2016年1月13日、富士通総研経済研究所の早川英男?エグゼクティブ?フェロー（元日本銀行理事調(diào)査統(tǒng)計局長）は、「2016年経済見通し?転機を迎えたアベノミクス」と題して、日本記者クラブで講演した。日本銀行の異次元金融緩和について、「2％インフレ」目標(biāo)を2016年度後半に先送りしたものの実現(xiàn)の可能性は低い、と指摘、「異次元緩和は行き詰っている」と強調(diào)した。また財政が本當(dāng)に苦しくなるのは、「団塊世代がさらに高齢化し醫(yī)療?介護費用が急増する2020年代半ばから」との見方を示した。発言要旨は次の通り。

日銀の異次元緩和は行き詰っている?！?％インフレ」目標(biāo)を2016年度後半頃に先送ったが、実現(xiàn)の可能性は低い。生鮮食品?エネルギーを除くコアCPI（消費者物価指數(shù)）も、円安効果の剝奪（はくだつ）により、近い將來に頭打ちとなるとみられる。日銀審議委員の大半も17年度でも「2％インフレ」の実現(xiàn)は困難とみている。

異次元緩和はもともと短期決戦の陣立てだった。長期戦が必至となった今、持久可能な政策の枠組みが必要だ?！笐榱Δ沃鸫瓮度毪悉筏胜ぁ工趣筏匹啸憨`カ砲を2発放った結(jié)果、“弾薬切れ”を市場から見透かされている。

しばらく先とみられるが、「2％インフレ」が実現(xiàn)し、日銀が大量の國債買い入れを終了すれば、長期金利は大幅に上昇してしまう。そうなると、長期債を大量に保有する地銀や信用金庫が多額の損失を被り、金融システムに影響する。長期債を抱え込んだ日銀の損失も莫大となる。國債の大量発行に依存する國も國債金利が上昇し、財政破たんの危機に直面する。

日本政府は「20年度までにプライマリー?バランス（歳入総額から國債発行収入を差し引いた金額と、歳出総額から國債費を差し引いた金額の収支）黒字化」との目標(biāo)を掲げている。しかし名目成長率3％（実質(zhì)2％）という極めて楽観的な成長頼みの計畫で、このままでは目標(biāo)達成は不可能。社會保障費を中心とした思い切った歳出削減と成長戦略推進が急務(wù)だ。日本の財政が本當(dāng)に苦しくなるのは、団塊世代がさらに高齢化し醫(yī)療?介護費用が急増する20年代半ばからである。（八牧浩行）

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。