2016年5月7日、東京から南に約1700km、太平洋に浮かぶ「沖ノ鳥島」（東京都小笠原村）。この日本最南端の無人島が日本と臺灣の関係に波紋を広げている。海上保安庁が周辺の排他的経済水域（EEZ）で操業(yè)中の臺灣漁船を拿捕(だほ）。これに反発する臺灣の馬英九総統(tǒng)は「島でなく巖」と主張し、中國も南シナ海で進める埋め立てをよそに、援護射撃している。

國土交通省によると、沖ノ鳥島は東西に約4.5km、南北に約1.7km、周囲11kmのサンゴ礁。コンクリートの護岸で囲まれた二つの小島のほか、観測施設がある。日本の國土面積（約38萬km2）を上回る約40萬km2のEEZを有するが、浸食などで満潮時には小島が海面上に殘るのみとなってしまい、補強工事などが進められている。

臺灣メディアなどによると、4月25日未明、海上保安庁の巡視船が沖ノ鳥島の東南東沖約150カイリ（200カイリのEEZの內(nèi)側(cè)）で操業(yè)していた臺灣漁船「東聖吉16號」を見つけ、拿捕した。臺灣當局は「沖ノ鳥島は『島』ではなく『巖』だ」と抗議したが、漁船の所有者が擔保金600萬円を支払ったため、翌26日、乗組員は釈放された。

これについて、馬総統(tǒng)は27日、沖ノ鳥島は「巖」でEEZは設定できないと言明。29日にも「公海上での漁船拿捕は臺灣だけでなく全ての國?地域の権利を侵している」などと、改めて日本を批判した。

臺灣外交部の林永楽部長（外相に相當）も29日、日本の対臺灣窓口機関である交流協(xié)會臺

北事務所の沼田幹男代表を呼び出して抗議。漁民保護の名目で海岸巡防署（海保に相當）の巡視船など2隻を周辺海域に派遣した。日本側(cè)は「臺灣側(cè)の一方的な獨自の主張は受け入れられない」（岸田文雄外相）と重ねて反論している?！?/p>

國連海洋法條約によると、「島」は「自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時にも水面上にあるもの」とされる。一方で「人間の居住または獨自の経済的生活を維持することのできない巖は、EEZまたは大陸棚を有しない」と規(guī)定されている?！笉u」の場合、周囲に12カイリの領(lǐng)海と、EEZ、大陸棚が認められる。「巖」の場合は、領(lǐng)海は認められるが、EEZと大陸棚は認められない。

沖ノ鳥島に関して、中國は韓國とともに「巖」と主張。臺灣は「定義が確定していない」としていたが、退陣直前の馬総統(tǒng)は中國寄りに大きく踏み出しだ。

中國外交部の華春瑩副報道局長は29日の記者會見で、沖ノ鳥島を「沖ノ鳥礁」と呼び、「人が居住できず、経済生活を維持できない」と強調(diào)?！溉毡兢珽EZと大陸棚を主張するのは海洋法條約違反で、中國は承認しない」とも述べ、臺灣側(cè)の主張を後押しした。

その中國が実効支配を強める南シナ海。南沙（英語名?スプラトリー）諸島の巖礁埋め立ては「低潮高地」に建てられた「人工島」との指摘が米國などからある?！傅统睍rには水に囲まれ水面上にあるが、高潮時には水中に沒する」低潮高地や人工島は、海洋法條約では領(lǐng)海すら認められていない。米國が南シナ海で「航行の自由作戦」を繰り返す理由の一つでもある。（編集/日向）