領(lǐng)有権主張、南シナ海けん制の“一石二鳥”狙う?中國軍艦、尖閣接続水域を初航行、日中対立、新たな局面に

Record China    2016年6月12日(日) 6時30分

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東シナ海の尖閣諸島の接続水域に中國の軍艦が初めて入った。南シナ海で海洋進出を強める中國が東シナ海でも引かない姿勢を改めて示した形で、日中間の緊張は一挙に高まった。資料寫真。

2016年6月11日、東シナ海の沖縄県?尖閣(中國名?釣魚島)諸島の接続水域に9日未明、初めて進入した中國海軍の軍艦。これは、尖閣をめぐる日中対立が新たな局面に入ったことを意味する。中國側(cè)には尖閣の領(lǐng)有権主張に加え、南シナ海問題で対中包囲網(wǎng)を敷く日本や米國をけん制しようという“一石二鳥”の狙いもあるとみられる?!?/p>

國連海洋法條約では、自國の沿岸から12カイリ(約22キロ)までを領(lǐng)海、24カイリ(約44キロ)までを接続水域と定めている。接続水域內(nèi)では沿岸國に通関、財政、出入國管理、衛(wèi)生などの規(guī)制が認められているが、本質(zhì)的には公海とされ、外國軍艦が入っても國際法上の問題はない。

海上保安庁によると、中國海警局公船の尖閣領(lǐng)海侵犯は今年になってから8日までに15回を數(shù)える。日本の実効支配に対抗して領(lǐng)有権の既成事実化を図るためだ。當初、漁船だったが領(lǐng)海侵犯は公船にエスカレートした。

今回、中國海軍のジャンカイI級フリゲート艦は接続水域にとどまったが、そのまま進めば領(lǐng)海にまで入りかねなかった。その場合、監(jiān)視中だった海上自衛(wèi)隊の護衛(wèi)艦「せとぎり」などが領(lǐng)海侵入を阻止する「海上警備行動」を取る可能性もあった。

外務(wù)省の斎木昭隆事務(wù)次官が中國の程永華(チョン?ヨンホア)駐日大使を同省に呼び、重大な懸念を伝えて抗議するとともに中國軍艦が接続水域を出るよう求めたのは、進入確認から約1時間後の9日午前2時ごろ。日本政府の異例の対応は、中國艦の行動に対し、強い危機感を抱いたためだ。

菅義偉官房長官は9日午前の記者會見で「緊張を一方的に高める行為で深刻に懸念している。領(lǐng)土、領(lǐng)海、領(lǐng)空は斷固として守り抜く強い意志のもと、毅然(きぜん)と冷靜に対応する」と強調(diào)。領(lǐng)海侵犯すれば海上警備行動を発令したかについては「その時々の事態(tài)で判斷する。一概に答えるべきでない」と述べた。さらに9日夜には、安倍晉三首相を中心に「國家安全保障會議」(NSC)を開催。これまでの情報分析などの報告を受けるとともに、不足の事態(tài)に備え、米國とも連攜して警戒?監(jiān)視に萬全を期すことを確認した。

中國艦の動きと合わせ、8日夜から9日未明にかけ、ロシアの軍艦3隻が接続水域を南から北へ抜けていくのも確認された。ロシア艦がこの接続水域を航行するのは初めてではないものの、防衛(wèi)省は中國艦の動きとタイミングが重なったことから、関連性を分析している。

中國共産黨系の環(huán)球時報によると、中國國防部は9日、進入に関する見解を発表。この中で「釣魚島と付屬島しょは中國固有の領(lǐng)土だ。中國の軍艦が自國の管轄海域を航行することは合法であり、他國がとやかくいう権利はない」などと日本側(cè)の抗議を一蹴した。

中國は5月の主要國首脳會議(伊勢志摩サミット)や6月初めのアジア安全保障會議などの國際舞臺で、日本が米國と並んで南シナ海問題を主導的に取り上げることに強く反発している。東シナ海では7日にも、中國戦闘機が米軍の偵察機の飛行を妨害した。9日の進入劇は東シナ海でも、あえて緊張を高め、南シナ海同様に領(lǐng)有権の主張は譲らないとする中國の強硬姿勢が見て取れそうだ。(編集/日向)

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