拡大
冷戦終結から四半世紀余。東歐にはNATOの多國籍部隊が展開する予定で、韓國には迎撃ミサイルが配備される。東西対立が再燃する予兆が見え隠れしている。資料寫真。
2016年7月15日、ロシアの脅威に対抗して北大西洋條約機構(NATO)が東歐に部隊を展開し、中國などの反対を押し切り、韓國には米國が高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)を配備。中國が軍事拠點化を進める南シナ海でも緊張が高まる。冷戦終結から四半世紀余。東西対立の再燃とも見える動きが目立ち、韓國メディアは「新冷戦」と形容している。
NATOは8日、ポーランドの首都ワルシャワで首脳會談を開き、來年以降、ポーランドとバルト3國に4000人規(guī)模の多國籍部隊を展開することなどで合意した。歐米メディアによると、米國がポーランド、英國がエストニア、ドイツがリトアニア、カナダがラトビアで、それぞれ中心的な役割を果たすという。ルーマニアなどにはミサイル防衛(wèi)(MD)システムの配備も進める。
念頭にあるのは、クリミア半島併合に踏み切り、ウクライナ危機に介入するロシア。特にウクライナ同様にロシア系住民が多いバルト3國ではロシアへの警戒感が高まっている。米政府高官は「NATOにとって冷戦後、最大の動き」「ロシアが攻撃的な行動を続けるなら、東歐でのさらなる存在感を示す」などと強調した。
これに対し、ロシアのプーチン大統(tǒng)領は強く反発。ロシア西部などで兵員を増強し、けん制する構えだ。日本メディアによると、ロシア上院のコサチョフ國際問題委員長はフェイスブックに「歐州に第二のベルリンの壁を築いた。存在しない危機に備え、まるで砂漠にダムを築くようだ」などと書き込み、非難した。
一方、韓國へのTHAAD配備を8日に正式発表した米韓両政府は、その理由として北朝鮮による核?ミサイルの脅威が高まっていることを挙げる。北朝鮮は6月末、中距離弾道ミサイル「ムスダン(射程距離3500キロ)」の試験発射にも事実上成功した。
しかし、中ロ両國はミサイルと同時に配備されるXバンドレーダーに強い懸念を示す。Xバンドレーダーは探知範囲が広く、自らの核戦略などに影響しかねないからだ。
中國外交部は配備の発表直後に聲明を出し、「強烈な不満と斷固反対」を表明。ロシア外務省も「朝鮮半島問題の解決に新たな困難をもたらす可能性が高い」と批判した。北朝鮮は配置場所が確定し次第、「制圧のための物理的対応措置」を取ると警告した。日本政府は「地域の平和と安定に資する」(萩生田光一官房副長官)と配備を支持している。
THAAD配備について、朝鮮日報は「ルビコン河を渡った韓國」との記事を掲載?!钢袊螐姢し窗kは、昨年9月の樸槿恵(パク?クネ)大統(tǒng)領による『天安門樓閣外交』で頂點に達していた韓中関係を過去のものにしかねない、という懸念が出てきた。南シナ海の領有権問題で米中対立が激化する中でTHAAD配備が重なり、『韓米日対朝中ロ』というかつての対決の構図が再現(xiàn)されるだろうという見方も出てきている」と指摘した。
ハンギョレ新聞も「北東アジア『新冷戦』の引き金に」と報道。社説では「今後の朝鮮半島では當分の間、対話と交渉は後回しとなり、対決と緊張が高じる危険な狀況が続くものとみられる。THAAD配備決定で北東アジア危機の『パンドラの箱』」を開けてしまったといえる」と憂慮している。(編集/日向)
Record China
2016/7/15
Record China
2016/7/14
Record China
2016/7/11
Record China
2016/7/13
人民網(wǎng)日本語版
2016/7/6
ピックアップ
この記事のコメントを見る