現(xiàn)在中國の所得水準(zhǔn)はすでに中所得國のレベルに達(dá)している。総合的にみて、あと6、7年の間に「中所得國の罠」を抜け出し、高所得國の仲間入りを果たすことに何ら問題はないだろう。問題は高所得レベルに達(dá)した後も中國は歐米先進(jìn)國との間に依然として大きな差が存在するという點(diǎn)だ。このため、長(zhǎng)期的な視點(diǎn)から、現(xiàn)段階で構(gòu)造調(diào)整を強(qiáng)化し、成長(zhǎng)のエネルギー源を再構(gòu)築し、「中所得國の罠」を乗り越えた後も中國に依然として力強(qiáng)い発展のエネルギーを保持させなければならない。中國経済の長(zhǎng)期的な趨勢(shì)はどうなるのだろうか？中所得國から高所得國への過渡期において、どうすれば力強(qiáng)いエネルギーを保持し続けることができるだろうか？中國の実踐と経験、「中所得國の罠」を乗り越えることに成功したエコノミーの経験をまとめれば、啓発を得られるのではないだろうか。人民日?qǐng)?bào)が伝えた。（文：鄭秉文?中國社會(huì)科學(xué)院中國特色社會(huì)主義理論體系研究センター研究員、米國研究所所長(zhǎng)）

▼低所得國から高所得國までの4段階の中國経済発展の見通し

世界銀行による4つの所得における?yún)^(qū)分を參考にすることで、1978年以來の中國経済の発展段階を?qū)潖辘工雲(yún)^(qū)分に定義し、その將來的な予測(cè)を行うことができる。世界経済における経験と中國の実情を照らし合わせ、この4段階を分析すると、中國はすでに「中所得國の罠」を乗り越えるための基本條件を整えていることがわかる。

第一段階は1978年から1998年までの低所得段階。この時(shí)期、中國の一人當(dāng)たり國民総所得（GNI）は190 ドルから820ドルまで成長(zhǎng)し、20年間で低所得段階から抜け出している。この過程において、社會(huì)主義市場(chǎng)経済體制の改革は経済成長(zhǎng)の根本的なエネルギーとなり、農(nóng)村請(qǐng)負(fù)制から國営企業(yè)の改革、財(cái)産権の明確化、競(jìng)爭(zhēng)メカニズムの導(dǎo)入に至るまで、市場(chǎng)メカニズムの作用の下、生産力の発展?jié)撛诹Δ虼巍─乳_放していった。

第二段階は1999年から2009年までの低中所得段階。この時(shí)期、中國の経済成長(zhǎng)の典型的な特徴は労働、資本、土地、その他自然資源など有形的要素の投入を拡大し続けたことで、成長(zhǎng)エネルギーは主にこれら要素の駆動(dòng)によるものだった。この段階では、労働集約型製品の輸出を主とした対外貿(mào)易が重要な成長(zhǎng)エンジンとなり、外貨準(zhǔn)備高が十?dāng)?shù)倍に増加し、投資率も高い數(shù)値を保持し続け、不動(dòng)産業(yè)が國民経済の支柱産業(yè)となった。しかしながら、大量の投入と高い成長(zhǎng)率は資源環(huán)境という代価を支払わなければならず、成長(zhǎng)を持続できないという矛盾が目立ち始めた。

第三段階は2010年から2023年前後までの中高取得段階。2010年、中國は中高所得段階に達(dá)した。同時(shí)に経済成長(zhǎng)のスピードは高速成長(zhǎng)から中高速成長(zhǎng)に切り替わり、経済の発展?fàn)顩rは新常態(tài)に入った。中高速成長(zhǎng)に基づき推測(cè)すると、中國がこの段階を抜けるのには約13年の時(shí)間を要する。中高所得段階においては、伝統(tǒng)的な要素の優(yōu)勢(shì)は次第に失われ、大規(guī)模な投入もまた制約を受けるようになる。成長(zhǎng)スピードは減速し、迅速な生産率の向上と、粗放型成長(zhǎng)モデルから集約型成長(zhǎng)モデルへの転換、要素駆動(dòng)からイノベーション駆動(dòng)への転換が必要となる。そのため、黨中央は直ちに供給側(cè)の構(gòu)造改革を推進(jìn)し、過剰な生産能力の調(diào)整、在庫消化、レバレッジ解消を通じて供給側(cè)の質(zhì)と効率を向上させ、コスト削減と弱い部分の補(bǔ)完を通じて企業(yè)の生産率、投入産出率と競(jìng)爭(zhēng)力を向上させている。供給側(cè)の構(gòu)造改革を推し進(jìn)めることは、中高速成長(zhǎng)のスピードと「中所得國の罠」を乗り越えるための生命線を確保することにつながる。

