2016年6月24日、歐州連合（EU）離脫の是非を問(wèn)う英國(guó)民投票で殘留が多數(shù)を占めることが確実になった。英國(guó)民は伝統(tǒng)的に経済的な現(xiàn)実を直視する傾向もあり、最終的に殘留を選択した。

この問(wèn)題は、今年の世界経済で最大のリスク要因と言われてきたが、世界の金融市場(chǎng)は安心感から、落ち著きを取り戻している。外國(guó)為替市場(chǎng)でポンドが買(mǎi)われ、円安?ドル高が進(jìn)行、一時(shí)1ドル＝106円臺(tái)を付けた。世界の株式市場(chǎng)も投票結(jié)果を好感して、上昇している。

英國(guó)に工場(chǎng)や事業(yè)所を保有し、巨額の投資している日本企業(yè)は1000社以上に上る。英國(guó)を拠點(diǎn)に英國(guó)以外のEU（28カ國(guó)約5億人）の共通市場(chǎng)に引き続き無(wú)関稅で輸出ができるため、安堵している。

EU殘留を望んだのはイングランドのロンドン周辺や南部の所得の高い人たち。スコットランドも圧倒的に殘留だった。一方、イングランド北部地域の所得の低い人たちの多くは離脫を支持。世代間による差異も大きく、英國(guó)の歐州共同體（EEC）加盟前に生まれた60歳以上の中高年齢層は離脫、18歳?35歳の若年層は殘留を志向した。

キャメロン首相をはじめ政府は、離脫すれば（1）52％がEU向けである英國(guó)輸出が減少する、（2）金融街シティーの取引に影響を與える―などの経済的な不利益が生じると主張。國(guó)際通貨基金（IMF）、経済協(xié)力開(kāi)発機(jī)構(gòu)（OECD）など國(guó)際機(jī)関の見(jiàn)解やオバマ米大統(tǒng)領(lǐng)の殘留希望発言まで使って説得工作を行った。サッカーのデビット?ベッカムや人気ロックグループ、ローリング?ストーンのミックジャガーも殘留を支持した。

離脫論は「國(guó)境を取り戻せ」「メイク?ブリテン?グレート?アゲイン（再び偉大な英國(guó)を）」などのスローガンを掲げた。米國(guó)の共和黨大統(tǒng)領(lǐng)候補(bǔ)トランプ氏がヤリ玉に挙げるイスラム諸國(guó)やメキシコに相當(dāng)するのが「歐州大陸諸國(guó)」だった。離脫派は反グローバル化を訴える層。経済狀態(tài)が比較的良好で福祉制度が完備している英國(guó)流入を希望する移民?難民は多く、昨年33萬(wàn)人に達(dá)した。大半がEUからで、域外からの移民?難民が多いドイツとは異なる。英國(guó)以外で生まれた英國(guó)在住者は850萬(wàn)人に達(dá)する。離脫派はEUに殘留すると、移民の増加で將來(lái)國(guó)民皆保険制度が崩壊すると主張した。

殘留派?離脫派の対立は過(guò)熱し、遂に殘留派である労働黨の女性下院議員ジョー?コックス氏が、「ブリテン?ファースト！」と叫ぶ、離脫派とみられる男に銃で撃たれ、死亡する事件が起こった。同情票が集まったことも殘留派を利する結(jié)果となった。

EU殘留が決まり、離脫を求める動(dòng)きはひとまず沈靜化するが、國(guó)を2分した爭(zhēng)いは熾烈だったため、しこりが殘るのは避けられない。（八牧浩行）

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見(jiàn)。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。