岡田 郁富 2016年7月23日(土) 13時40分
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中國主導(dǎo)のアジアインフラ投資銀行(AIIB)が本格的に動き出した。日米等はその運営內(nèi)容等の不明さに若干の政治的思惑もあってか、中國側(cè)の熱望にも拘らず目下參加を見合わせ注視といった狀況である。資料寫真。
中國主導(dǎo)のアジアインフラ投資銀行(AIIB)が本格的に動き出した。AIIBには目下60カ國近くが參加、更に20カ國以上が參加に興味を示し、日米主導(dǎo)のアジア開発銀行(ADB)の參加國?地域を上回る勢いであるという。一方、日米等はその運営內(nèi)容等の不明さに若干の政治的思惑もあってか、中國側(cè)の熱望にもかかわらず目下參加を見合わせ注視といった狀況である。
中國としては 將來萬事において世界をリードするという「中國の夢」実現(xiàn)の為には現(xiàn)在の日米に主導(dǎo)権を取られたアジア開発銀行(ADB)では自己の意見が通りにくく、主導(dǎo)権を取れぬとみて、“手続きも煩わしく、使い勝手が悪い…”等を理由にADB業(yè)務(wù)を補(bǔ)完或いは改善するということでAIIB設(shè)立の音頭を取ったというわけである。とは言え、新規(guī)開店のAIIBとしても各國からそのスタッフの質(zhì)量、審査、運営方法、採算面等々につき疑問視され、又資金、信用力の面からも日米には是非參加して欲しいのが本音であろう。
1980年代の中國において、改革開放政策の深化により、外資も中國企業(yè)との合弁を條件にリース業(yè)が認(rèn)められた。金融業(yè)界として初の試みであった。しかし、これら合弁リース會社は軒並み苦戦を強(qiáng)いられた。人間関係、情実を殊更重んずる故、“コネ社會”或いは“関係(クワンシー)社會”と言われ、時には「法治」より「人治」が優(yōu)先する社會と揶揄されるお國柄の中國である。中國側(cè)パートナー紹介のリース案件には少なからず“関係(クワンシー)案件”が含まれており、外資側(cè)の審査基準(zhǔn)が無視されることが続出したのである。“関係”や“政治的思惑”が優(yōu)先されると審査がゆがみ、経営が正?;筏胜胜毪韦媳厝护扦ⅳ搿?/p>
“関係社會”の中國が主導(dǎo)するAIIBでは、世界を相手といっても、“関係”が“政治的思惑”に変わるのみで同じ様なことになるのでは…。以前の中國合弁リース案件等で苦労した企業(yè)人が懸念するのも無理はなかろう。ADB等に比し“使い勝手が良い…”ということの中に審査基準(zhǔn)が甘いといった別の意味はないだろうか。純粋に発展途上國向けの支援金融機(jī)関である、と國際社會が認(rèn)める様な組織になるのであろうか。AIIB融資により、融資先國から感謝され中國の評価は高まるかもしれないが、AIIBといえども採算性には十分配慮せねばなるまい。
當(dāng)面は、國際金融機(jī)関としての審査等を含む運営ノウハウの欠如や少ないスタッフ等數(shù)多くの案件を熟す力量不足から中國獨自の國益や世界戦略、政治色等を控えおとなしく他の國際金融機(jī)関との協(xié)調(diào)融資、共同作業(yè)という形をとるとみられるが、いずれ種々運営ノウハウを?qū)Wび取った暁には、“中國色”を更に前面に出したAIIBとなる可能性も十分考えられるであろう。
日本企業(yè)のプロジェクト參加の機(jī)會が増えるということから、日本の経済?財界の一部からも日本のAIIB加盟への要望があるが、加盟國企業(yè)が必ずプロジェクトに參加できるという保証はない。そこには當(dāng)然競爭入札がベースとなるであろうし、又そうでなければならない。その意味では機(jī)會はあっても受注まではなかなか大変であることには変わりはない。それならば、日本企業(yè)の立場から言えば、むしろ國際協(xié)力機(jī)構(gòu)(JICA)や日本貿(mào)易振興機(jī)構(gòu)(JETRO)、貿(mào)易保険制度等を更に強(qiáng)化し、円借款等日本獨自の経済支援を充実増強(qiáng)させ、時にタイドローン等で日本企業(yè)の確実受注の方策を練る方がよい、との意見も出てきて當(dāng)然であろう。
將來何らかの情勢の変化で日本が加盟することになったとして、人事問題をはじめ、中國の強(qiáng)引な政治的思惑案件や業(yè)者選定等に嫌気がさした歐州主要各國が逃げ出し、或いはAIIBが自分の思惑通りにならなくなったとして言い出しっぺの中國が手を抜き、気が付いたら資金回収や不良債権処理等経営立て直しに汗水垂らし必死に頑張っているのは“クソ真面目な”日本のみであった、といった日本にとっての“悪夢”とはならないだろうか。AIIBの5年先、10年先を見てみたいが、老婆心のみが先走る。
■筆者プロフィール:岡田郁富
長年日本の大手総合商社にて中國ビジネスに攜わり、機(jī)械、プラント類の輸出をはじめ中國現(xiàn)法の責(zé)任者として數(shù)多くの対中投資案件を手掛け、商社退職後は主として中小企業(yè)向けに中國ビジネスアドバイザーを務(wù)める。ビジネスでの往來や長期滯在等を含め50年程に渡り中國関連に係り、豊富な経験を持つ
■筆者プロフィール:岡田 郁富
大阪出身、大阪外國語大學(xué)卒。長年日本の大手総合商社にて中國ビジネスに攜わり、機(jī)械、プラント類の輸出をはじめ中國現(xiàn)法の責(zé)任者として數(shù)多くの対中投資案件を手掛け、商社退職後は主として中小企業(yè)向けに中國ビジネスアドバイザーを務(wù)める。ビジネスでの往來や長期滯在等を含め50年程に渡り中國関連に係り、豊富な経験を持つ。
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八牧浩行
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