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今年5月から6月にかけて、中國(guó)內(nèi)で、日本人男女合わせて4人がスパイ容疑で逮捕される事件が発生した。わずか2か月の間に4人が逮捕されるのは改革開放後、前例がなく極めて異常な事態(tài)だ。北京の政治スローガンの看板。
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今年5月から6月にかけて、中國(guó)內(nèi)で、日本人男女合わせて4人がスパイ容疑で逮捕される事件が発生した。わずか2か月の間に4人が逮捕されるのは改革開放後、前例がなく極めて異常な事態(tài)だ。
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具體的な事実関係は不明だが、中國(guó)の洪磊外務(wù)省報(bào)道官も定例記者會(huì)見で、日本人男性2人の逮捕を確認(rèn)したうえで、今後の対応について「法に基づき調(diào)査し処理する」 と述べるにとどまった。実は、同報(bào)道官が発した、このフレーズは中國(guó)內(nèi)の汚職幹部を逮捕した際に発表されるおなじみのもので、この段階で、汚職幹部はほぼ例外なく起訴手続きに入っている。このため、2人はほぼ取り調(diào)べを終え、起訴に向かって法的な手続きが進(jìn)んでいるとみられる。
その後、これらの男性2人だけでなく、北海道在住の60代の男性や、東京都內(nèi)で日本語學(xué)校を経営する50代女性が中國(guó)內(nèi)で逮捕されているとの情報(bào)が出ているが、具體的な事実は明らかではない。
4人もの身柄拘束が、あまりに突然分かっただけに、「明日は我が身か」とチャイナウォッチャーとしては驚くほかはない。筆者もしばしば北京や上海に取材に行くからだ。北京など中國(guó)で取材していると、ときおり「逮捕されるかも…」とヒヤリとすることがある。
つい先日も北京南駅で、天津行きの高速鉄道「和諧」號(hào)に乗るために改札が開くのを待っている間、ひまなので、駅構(gòu)內(nèi)をぶらぶらしがてら、寫真を撮っていたところ、全身黒づくめの制服を著た女性の武裝警察官が私めがけて走ってきて、「ここで寫真を撮ってはだめだ」と大聲で注意されてしまった。こちらの不用意なケアレスミスだ。
その女性武裝警察官は「撮影した寫真を消しなさい」と強(qiáng)硬に言う。正直なところ、「カメラは沒収で、このまま身柄を拘束されるかも…」との恐怖心が募った。カメラには北京市內(nèi)で撮影した寫真も多數(shù)殘っていたが、結(jié)局、直前に撮った駅構(gòu)內(nèi)の寫真3枚だけを消去することで許してもらった。今回は大した被害はなかったが「これだから中國(guó)は怖い。自分で気を付けないと」と自省した。
その後、帰國(guó)してほどなく、これら日本人4人の逮捕の報(bào)に接しただけに、さきほども書いたが、「明日は我が身」と強(qiáng)く感じたものだ?!钢袊?guó)側(cè)は、(彼らの行動(dòng)の裏に)日本政府の指示があったかどうかについても調(diào)べている模様だ」と朝日新聞は伝えている。
私の場(chǎng)合は、しがないフリーライターで、現(xiàn)地で取材したり、調(diào)べたことはすぐに媒體に書いてしまうから、政府機(jī)関などから調(diào)査を依頼されることなどはありえないが、中國(guó)側(cè)は最近、國(guó)內(nèi)の民主化グループなどの特定のグループと外國(guó)人の接觸には強(qiáng)い警戒感を抱いているようだ。
習(xí)近平指導(dǎo)部が昨年11月に施行した「中華人民共和國(guó)反スパイ法」がその端的な例だろう?!竾?guó)家機(jī)密詐取」の取り締まりが第一の目的だ。とはいえ、あくまでも、これは外國(guó)人向けとみられる。
中國(guó)人向けとしては、10月22日付の人民日?qǐng)?bào)で発表された新しい「中國(guó)共産黨規(guī)律処分條例案」だと思われる。報(bào)道によると、習(xí)近平指導(dǎo)部が新しい時(shí)代の変化に適用するため、1年以上かけて作ったもので、「史上最も厳しい內(nèi)容」といわれ、來年1月1日から施行される予定だ。
黨員の禁止事項(xiàng)には「業(yè)者から飲食の接待を受けてはいけない」「公費(fèi)でゴルフをしてはいけない」「學(xué)歴を詐稱してはいけない」といった?jī)?nèi)容のほか、「黨中央の方針を勝手に論評(píng)してはいけない」という項(xiàng)目もある。
これは、いわば「國(guó)家機(jī)密を漏えいしてはいけない」という意味のように受け取れる。拡大解釈すれば、「外國(guó)人と接觸して、黨內(nèi)のことをいろいろと話してはいけない」ということだろう。
ちょっと飛躍するが、これでは、中國(guó)で中國(guó)人のニュースソースと會(huì)って、話しているときに、「御用だ」と踏み込まれかねない。相手の中國(guó)人も危険を承知で外國(guó)人と接觸することはないだろう。まったく、大変な世の中になったものだ。
◆筆者プロフィール:相馬勝
1956年、青森県生まれ。東京外國(guó)語大學(xué)中國(guó)學(xué)科卒業(yè)。産経新聞外信部記者、次長(zhǎng)、香港支局長(zhǎng)、米ジョージワシントン大學(xué)東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大學(xué)でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現(xiàn)在ジャーナリスト。著書は「中國(guó)共産黨に消された人々」(小學(xué)館刊=小學(xué)館ノンフィクション大賞優(yōu)秀賞受賞作品)、「中國(guó)軍300萬人次の戦爭(zhēng)」(講談社)、「ハーバード大學(xué)で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習(xí)近平の『反日計(jì)畫』―中國(guó)『機(jī)密文書』に記された危険な野望」(小學(xué)館刊)など多數(shù)。
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