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中東情勢(shì)に詳しい「アララビTV」のモハメド?エルメンシャウィ記者(ワシントン支局長(zhǎng))が、日本記者クラブで會(huì)見。過激派組織ISについて、「軍事的に戦略を持ち、900萬人を支配している」と指摘。將來軍事的に敗北しても、思想的には生き殘るとの見方を示した。
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2016年2月18日、中東情勢(shì)に詳しいカタール「アララビ?テレビジョン?ネットワーク」のモハメド?エルメンシャウィ記者(ワシントン支局長(zhǎng))が、日本記者クラブで會(huì)見した。過激派組織IS(イスラム國)について、「単なるテロ組織以上の存在で軍事的に戦略を持ち、900萬人を支配している」と指摘。ISは將來軍事的に敗北しても、思想的には生き殘るとの見方を示した。またシリアの混亂を打開するために、「今のすべての戦いをやめ、シリアからすべての外國勢(shì)力が出ることが先決だ」と強(qiáng)調(diào)した。エジプト人の同支局長(zhǎng)は、20世紀(jì)から現(xiàn)在までの中東の歴史と現(xiàn)狀について造詣が深い。発言要旨は次の通り。
【その他の寫真】
中東諸國の多くは第一次大戦後、カリフ制が崩壊し、英仏などの植民地になった。20世紀(jì)半ばには大半の中東の國が獨(dú)立を果たすようになったが、同じ時(shí)期に(英仏などは)イスラエルに國家を與えると約束した。この結(jié)果、20世紀(jì)にはアラブとイスラエルが何度も戦爭(zhēng)し、アラブナショナリズムが勃興した。
米ソの冷戦で中東も2つに分かれ、「統(tǒng)一アラブ」の夢(mèng)はかなわなかった。この間アラブ諸國は軍事力強(qiáng)化を進(jìn)めた。アラブ各國は産出する石油の価格が上昇したので高水準(zhǔn)の収入を得た。
しかし民主主義、経済発展の2つで挫折した。アラブの主要國はすべて軍人出身がトップに就き、対イスラエル戦爭(zhēng)で敗北した。
(1)1979年、イランに初のイスラム政権誕生、(2)ソ連のアフガニスタン侵攻とアフガンへの米支援、(3)ワシントンでの和平合意で屈辱を味わった、(4)リビア、アルジェリアの內(nèi)戦で50萬人が殺害された―などから、政治的にイスラム主義への誘惑が高まり、「聖戦」に挑む中で多くがテロリストとなった。
◆米國やアラブ諸國への反感根強(qiáng)く
最近十?dāng)?shù)年の原點(diǎn)となったのは米國同時(shí)多発テロ事件(2001年9月11日)。19人のアラブの若者が起こしたが、彼らはアメリカで支援を得ていた。この事件を受け、米國はグローバルな「テロとの戦い」を米國內(nèi)外で起こした。アフガニスタンのタリバン掃討やイラク侵攻作戦などを展開。フセインを殺害したがなお大混亂に陥っている。
イラクで選挙の結(jié)果、米國はイスラム政権が選ばれると拒絶。米國はイラクで相次いでミスを犯した。イラクにとってもアラブ全體にとっても侮辱的なものだった。グアンタナモ(基地=牢獄)で、アラブ人に対する殘虐な行為が行われていた。アラブでもITブームが起きていたので、殘忍な寫真などが広まり反感を買った。
「アラブの春」はチュニジアから始まって 庶民が立ち上がって蜂起した。リーダーはおらず有機(jī)的に発生した。多種多様な人々が參加、女性、若者、左派、リベラルなどさまざま。重要な役割果たした軍の狀況と対応がその後を左右したが、「アラブの春」運(yùn)動(dòng)は、失敗した。
新たな中東における爭(zhēng)いはシーア派とスンニ派の分裂であり、IS(イスラム國)の臺(tái)頭を許した。シリアの內(nèi)戦の根本に関係している。
アルカイダとは全く違い、伝統(tǒng)的なメディアはもちろん、ツイッターなどニューメディアを使いこなしている。資産運(yùn)用もし、金融資産も保有、通貨発行し、徴稅も行っている。
ISの指導(dǎo)者のアルバグダディはモハメットの後継者であると主張し、かつてイスラム帝國の中心地だったバグダッドの出身であることも強(qiáng)調(diào)。このアルバグダディという名前自體がイスラムの誇りを呼び起こし、世界中のイスラムの若者に訴えかけるものだった。イスラムの富、アイデンティティの確保を約束し、歐米の脅威、シーア派の脅威に立ち向かう。
非常に複雑であり、背景にはアラブの春の失敗と、イラク?マリキ政権への失望感があった。ISは國境をなくし、旗まで持っている。國をなくしカリフ統(tǒng)治を復(fù)活する標(biāo)榜、不正義がはびこっている中東で人が集まりやすくなっている。
ISは、舊イラクの軍?諜報(bào)部の將官の採用も行っており、単なるテロ組織以上の存在で軍事的に戦略を持っている。支配地域にいる900萬人を支配しており、今は空爆などで押され気味だが、近い將來にISは軍事的には敗北しても、思想的にはそうはならないだろう。
新しい中東情勢(shì)の特徴は、米國とイランとの合意であり、ロシアも(中東に)入ってきている。原油価格の下落も混亂の要因となっている。暴力過激主義がイエメン、リビア、シナイ半島、イラクなどではびこっている。
シリアの混亂を打開するためには、まず今のすべての戦いをやめること。根本原因はどこでも同じで、過半數(shù)でない一部が力を握ってしまっており、少數(shù)派が統(tǒng)治している。さらに外國勢(shì)力、地域勢(shì)力がはびこり利害でうごめいている。シリアの民衆(zhòng)が犠牲になっている。シリアからすべての外國勢(shì)力が出ることが先決だ。
この10?15年、米國の力の衰えと限界が見えてくる。軍事面だけで対応するのはあらゆる面で不可能だ。オバマ大統(tǒng)領(lǐng)はイラク、アフガン戦爭(zhēng)の教訓(xùn)やブッシュ前政権の失敗から、もはや「世界の警察官」ではないことを?qū)Wんだ。
◆「聖戦」に走る!
イスラエルが(パレスチナの一部を)占有しているため、アラブ諸國の多くはイスラエルに苛立ち、擁護(hù)者の米國にも(批判が)向けられている。(過激派は)抑圧的な政権と戦うという理由で「聖戦」に走る面もあり、アラブ政権にも責(zé)任ある。この10年、最も抑圧的な政権はシリアとイラクであり、米國もISの勃興に寄與している。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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