難民や國際テロ問題解決へ不退転の決意、「國連の対応能力を増強したい」=次期國連事務(wù)総長選立候補のスロベニア前大統(tǒng)領(lǐng)、東京で會見

八牧浩行    2016年3月30日(水) 8時30分

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次期國連事務(wù)総長選に出馬表明しているダニロ?テュルク前スロベニア大統(tǒng)領(lǐng)が日本記者クラブで會見、國連が直面している問題に、不退転の決意で取り組む姿勢を示した。特に難民問題や國際テロリズムへの対応能力を増強していく必要があると強調(diào)した。

2016年3月29日、次期國連事務(wù)総長選に出馬表明しているダニロ?テュルク前スロベニア大統(tǒng)領(lǐng)が日本記者クラブで會見、國連が直面している問題に、不退転の決意で取り組む姿勢を示した。難民問題について、「國際システムを進化させないと対応できず、今の國連では困難だ」として、対応能力を増強していく必要があると強調(diào)した。國際テロリズムに対しては、事前に予防するために國家間の情報共有システムづくりに向けた協(xié)力を訴えた。

テュルク氏は今年末に任期が切れとなる國連?潘基文(パン?ギムン)事務(wù)総長の後任候補として立候補しており、今回の來日中、安倍晉三首相とも會談した。発言要旨は次の通り。

國連事務(wù)総長選挙に立候補した理由は、「経験」「コミットメント(約束)」「ビジョン(構(gòu)想)」の3つの言葉に集約される。 

(1)経験=國連では30年以上にわたり、安全保障理事會や事務(wù)総長の補佐など多くの任務(wù)を経験した。

(2)コミットメント=國連は國際機関として不可欠な存在である。あらゆる國が加盟、包摂性を有し、社會文化の基盤となっている。世界は國連を必要としている。

(3)ビジョン=世界の発展のためには、法的ルールづくりとその尊重が重要である。具體的には、平和安全、持続的な開発、人権の保護などを推進する。平和維持活動、國際反テロ活動に力を入れる。パリで合意に達した気候変動など17項目の持続可能な開発目標(biāo)(SDGs)の実現(xiàn)へ努力したい。最近10年間に人権へのニーズが拡大したため、人権委員會を拡充し、新たな國際的な規(guī)範(fàn)づくりに取り組む  

紛爭の解決には國際的な平和安全維持體制の確立が不可欠である。國連憲章の中に「平和への脅威」の概念があり、安全保障理事會が対応できる。安保理決議は法律のようなもので、國連憲章の下でつくられている。行動に際しては安保理の承認が出る。制裁や武力の行使もありうる。

世界の紛爭に対しては、自ら紛爭地に行くケースと、特別代表を指名して現(xiàn)地に派遣するケースの両方を組み合わせて、解決したい。実態(tài)が疑わしい時には事務(wù)総長の介入は必要だと思う。

國際テロリズムに対しては、事後対応ではなく事前に予防することが大事だ。國家間の情報共有伝達システムづくりが遅れており、さらなる?yún)f(xié)力が必要だ。法的な枠組みも重要である。

歐州の難民問題をめぐるEU(歐州連合)?トルコの合意は暫定措置であり、解決策にはならない。この問題は國際法上、深刻で、危機は深く 包括的な長期解決策を追求すべきだ。

戦亂や政治的迫害で故國を追われた難民の問題は、國際システムを進化させないと対応できず、今の國連では困難だ。対応能力を増強していく必要があり、組織と資金が必要となる。就職や教育などの問題への対応も必要だ。

難民の向こう側(cè)に高い生活水準(zhǔn)を求め先進國を目指す移民の問題がある。これまで各國は見て見ぬふりをしてきた。もう直視しないといけない。事務(wù)総長に當(dāng)選した場合は移民の國際的管理をもっと検討していかなければならない。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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