今、スタートラインに立ったばかり、あるいはこれからスタートラインに立とうとしている若いフォトグラファー?鄭軼(ジョン?イー)。イタリアに學(xué)びながら、日々、自身の心象風(fēng)景―とくに孤獨(dú)感―をファインダーに収めたその寫(xiě)真は、若々しい清潔さと冬の寒風(fēng)のような歐州の乾いた空気感が漂い、中國(guó)のアート界に新しい息吹を吹き込みそうな予感を感じさせる。

【その他の寫(xiě)真】

鄭は撮影活動(dòng)を「一種、死を語(yǔ)らうことに似ている」と形容する。シャッターを押した瞬間、確かにその瞬間は「過(guò)去」となり、それは死を追憶へと押しやる作業(yè)と位置づけているわけだ。

真夜中のコンビニ、闇夜の街頭が照らし出す並木、長(zhǎng)くのびる影法師、所在なさげな物陰、自分の中を吹きぬける黒い風(fēng)。被寫(xiě)體が変わっても、手法が変わっても、鄭の抱く「孤獨(dú)」だけは、変わらずそこに存在している。眼前に茫漠と広がる世界に不安を感じながら、自身の足元を確かめ、ひとつひとつ過(guò)去のものとして克服していく、若き蕓術(shù)家の足跡がここにある。（文/山上仁奈）

●鄭軼（ジョン?イー）

中國(guó)の若手女性フォトグラファー、デザイナー。1983年生まれ、浙江省杭州市出身。杭州電子科技大學(xué)?計(jì)算機(jī)科學(xué)技術(shù)學(xué)部卒業(yè)?，F(xiàn)在、イタリアのボローニャ大學(xué)で映畫(huà)制作を?qū)Wんでいる。作品は主に自身のホームページ上で発表され、杭州などで個(gè)展も開(kāi)いている?！附旗锻该鞯纳钏{(lán)（透明に近い深いブルー）」の名でも活動(dòng)している。