過(guò)去の歴史が原因で、日本に嫌悪感を抱いている中國(guó)人は少なくないが、些細(xì)なきっかけからそうした心情に変化が現(xiàn)れることもあるようだ。華僑大學(xué)の李佳南さんは、日本語(yǔ)を?qū)Wぶことに否定的だった反日の祖父が考えを変えるまでの出來(lái)事を次のように作文につづっている。

【その他の寫真】

「本當(dāng)にいいのか。日本語(yǔ)なんて勉強(qiáng)しても將來(lái)性はないだろう。それに、おじいさんは叔父さんの仕事にも賛成してないし、お前まで日本語(yǔ)を勉強(qiáng)すると、さらにおじいさんを失望させるぞ」「それは…」「まあ、もう大人だからお前の人生はお前次第だ。もう寢よう」。これは私が華僑大學(xué)に來(lái)る前の夜にした、父との最後の會(huì)話だ。

私の叔父は今、東風(fēng)日産という日中合弁企業(yè)で働いている。祖父は子供の時(shí)、その目で日本の兵士が村を掃討するのを見(jiàn)たことがあるので、日本人に対して嫌悪感が強(qiáng)い?！袱护盲挨虼髮W(xué)生にしたのに、日本人と一緒に働くなんて絶対許さない！」。叔父が祖父の反対をおして日本の企業(yè)に就職すると決めた時(shí)、祖父がどんなに怒っていたか、今も記憶に新しい。

冬休み、私が祖父のところへ遊びに行った時(shí)、祖父の友人が訪ねてきて、こんなことを聞いた?！袱铯筏我櫎à碎g違いがなければ、孫娘さんはもう大學(xué)生。本當(dāng)にいい子ですね。で、孫娘さんは大學(xué)で何を?qū)煿イ筏皮い蓼工俊?。祖父はすぐ顔色を変えて、「つまらないことだから言わなくてもいい」と言った。その?chǎng)は気まずい雰囲気になった。祖父にとって、孫娘が日本語(yǔ)を勉強(qiáng)していることはきっと恥をかくことなのだろう。その日、私は2年生の時(shí)に必ず転科すると決心した。でも、次の夏休みに起こった出來(lái)事は、私にその決意を斷念させた。

あの日、私が家でテレビを見(jiàn)ている時(shí)に、急に攜帯電話が鳴った。電話に出たら、なんと日本語(yǔ)が聞こえてきた?！袱猡筏猡贰ⅳⅳ?、日本語(yǔ)が通じますか」「は、はい。少しだけできますけど。どちら様ですか」「ああ、よかった。私、李有善さんと同じ會(huì)社の山崎と申します。さっき李さんが仕事の途中で急に倒れたんです。私は病院まで送りました。今はもう大丈夫そうですが、しばらく聲が出せないようです。李さんはずっと私にこの番號(hào)を見(jiàn)せていたので、かけてみたんです」「あのう、すみません。日本語(yǔ)がまだ下手なので、ちょっと分からないんです。もう一度お願(yuàn)いできますか」…。

私は下手くそな日本語(yǔ)で山崎さんと長(zhǎng)時(shí)間話して、ようやく叔父が入院したことの経緯がわかり、それを叔母に伝えた。あの日は休日だったが、叔父と山崎さんは會(huì)社で殘業(yè)をしていた。叔父は仕事中、突然高血圧で卒倒したそうだ。山崎さんは付き合いが全くなかった叔父を助けてくれただけでなく、何度もお見(jiàn)舞いに來(lái)てくれたそうだ。それらはすべて叔父が退院した後、私に教えてくれたことだ。

1週間後、祖父は急に電話をかけてきた。「叔父さんのこと、聞いたよ。佳南ちゃん、よくやったね。以前はわしの偏見(jiàn)で辛い思いをさせてすまなかった。日本語(yǔ)の勉強(qiáng)頑張ってね。將來(lái)、日中友好関係に力を盡くせたら、おじいちゃんは佳南ちゃんを誇りに思うよ」。祖父の話を聞いているうちに、私は思わず涙が出てきた?！袱Δ?。必ず一生懸命日本語(yǔ)を勉強(qiáng)するよ。絶対おじいちゃんの希望に背かないようにするよ」。

あれから1年間、私は心を入れ替えて真面目に勉強(qiáng)している。日中両國(guó)の間には歴史的な問(wèn)題が確かにあると思う。でも、それはもう過(guò)去のことだ。今の両國(guó)の國(guó)民にとって重要なのは現(xiàn)在のことなのではないだろうか。祖父のようにずっと日本を憎んでいた人も偏見(jiàn)を捨てられたのだから、皆さんもきっとその敵意をやめられるはずだ。そして、互いに尊敬し、助け合える日が來(lái)るだろう。一緒に友好的な時(shí)代を作ろうではないか。（編集/北田）

※本文は、第九回中國(guó)人の日本語(yǔ)作文コンクール受賞作品集「中國(guó)人の心を動(dòng)かした『日本力』」（段躍中編、日本僑報(bào)社、2013年）より、李佳南さん（華僑大學(xué)）の作品「敵意をやめ、友好時(shí)代を作ろう」を編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報(bào)社の許可を得て掲載しています。