20年近いキャリアの中で、ポートレイトをメインに創(chuàng)作を続ける寫(xiě)真家の余晉林（ユー?ジンリン）。常に新しいアイディアと強(qiáng)い個(gè)性を追求する作家だが、初めて著手した風(fēng)景寫(xiě)真は、パリっとした畫(huà)面の中に溫かみある自然の色彩が溢れる作品に仕上がっている。

【その他の寫(xiě)真】

08年秋の作品「碧雲(yún)の空、黃葉の大地、格別の秋景」で、余晉林は十?dāng)?shù)年にも及ぶキャリアの中で三腳とリモートレリーズを初めて用い、初めて訪れた北京で、初の風(fēng)景寫(xiě)真に挑戦した。作者にとって多くの“初めて”が重なった作品には、未知のものに対する高揚(yáng)感が、生き生きと鮮やかな色彩になって表れている。しかし、作者の心の高まりに反して、秋の大地は思いのほか寡黙に、落ち著き払って作者を迎えたという。肌に感じる空気の冷たさ、その靜寂に秋の美しさを享受しながらも、彼がシャッターを切った風(fēng)景にはこの上もない躍動(dòng)感やほとばしる喜びが溢れている。それはすでに寫(xiě)実としての寫(xiě)真作品を超えて、彼自身の心象風(fēng)景を映し出した絵畫(huà)作品のような趣だ。

日の光を受けて光の粒子と化した黃葉が、遠(yuǎn)近感を飛び越えて、畫(huà)面の最前面に突き刺さってくる。油彩畫(huà)のようなテクスチャーと相まって、生命の宿す體溫を孕んだような暖かい作品となっている。（文/山上仁奈）

●余晉林（ユー?ジンリン)

中國(guó)?江西省出身の寫(xiě)真家。江西省南昌市在住。「琳十二」の名でも活動(dòng)している。プロカメラマンである父親の影響を受け、卒業(yè)後に寫(xiě)真家の道に進(jìn)む。05年よりデジタルカメラを使用。記録寫(xiě)真ではなく、蕓術(shù)性を重視している。代表作に「碧雲(yún)の空、黃葉の大地、格別の秋景」「夢(mèng)が始まった場(chǎng)所」「仮面の女體」など。