八牧浩行 2016年2月11日(木) 22時40分
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11日のロンドン外國為替市場で一時1ドル=110円臺後半に上昇し、日銀が追加金融緩和に踏み切った2014年10月31日以來の高値を付けた。東証株価が1萬5000円の攻防となるのは必至で、アベノミクスは「風前の燈」の危機に直面している。寫真は日本銀行。
円高?ドル安の勢いが止まらない。11日のロンドン外國為替市場で一時1ドル=110円臺後半に上昇し、日銀が追加金融緩和に踏み切った2014年10月31日以來の高値を付けた。円相場は日銀がマイナス金利政策導(dǎo)入を発表した今年1月29日に付けた1ドル=121円70銭から約2週間余りで11円近く上昇したことになる?!ˉぅē欹竺走B邦準備理事會(FRB)議長が10日の議會証言で、3月の追加利上げを先送りする方針を示唆したため米経済の減速が改めて認識され、外國為替市場では、「ドル高?円安」のシナリオが崩れた。市場筋によると、中華圏の春節(jié)(舊正月)や日本の建國記念日の休場による「薄商い日」を狙い、ヘッジファンドが円買い攻勢を仕掛けてきたという。
米利上げ先送り観測からドル金利が低下。日銀がマイナス金利の導(dǎo)入を打ち出したにもかかわらず、日米の金利差が縮小。さらにドイツ銀行などを歐州の銀行不安、原油安、中國経済の変調(diào)などがくすぶり、比較的安全とされる円にマネーが逃避した。
その結(jié)果、アベノミクスの一枚看板である「円安?株高」の流れが逆流し、日銀のマイナス金利導(dǎo)入決定も裏目に作用。「円相場115円、東証株価1萬6000円」の防衛(wèi)ラインはあっさり崩壊してしまった。市場筋によると、「東証株価は1萬5000円の攻防となる」という。
2015年12月の全國企業(yè)短期経済観測調(diào)査(短観)によると、大企業(yè)製造業(yè)の想定為替レートは1ドル=119円40銭。大幅な円高が定著すれば、自動車や電機などの輸出産業(yè)を中心に企業(yè)業(yè)績には逆風となるのは必至だ。アベノミクスはまさに「風前の燈」の危機に直面している。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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