2016年5月31日、中國(guó)とフィリピンが領(lǐng)有権をめぐって爭(zhēng)っている南シナ海?南沙諸島について、中國(guó)?習(xí)近平國(guó)家主席とフィリピンのドゥテルテ次期大統(tǒng)領(lǐng)が協(xié)議する可能性が高まっている。ドゥテルテ次期大統(tǒng)領(lǐng)は5月15日の記者會(huì)見(jiàn)で、「中國(guó)と友好関係を築きたい」と述べ、領(lǐng)有権問(wèn)題をめぐり悪化した中國(guó)との関係を修復(fù)したい意向を表明した。中國(guó)外交部によると、習(xí)主席も30日、ドゥテルテ氏に対し、次期大統(tǒng)領(lǐng)就任の正式?jīng)Q定を祝うメッセージを送るとともに、両國(guó)の長(zhǎng)い友好関係に言及?！鸽p方が2國(guó)間関係を健全で発展的な路線に戻すために懸命に取り組むことを望む」と伝えた。

ドゥテルテ氏の前任のアキノ大統(tǒng)領(lǐng)は、南沙諸島の領(lǐng)有権問(wèn)題について仲裁裁判所に仲裁手続きを進(jìn)めており、フィリピンと中國(guó)の関係が悪化した。フィリピンは「南シナ海における中國(guó)が利用している様々な海洋地形物は排他的経済水域と大陸棚を有する島ではなく、國(guó)連海洋法條約第121條3項(xiàng)に規(guī)定される「巖」であり、低潮高地や恒常的に海面下にあるものだ」と主張。中國(guó)の「最近の大規(guī)模な埋め立て工事はこれらの海洋地形物の元の性質(zhì)と性格を合法的に変更しうるものではない」と提訴している。

ドゥテルテ氏は「交渉の船が靜かな海にあり、圧力的な風(fēng)が吹かないなら、私は中國(guó)と2國(guó)間で協(xié)議することを決めるだろう」と述べ、中國(guó)と対話する考えを示した。同氏は最大の貿(mào)易投資相手國(guó)である中國(guó)との良好な関係を重視する考えを大統(tǒng)領(lǐng)選で表明している。

中國(guó)は、南シナ海の多くのエリアを囲む「九段線」は中國(guó)の歴史的な権利であると主張。國(guó)連海洋法條約は298條で當(dāng)該國(guó)の宣言による適用の除外を定めていると指摘、中國(guó)は2006年8月25日にこの宣言をしているので仲裁裁定に応じる義務(wù)はないとしている。

仲裁裁判所は政治的に配慮する傾向にあり、一方に極端に加擔(dān)するような判決は出ないとみられるものの、フィリピン寄りの判決となる可能性が大きい。中國(guó)はこれを無(wú)視すれば、國(guó)際社會(huì)で外交?司法面での圧力にさらされるため、対話による解決の道を探ることになったとみられる。（八牧浩行）

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見(jiàn)。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。