最高値から、わずか70日あまりで2200ポイントも落ち込んでしまったのだ。

日本の高度成長(zhǎng)期には、いまや日本を代表するソニーやホンダなど町工場(chǎng)といってもよい中小企業(yè)が大成長(zhǎng)を遂げた。トヨタも戦後、大きく飛躍した。日本では新技術(shù)が保護(hù)され、創(chuàng)造性が大きく向上したが、いまの中國(guó)には、こういった獨(dú)自技術(shù)を持つ企業(yè)がないのが実態(tài)だ。

中國(guó)政府は「創(chuàng)新」という言葉を持ち出して、企業(yè)に「獨(dú)自技術(shù)の開(kāi)発」を訴えるが、すでに「模倣」や「パクリ」に慣らされた企業(yè)側(cè)は數(shù)年間、下手をしたら10年も20年もかかるような「創(chuàng)新」に乗り出す心構(gòu)えはないということだろう。

このため、習(xí)近平政権としては中核企業(yè)の合併による業(yè)界再編に乗り出さざるを得なかったといえる。

このため、「中國(guó)が経済低迷から抜け出すにはパクリ文化からの脫卻が急務(wù)」との彼の主張は極めて明快で分かりやすい。願(yuàn)うらくは、中國(guó)企業(yè)が「パクリ文化」を恥と思うような企業(yè)體質(zhì)に早く変化してほしいということだ。

◆筆者プロフィール：相馬勝

1956年、青森県生まれ。東京外國(guó)語(yǔ)大學(xué)中國(guó)學(xué)科卒業(yè)。産経新聞外信部記者、次長(zhǎng)、香港支局長(zhǎng)、米ジョージワシントン大學(xué)東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大學(xué)でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現(xiàn)在ジャーナリスト。著書(shū)は「中國(guó)共産黨に消された人々」（小學(xué)館刊＝小學(xué)館ノンフィクション大賞優(yōu)秀賞受賞作品）、「中國(guó)軍300萬(wàn)人次の戦爭(zhēng)」（講談社）、「ハーバード大學(xué)で日本はこう教えられている」（新潮社刊）、「習(xí)近平の『反日計(jì)畫(huà)』―中國(guó)『機(jī)密文書(shū)』に記された危険な野望」（小學(xué)館刊）など多數(shù)。