日本が誇るサブカルチャーである漫畫(huà)やアニメは、中國(guó)でも若者を中心に人々の心をとらえている。東華大學(xué)の曹金芳さんは、そんな日本のアニメが繋いでくれた一つの縁について、作文に次のようにつづっている。

【その他の寫(xiě)真】

「へえ、君も『HUNTER×HUNTER』が好きだったんだ」。隣の席の沈さんという男の子が不思議顔で話しかけてくれた。あれは中學(xué)生の時(shí)のことだった。

どのクラスにもいたずらをしていて成績(jī)が悪い男の子がいるが、沈さんはそんな生徒たちの一人だった。ある日先生から、「沈さんの隣の席に座って。何かあったら、私に報(bào)告しなさい」と言われた。あの沈さんの隣に座るなんて、絶対私の勉強(qiáng)の邪魔になると確信した。どうやって斷ろうかと考えていたが理由が見(jiàn)つからず、結(jié)局、沈さんの隣に座ることになってしまった。

席が変わると、私はすぐにテープで機(jī)の真ん中に線を引いた?！袱长尉€を越さないで」と不満顔で沈さんに言い、勉強(qiáng)に夢(mèng)中になっていた。あの頃の私はガリ勉少女だった。いつも勉強(qiáng)ばかりの生活を送っていた。唯一の楽しみといったら、アニメを見(jiàn)ることだった。小學(xué)生の時(shí)、『名探偵コナン』『スラムダンク』などのアニメが流行していた。放課後、テレビでアニメを見(jiàn)ることを毎日楽しみにしていた。飽きずに同じアニメを何回も見(jiàn)続けたこともある。そして、毎週『動(dòng)漫週刊』という雑誌を買(mǎi)い、最新のアニメ情報(bào)を集めていた。

『HUNTER×HUNTER』が好きになったのは中學(xué)の頃だった?！弗触?、俺が守る。だって友達(dá)だもん。俺の大事な友達(dá)だもん。絶対失いたくない」と主人公のキルアが泣きながら叫んだ言葉が脳裏に焼き付いた。殺し屋として育てられてきたキルアはいつも冷酷で、他人の命を見(jiàn)捨てていた。しかし、そんなキルアはゴンを守るために、自分の命さえ捨てる覚悟で戦い続けていた。私は二人の友情に感動(dòng)した。だが、このアニメのお陰で、あいさつ以外の言葉を交わさなかった沈さんと私が仲良くなるなど、思いも寄らなかった。

ある日の自習(xí)中、沈さんに「教科書(shū)を貸してくれない？」と頼まれた。宿題のためなら貸してあげようと思い、教科書(shū)に『HUNTER×HUNTER』の主人公の落書(shū)きをしたこともつい忘れ、教科書(shū)を渡してしまった?！袱丐?、君も『HUNTER×HUNTER』が好きだったんだ」と沈さんは言った。しまった。あんな下手な絵を見(jiàn)られてしまった。私は恥ずかしくなって赤面した。なぜ貸す前に気づかなかったのか。

「まあまあ上手だね。僕も『HUNTER×HUNTER』好きだよ。でも、やっぱりゴンの方がかっこいいと思う」と沈さんが言った?！高`う。キルアの方がかっこいいもん」と私は思わず言い返した。気づいたら、自習(xí)の時(shí)間は二人のアニメ論爭(zhēng)になってしまっていた。それからというもの、沈さんといつもアニメの話をするようになった。自習(xí)中こっそり漫畫(huà)を読んでいる沈さんをかばったこともある。今にして思えば、本當(dāng)に楽しい時(shí)間だった。

大學(xué)生になった今も、私はアニメを見(jiàn)続けている。ACG（日本のアニメ?コミック?ゲーム）の世界は沈さんと私のような性格の違う人を結(jié)ぶことができるし、ACGの世界でなら何でも體験できるからだ。（編集/北田）

※本文は、第十回中國(guó)人の日本語(yǔ)作文コンクール受賞作品集「『御宅』と呼ばれても」（段躍中編、日本僑報(bào)社、2014年）より、曹金芳さん（東華大學(xué)）の作品「アニメで出會(huì)った仲間」を編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報(bào)社の許可を得て掲載しています。