2015年10月14日、作家で元外務(wù)省主任分析官の佐藤優(yōu)氏が「最近の日本外交」と題して時(shí)事通信ホールで講演（新聞通信調(diào)査會(huì)主催）した。首相官邸主導(dǎo)の外交は、ロシアとの北方領(lǐng)土交渉でも稚拙な外交交渉を繰り返している、と指摘。9月に岸田文雄外相がモスクワに行く必要はなかった、との見方を示した。発言要旨は次の通り。

【その他の寫真】

現(xiàn)在、日本の外交は首相官邸主導(dǎo)で行われているが、対ロシアでも外務(wù)省の専門家を使っていない。外交というのは、相手が譲歩してくればこちらも譲歩する、相手が強(qiáng)く出るというのが常道だが、日本の外交は不思議なところがある。相手が譲歩すると居丈高になって強(qiáng)く出る、相手が強(qiáng)く出ると引っ込んでしまう。これでは交渉にならない。ロシアとの北方領(lǐng)土交渉でも稚拙な外交交渉を繰り返している。

9月に岸田文雄外相がモスクワに行く必要があったのか。岸田文雄外相とラブロフ露外相の會(huì)談は異常だった。會(huì)談後の共同記者會(huì)見後、立ち上がって握手を求めるラブロフ外相に対して、岸田外相は椅子に座り込んだまま、身動(dòng)きがとれなかった。ようやく立ち上がって握手に応じたものの、その表情は呆然としていた。記者會(huì)見で岸田外相が「ラブロフ大臣との間で領(lǐng)土問題について突っ込んだ議論を行った」と語(yǔ)ったが、ラブロフ外相は「北方領(lǐng)土は議論の対象ではない。議題にあるのは平和條約の締結(jié)だ」と否定した。今回の外相會(huì)談で、プーチン氏訪日に向けた具體的な前進(jìn)はなかった。（八牧浩行）＜完＞

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。