2016年6月25日、フィリピンの第16代大統(tǒng)領(lǐng)にロドリゴ?ドゥテルテ氏が30日、就任する。比南部ミンダナオ島のダバオ市長在任中、こわもての犯罪対策で名を上げ、米國のトランプ氏ばりの過激発言が目立つドゥテルテ氏。行政手腕は未知數(shù)だが、南シナ海問題では大統(tǒng)領(lǐng)選中とは異なり、アキノ政権の対中強(qiáng)硬路線を継承する姿勢をにじませている。

大統(tǒng)領(lǐng)選では「庶民派」のイメージを前面に打ち出したドゥテルテ氏だが、実はエリート層出身。中部レイテ島生まれで、州知事も務(wù)めた法律家の父と教師の母を持ち、幼い頃にダバオに移った。大學(xué)卒業(yè)後はダバオ地検の検事として約10年働いた後、政界に進(jìn)出。1988年にダバオ市長に就任し、下院議員などを挾み通算7期22年務(wù)めた。

市長時(shí)代は超法規(guī)的な手法を駆使し、犯罪で悪名高かったダバオを全國有數(shù)の安全な都市にした実績がある。ダバオには司法手続きを介さず1000人以上の犯罪者を殺害した「暗殺団」が存在するとされ、人権団體はドゥテルテ氏が指揮していたと非難している。

選挙戦では犯罪対策に的を絞って、就任半年以內(nèi)の犯罪撲滅、警察官や軍人の給與引き上げを約束?！嘎樗a密売人はすべて殺せ」「自分の治世は血塗られたものになる」と過激な言動(dòng)を繰り返した。

當(dāng)初は「泡沫（ほうまつ）候補(bǔ)」扱いだったが、一連の暴言が有権者の不満を吸い上げて逆に人気を集めた上、アキノ大統(tǒng)領(lǐng)の後継候補(bǔ)マヌエル?ロハス前內(nèi)務(wù)?自治相とグレース?ポー上院議員に票が割れた間隙（かんげき）を突いて當(dāng)選にこぎつけた。任期は再選なしの6年。

こうした中で注目されたのは、南シナ海で領(lǐng)有権を爭う中國に関する発言?！缸娓袱现袊摔坤橹袊趣蠎闋帳筏胜ぁ埂钢袊Zは分かる」などと述べ、さらに中國との対話重視や南シナ海での共同資源探査の可能性に言及し、「中國寄り」とみられた。その一方で、「（領(lǐng)有権を爭う）スカボロー礁にジェットスキーで行って國旗を立てる。『ここは俺たちのものだ』と言う」と息巻くなど、ぶれが大きかった。

しかし、比メディアなどによると、當(dāng)選後の記者會(huì)見では「われわれは西側(cè)諸國の同盟だ」「（南シナ海で）中國の占領(lǐng)に影響されているベトナムやインドネシア、マレーシアとともに歩む」などと言明?！溉毡兢蛑匾暏筏皮い搿工趣卫碛嗓歉鲊笫工沃肖侨毡兢问ê托泷v比大使と最初に會(huì)い、オバマ米大統(tǒng)領(lǐng)とも電話會(huì)談した。中國に対抗して米國や日本と防衛(wèi)協(xié)力を進(jìn)めるアキノ政権の外交方針を引き継ぐ考えを示した形だ。

そんなドゥテルテ氏の犯罪対策と並ぶ國內(nèi)政策の“目玉”は、50年近く武裝闘爭を続けている比共産黨(CPP)との和解。歴代大統(tǒng)領(lǐng)の誰もが試み、最終的には失敗に終わっているが、同氏は「閣僚ポストの提供」を打ち出した。CPP創(chuàng)立者でオランダに亡命中のホセ?マリア?シソン氏は大學(xué)時(shí)代の恩師で、今でも連絡(luò)を取り合う仲だという。（編集/日向）