八牧浩行 2016年7月23日(土) 15時(shí)0分
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日本の桜を英國(guó)に紹介したイギリス人園蕓家、コリングウッド?イングラムの生涯を描いた著書(shū)『チェリー?イングラム―日本の桜を救ったイギリス人』で、今年の日本エッセイスト?クラブ賞を受賞した阿部菜穂子氏(寫真左)がこのほど日本記者クラブで講演した。
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2016年7月22日、日本の桜を英國(guó)に紹介したイギリス人園蕓家、コリングウッド?イングラムの生涯を描いた著書(shū)『チェリー?イングラム―日本の桜を救ったイギリス人』で、今年の日本エッセイスト?クラブ賞を受賞した阿部菜穂子氏がこのほど日本記者クラブで講演した。
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阿部氏はロンドン在住のジャーナリストで毎日新聞出身。同書(shū)は日英の架け橋となったイギリスの桜守の知られざる軌跡を丹念に掘り起こしたノンフィクションである。
主人公のイングラム(1880?1981)は豊かな自然に囲まれた海辺で育った。野鳥(niǎo)の研究者だったが、植物への関心から「桜探究者」に。明治から大正時(shí)代にかけて3度も訪日し、桜の希少種の穂木を持ち帰って、広大な庭園で生育した。「ジャパニーズ?チェリー」をイギリス全土に広め、「チェリー?イングラム」という異名をとった。
日本人の多くが「桜」で連想するのは、一斉に咲いてパッと散るソメイヨシノ(染井吉野)だろう。阿部氏は新聞社勤務(wù)の後、2001年に渡英。英國(guó)では、花の色から形狀、開(kāi)花の時(shí)期まで異なる多様な桜の品種を見(jiàn)て、驚いたという。その背景を徹底的に調(diào)べる中で、イングラムの存在を知り、彼の地元や関係者を訪ねて回った。孫娘が、訪日時(shí)を含めた膨大な祖父の日記や手紙、桜のスケッチ、寫真、園蕓雑誌の記事などの資料を大切に保管していた。
阿部氏は「もっと壯大なドラマがあるのでは?」とジャーナリストらしい直感から、英國(guó)と日本でイングラムの足跡をさらに追いかけた。訪日時(shí)の日記などを丹念に読み解くと、當(dāng)時(shí)の桜職人?研究者や政財(cái)界人との交流が綴られていた。
伝統(tǒng)的な多種多様な桜が明治維新後の近代化の中で衰退したのとは対照的に、生長(zhǎng)が早く華やかな品種改良種ソメイヨシノが政府の奨勵(lì)策もあって広まった?!袱绚盲葐Dいて一斉に散るソメイヨシノが全體主義のイデオロギーに利用された」という。
たしかに、軍歌『同期の桜』の「貴様と俺とは同期の桜、同じ兵學(xué)校の庭に咲く、咲いた花なら、散るのは覚悟、みごと散りましょう、國(guó)のため」は、戦後生まれでも知っている有名な歌詞である。
同書(shū)では「桜は古代から日本人にとって生涯や生の象徴だったのであり、満開(kāi)の花に人々は生きる喜びや生命力、再生の力を見(jiàn)ていた。ところが軍國(guó)主義の臺(tái)頭とともに咲いた花ではなく“散り際”に焦點(diǎn)があてられるようになった」と綴られ、次のように続く。
「敷島の、大和心を人間はば、朝日に匂う、山桜花」本居宣長(zhǎng)が江戸時(shí)代に詠んだ和歌だ。本來(lái)、朝日を受けて咲くヤマザクラの高貴な美しさを賛美したものであり、生の象徴としての桜の花のイメージを詠んだもので、死の意味も全くほのめかされていなかった。ところが『大和心』と『散る桜』のイメージを故意に結(jié)び付けて、まるで桜のように潔く散ることが大和心であると言っているかのように宣伝され、國(guó)のため、天皇のために死ぬことを國(guó)民に鼓舞する道具として使われたのである」
「イングラムが自宅の庭で育てた桜は世界大戦を生き抜き、イギリスじゅうで多様な花を咲かせる一方、日本では戦後もヨメイヨシノ一色が続いている。多様な桜を愛(ài)したイングラムのメッセージをこの本に込めた」―。阿部氏が強(qiáng)調(diào)した「多様性」とは桜の世界だけでなく、「多種の価値観をお互いに尊重し合う社會(huì)」を示しているようだ。(八牧浩行)
<阿部菜穂子著『チェリー?イングラム 日本の桜を救ったイギリス人』(巖波書(shū)店、2300円稅別)>
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見(jiàn)。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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