日本が中國に行ってきた援助の代表的なものに、改革開放政策の際の全面的な支援がある。同時に、日本企業(yè)の対中進(jìn)出が始まり、日本製品が中國庶民の生活を支えるようになっていった。山東大學(xué)の孫穎さんは、今なお自宅にあるというシャープ製の洗濯機(jī)と一家の思い出について次のように作文につづった。

【その他の寫真】

うちにはとっておきの洗濯機(jī)がある。親の話によると、この洗濯機(jī)は結(jié)婚祝いとして祖父母からもらったそうだ。私が気になったのはその洗濯機(jī)のブランドだ。ふたの上にシャープというロゴがはっきり付いている。シャープが日本製品ということは、中學(xué)生になって初めて知った。30年も前に日本製の電器がはやっていたことにびっくりした。

30年前は大切にされた贅沢なものだけど、大きくて、洗濯とタンブル乾燥は別々で、洗濯に適する衣服もかなり限れている。だから、この洗濯機(jī)はあまり使われなくなっていった。最近、うちは新しいアパートを買った。引っ越した時、この洗濯機(jī)の存在に気付いた?！袱嗓Δ筏茠韦皮胜い危俊工饶袱寺劋い皮撙郡?、母はしばらく黙って、「過去を思い起こすものだから。ずいぶんお金かかったよ」とだけ言った。

中國が改革開放を?qū)g行したばかりのころ、國民の生活水準(zhǔn)はそんなに豊かではなかった。では、その高価で寶物のように扱われた洗濯機(jī)を買ったのはなぜなのか？「當(dāng)時、中國製の家電はほとんどなかった」と父は教えてくれた。「しかも、買ってから機(jī)械の調(diào)子もずっといい。日常生活にどれほど便利をもたらしたか。うちがだんだん豊かになるのもずっと見守っていたやつだから、功臣みたいな感じで。だから、なかなか捨てる気になれないんだ」と言った。そうなんだ。母の言葉が、今ようやく分かった。

うちにはシャープのほかに、もっと多くの日本製品が日常生活に登場した。ソニーのプレーヤーとか、松下電器とか、キヤノンのデジタルカメラとか、どこでも日本製の影を見つけられる。これらの日本製品は私たちの生活を豊かにさせるのに大切な一役を買った。そういった日系企業(yè)の中國市場への大膽な進(jìn)出ぶりに、私は心から拍手を送った。彼らの功績を抜きにしたら、中國の改革開放はだいぶ空しくなっていただろう。

このシャープの洗濯機(jī)は今でもうちに置いてある。私から見れば、これは過去を思い出したり、記憶を大切にすることより、なんとなく一種のありがたい気持ちも含まれている。これからもうちの変化を見守ってゆくであろうこの洗濯機(jī)のように、日系企業(yè)も將來、中國の発展と深くかかわっていくに違いない。（編集/北田）

※本文は、第五回中國人の日本語作文コンクール受賞作品集「中國への日本人の貢獻(xiàn)」（段躍中編、日本僑報社、2009年）より、孫穎さん（山東大學(xué)）の作品「とっておきの洗濯機(jī)」を編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。