自國と異なる習(xí)慣や風(fēng)習(xí)について理解を深めることは異文化交流の醍醐味だ。遼寧対外経貿(mào)學(xué)院の夏葉城さんは、ドラマでしか見たことがなかった日本人のある動作を?qū)g際に見て、衝撃を受けたようだ。以下は、夏さんの作文。

【その他の寫真】

「はい、はい、はい、分かりました。大変申し訳ありませんでした」。電話をかけている時(shí)、見えない相手に向かってぺこぺこと頭を下げながら、ずっと話をしている日本人。私は、日本のドラマと映畫でこの映像を最初に見た時(shí)、この印象的な姿を忘れることができませんでした。そしてある日、私は日本語學(xué)部の研究室に入って、日本人の先生が電話している姿を見た瞬間、このテレビの畫面を思い出したのです。

「あっ！テレビとまったく同じだ」

そうです。先生はドラマの畫面と同じように攜帯電話を持って、頭を下げながら話しているではありませんか。私は中國の現(xiàn)実の社會でも、映像の中でも、このような場面を見たことがなかったので、電話をかけているこの日本人の姿を不思議に思ったのです。

日本人はどうして電話をかける時(shí)、ずっと頭を下げるのでしょうか。しかも自分に非がない時(shí)でさえも。いくら頭を下げても、相手は見えないでしょう。見えない相手に対して、これは必要なことなのでしょうか。私は真剣にその理由を探してみました。そして、日本語と日本人の禮儀文化という2つのことに突き當(dāng)たり、これは面白い発見ではないかと思いました。

まず、日本語の點(diǎn)からです。日本人は「はい」という言葉をよく使います。私はこの「はい」という言葉を発音する時(shí)、「は」という音をはっきり言おうとすると自然に力が入ってしまうのです。こうして「はい」と言うと、きれいな発音ができます。そして「はい、はい」と言う自分の姿を鏡に映してみると、中國人の私でも自然に頭が上下に動いて、日本人のように頭を下げていることに気付いたのです。日本人の皆さんはどうなのでしょうか。

2つ目として、日本の禮儀文化の點(diǎn)から考えてみました。日本の禮儀に大きな影響を與えた中國の儒教精神は、日本の學(xué)校教育及び家庭教育に受け継がれています。例えば、ご飯を食べる前に両手を合わせて「いただきます」と言い、知人に會った時(shí)も、必ずお辭儀をしながらあいさつします。軽い會釈から深々と頭を下げるお辭儀まで、その場その場に応じた頭の下げ方をする日本人は、中國から伝わった禮儀を獨(dú)自の習(xí)慣に変化させながら、それを大切に受け継いできたことは中國人の私が見ても分かります。

私は「禮儀正しい人」を自負(fù)してきたつもりでしたが、日本語を?qū)Wんでみると中國人としての私は、まだ日本式のあいさつを完璧に理解できないことがあり、日本人に比べてみれば差があることに気が付きました。しかし、個(gè)人的な付き合いでも、サービスを提供する時(shí)も、禮儀はとても重要です。禮儀文化の魅力を充分に感じることができるのは、日本人と中國人の間には禮儀に対して共通の認(rèn)識があるからかもしれません。

近代國家に生まれ変わった中國は、経済成長とインフラなどハード部分においては、先進(jìn)國と肩を並べるまでになりました。しかし、これからはソフトの面においても強(qiáng)化する必要があります。最先端技術(shù)のみ採り入れようとするのではなく、日本で改良された中國の古き良き文化を採り入れたら、中國はさらに発展するに違いありません。この発展に力を盡くすために、禮儀を大切にする人が1人でも増えたら、「電話を持って頭を下げる」ことの意味を理解する人も増えることでしょう。（編集/北田）

※本文は、第十一回中國人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの？中國の若者は日本のココが理解できない」（段躍中編、日本僑報(bào)社、2015年）より、夏葉城さん（遼寧対外経貿(mào)學(xué)院）の作品「私にもできた！」を編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報(bào)社の許可を得て掲載しています。