2016年6月24日、鹿児島県?口永良部島の領(lǐng)海に15日、侵入した中國(guó)海軍の情報(bào)収集艦。日本政府が「懸念」を伝達(dá)したのに対し、中國(guó)側(cè)は「國(guó)際海峽の通過通航権」を挙げて正當(dāng)化した?！竿ㄟ^通航権」は艦艇の「自由度」が高く、日本政府は同様の事態(tài)が繰り返される恐れがあるとして、警戒している。

「國(guó)際海峽」は國(guó)連海洋法條約に基づき、公海と公海、排他的経済水域(EEZ)とEEZを結(jié)ぶ國(guó)際航行に使われる領(lǐng)海。同條約の「無害通行権」ではなく、沿岸國(guó)の管轄権行使が制限される「通過通航権」が軍艦を含むすべての船舶や航空機(jī)に認(rèn)められる。

「無害通航権」は「沿岸國(guó)の平和、秩序または安全を害しない限り」とされ、例えば武力による威嚇、情報(bào)の収集を目的とする行為、兵器を用いる訓(xùn)練、航空機(jī)の発著などは無害ではないとみなされる。一方、「通過通航権」は潛水艦の潛沒航行も可能とされ、他國(guó)の領(lǐng)海に入る艦艇などに有利な権利だ。

日本の場(chǎng)合、海洋法條約で領(lǐng)海が12カイリ（約22キロ）に拡大された後、1977年制定の「領(lǐng)海法」で國(guó)際航行に使われる宗谷海峽、津軽海峽、対馬海峽西?東水道、大隅海峽 の5海峽を「特定海域」と位置付けた。領(lǐng)海は3カイリ（約5．5キロ）とし、「公海」を広く殘した。正面から「國(guó)際海峽」としなかったのは、核兵器を搭載した米艦艇の領(lǐng)海通過が「非核3原則」に抵觸することを回避したためとされる。

防衛(wèi)省によると、中國(guó)のドンディアオ級(jí)情報(bào)収集艦は15日午前3時(shí)半ごろ、口永良部島西の日本領(lǐng)海に侵入。領(lǐng)海內(nèi)を南東に進(jìn)み、1時(shí)間半後の午前5時(shí)ごろに屋久島南で領(lǐng)海外に出た。これに対し、日本政府は領(lǐng)海進(jìn)入にもかかわらず、中國(guó)側(cè)の真意を見極めるためとして、「抗議」ではなく、一段低い「懸念の伝達(dá)」にとどめた。

中國(guó)艦の動(dòng)きについて、中國(guó)外交部の華春瑩（ホア?チュンイン）報(bào)道官は17日の記者會(huì)見で、「（通過した）トカラ海峽は國(guó)際航行に用いられる海峽だ」として、海洋法條約に基づいた「通過通航権」があり、日本の同意は必要ないとの立場(chǎng)を強(qiáng)調(diào)。さらに「『侵入』という狀況は存在しない。（日本側(cè)は）まず國(guó)際法をよく學(xué)ぶべきだ」「通過通航権と無害通航権は一緒にしてはならない」とも述べ、「無害通航権」とは異なるとの中國(guó)側(cè)の見解を明らかにした。

中國(guó)側(cè)の主張に、中谷元?防衛(wèi)相は「國(guó)際航行に使用されている海域には該當(dāng)しない」と反論?！竿ǔ?、領(lǐng)海內(nèi)に軍艦が入るときには事前の連絡(luò)や通報(bào)があってしかるべきだ」と指摘した。

中國(guó)軍艦艇が日本の領(lǐng)海に侵入したのは、2004年11月、潛航中の漢級(jí)原子力潛水艦が沖縄県の石垣島周辺で確認(rèn)されて以來2回目。この時(shí)、日本政府は海上自衛(wèi)隊(duì)創(chuàng)設(shè)以來2度目となる「海上警備行動(dòng)」を発令し、P3C対潛哨戒機(jī)を出動(dòng)させ追跡するなどした。その後、中國(guó)は「技術(shù)的なミスで誤って侵入した」と遺憾の意を表明している。

鹿児島県から沖縄県にかけての海域には、多くの島々が連なる。今回の中國(guó)側(cè)の解釈に立てば、「通過通航権」を根拠に、日本の領(lǐng)海を艦艇が自由に航行することも可能だ。日本政府は新たな対応を迫られている。（編集/日向）