八牧浩行 2016年4月16日(土) 8時20分
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15日、歐州の國際関係史に詳しい渡邊啓貴東京外大教授が講演。歐州はギリシャ財政危機(jī)、ウクライナ危機(jī)に直面する中で、難民?移民問題やテロの脅威にさらされている、としながらも、「歐州は様々な困難を乗り越え、『統(tǒng)合』をやめることはない」と語った。
2016年4月15日、歐州の國際関係史に詳しい渡邊啓貴東京外國語大學(xué)教授が日本記者クラブで「歐州騒亂―EU統(tǒng)合のプロセスとしての現(xiàn)実と理想のジレンマ」と題して講演した。歐州はギリシャ財政危機(jī)、ウクライナ危機(jī)に直面する中で、難民?移民問題やテロの脅威にさらされている、としながらも、歐州統(tǒng)合は「國境を越えたリストラ」であり、「危機(jī)を回避するための合理化である」と分析。「歐州は様々な困難を乗り越え、『統(tǒng)合』をやめることはない」と結(jié)論付けた。発言要旨は次の通り。
世界の論理はこれまで「米歐流」が主流となってきた。米中対立は価値観の対立と言え、中國からの挑戦でもある。歐州は自由と寛容が特徴だったが、大きく揺らいでいる?!肝餮螭螞]落」の危機(jī)であり、価値観の多様化が脅威となっている。その最大のものはIS(イスラム國)であり、難民問題である。
財政危機(jī)のギリシャがEUを離脫した場合は、歐州全體への信用問題が揺らぎ、全體としてマイナスの経済効果を生じてしまう。
英國では離脫を巡って國民投票が6月に実施されるが、國民が「ノ―」ということはないと思う。英國がEUにいることでバランスが取れており、米EU関係を安定させるという政治的な役割もある。英國にとっても経済問題があり、完全にはEUから離脫できない。
歐州は、ギリシャ財政危機(jī)、ウクライナ危機(jī)に直面する中で、難民?移民問題やテロの脅威にさらされ、歐州に対する悲観論が高まっている。しかし歐州は様々な困難を乗り越え、「統(tǒng)合」をやめることはないだろう。
ポスト「冷戦後」の國際秩序に向けた発想が必要である。歐州は試行錯誤の最中であり、日本も「他律依存型」から「自立共存型」の外交に脫皮する必要がある。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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