第四段階は2024年頃から始まると予想される高所得段階。高所得國は先進(jìn)國であるとは限らない。先進(jìn)國になるためには総合的な評(píng)価システムに適合しなければならず、その一つの目立った特徴としては技術(shù)イノベーションタイプの國家であることが挙げられる。技術(shù)イノベーションを駆動(dòng)とし、根本的な成長(zhǎng)エネルギー源とする必要がある。現(xiàn)在、中國の技術(shù)イノベーションの経済成長(zhǎng)への寄與度はすでに55．3％にまで達(dá)しているが、しかし先進(jìn)國家レベルからすると依然として低い數(shù)値となっている。イノベーション発展は黨中央が提起した新発展理念の第一條であり、イノベーション能力の向上は供給側(cè)の構(gòu)造改革の重要な內(nèi)容となっている。これら新理念と新措置は中國の現(xiàn)狀の問題を解決していくだけでなく、長(zhǎng)期的な発展を?qū)g現(xiàn)していくものだ。これらの新理念と新措置を徹底し、自國のイノベーション能力の向上に努力し、イノベーション駆動(dòng)による発展戦略を?qū)g行し、イノベーション型國家の建設(shè)を加速することで、初めて今世紀(jì)半ばまでに先進(jìn)國家レベルに達(dá)するという目標(biāo)を順調(diào)に実現(xiàn)することができる。

▼高所得のハードルを越えた上で、中進(jìn)國への道を邁進(jìn)

中國は世界銀行が定める高所得國家のハードルを越えた後も引き続き長(zhǎng)い道のりをゆっくり歩み続けなければならない。現(xiàn)在、高所得のハードルは一人當(dāng)たり國民総所得1萬2600ドルとなっているが、米國はすでに5萬5000ドルに達(dá)しており、ルクセンブルクは11萬ドルとその差は非常に大きい。中國にとって「中所得國の罠」を乗り越えた後の次の目標(biāo)は「中進(jìn)國」への道を邁進(jìn)することだ。中進(jìn)國の目標(biāo)は1980年代末にトウ小平（トウは登におおざと）氏が「三歩走発展戦略（三段階の発展戦略）」の中で初めて提起した。國民一人當(dāng)たりの指標(biāo)からみると、中進(jìn)國はおよそ2015年に韓國が達(dá)成した一人當(dāng)たり國民総所得2萬7000ドルのレベルに相當(dāng)する。中速の成長(zhǎng)スピードで、物価要素を排除した場(chǎng)合、2035年前後までには中國の一人當(dāng)たり國民総所得が2萬6000ドルから3萬ドル（2015年レート）に達(dá)するだろう。これは中國経済が再び経験することとなる重要な段階であり、改革開放以來の経済発展における「第五段階」であると言える。高所得國の列に加わり、中進(jìn)國への道を邁進(jìn)する上で、さらに大きな挑戦を迎えることになろうとも、中國の特色ある社會(huì)主義路線を堅(jiān)持していけば、必ずや目標(biāo)実現(xiàn)に成功するに違いない。また前述したエコノミーの発展経験から、中國は下記3點(diǎn)の啓発を得られる。

1つは歐米先進(jìn)國の経験から、経済の発展に伴い、イノベーション駆動(dòng)の重要性がますます明らかになり、要素駆動(dòng)を主とした成長(zhǎng)はイノベーション駆動(dòng)を主とした成長(zhǎng)に転換する必要がある點(diǎn)。中國は科學(xué)技術(shù)イノベーションを非常に重視し続けており、毎年巨額を投入している。高所得段階に達(dá)した後、イノベーションを推し進(jìn)めるには全社會(huì)のパワーを投じる必要があり、イノベーション駆動(dòng)の成果は全要素生産性の向上の有無によって試される。高所得段階になればなるほど、イノベーションの経済成長(zhǎng)への寄與度を向上させる必要が生じる。

2つ目は、第二次世界大戦後に高取得段階に達(dá)したエコノミーの重要な経験として、対外開放の堅(jiān)持と市場(chǎng)経済の実行が挙げられる點(diǎn)。そしてこの2點(diǎn)は過去30年余りにわたり中國経済がスピーディな成長(zhǎng)を遂げた基本的な経験でもある。前者は外的條件で、後者は內(nèi)的條件である。高所得段階に達(dá)した後、この2つの基本的な経験は依然として経済成長(zhǎng)の駆動(dòng)として欠かせない二つの車輪であり、一つも欠けてはならない。

3つ目は「中所得國の罠」を乗り越えて中進(jìn)國への道を目指す上で、経済のポテンシャルをより一層解放し、経済の持続的な発展を支えるため、ソフト?パワーの増強(qiáng)に努力しなければならない點(diǎn)。ソフト?パワーとは無形的要素に屬し、高所得段階において、その重要性は有形的要素に劣らない。ソフト?パワーの増強(qiáng)は主に制度と文化の構(gòu)築から成り、これは一朝一夕で成し遂げられるものではない。そのため、現(xiàn)時(shí)點(diǎn)から一層重視することで、中進(jìn)國入りと二つ目の百年奮闘目標(biāo)達(dá)成の重要な土臺(tái)となる。制度と文化のイノベーションを推し進(jìn)め続けることで、中國のソフト?パワーはより強(qiáng)く、確固としたものになるだろう。（提供/人民網(wǎng)日本語版?編集/TG）