<アベノミクス限界>「政策総動員」は掛け聲倒れ!財政支出「大規(guī)模28兆円」の実態(tài)、わずか「6兆円」―國債増発も財源不足

八牧浩行    2016年8月5日(金) 10時30分

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安倍首相は「最優(yōu)先課題は経済」と力説。経済政策「アベノミクス」をもう一度「ふかす」ために、「大規(guī)模財政出動」「働き方改革」など政策総動員で取り組む方針を表明したが、アベノミクスの限界が取りざたされる中、思惑どおりに進むかどうか。寫真は財務省。

安倍晉三首相が「未來チャレンジ內閣」と名付けた第3次再改造內閣が発足。首相は「最優(yōu)先課題は経済だ。デフレからの脫出速度を最大限に引き上げる」と力説した。経済政策「アベノミクス」をもう一度「ふかす」ために、「大規(guī)模財政出動」「働き方改革」など政策総動員で取り組む方針を表明したが、アベノミクスの限界が取りざたされる中、思惑通りに進むかどうか。

內閣改造では政権の骨格を維持するため麻生太郎副総理?財務相や菅義偉官房長官、石原伸晃経済財政?再生相ら主要閣僚は留任。安倍首相は記者會見で「重厚な経済閣僚をそろえて成長戦略を一気に加速する」と強調した。

  

政府は8月2日に、総額28兆円超の経済対策を閣議決定、安倍首相は「総合的かつ、大膽な経済対策」と胸を張ったが、中身を精査すると、掛け聲倒れの感は否めない。

この経済対策は第2次安倍政権が発足して以降、數字上は最大規(guī)模となる。ただ、今回の事業(yè)規(guī)模には、融資や民間企業(yè)による支出も含まれ、純粋な政府支出(いわゆる真水部分)は約6兆円(地方を合わせると7.5兆円)。予算規(guī)模で比較すると、第2次安倍政権発足直後の2013年1月に発表された経済対策の6割程度にとどまる。またこの6兆円のうち16年度2次補正予算で対応するのは約4兆円で、殘りの2兆円は2017年度予算から手當てする。すぐに効果が期待できるのは4兆円分だけだ。

過去を振り返ると、2008年のリーマンショック時に、麻生政権は大規(guī)模な経済対策を次々に発動。同年8月には緊急総合対策として11.5兆円、同年10月には生活対策として26.9兆円、同年12月には生活防衛(wèi)のための緊急対策として37兆円(いずれも事業(yè)規(guī)模)を発表した。

 

安倍首相の勇ましい掛け聲とは逆に、今回実質的な経済対策の規(guī)模が小さくなったのは、財政的な狀況が厳しさを増していることが背景。第2次政権発足前後は、円安で企業(yè)業(yè)績が拡大し稅収が大幅に伸びたが、16年に入ってから急激に円高が進み、企業(yè)業(yè)績の急激な落ち込みは必至の情勢。また17年4月に予定されていた10%への消費稅増稅を再延期したことから、稅収の確保は困難になったこともあり、予算規(guī)模の拡大は現(xiàn)実的に難しくなっている。

経済対策の財源は、稅収や剰余金だけでは足りず、結局國債発行に依存せざるを得ない狀況。建前上イメージの悪い「赤字國債」ではなく「建設國債」と稱しているが、國の借金には変わりない。深刻な財政事情から國債発行の拡大には限界があり、今後の経済対策はさらに厳しいものとならざるを得ない。

こうした事情から、これまでアベノミクスは第一の矢である「金融政策」に過重な負擔を強いてきたが、異次元緩和やマイナス金利も弊害が出始め、第2の矢「財政政策」も財源不足で既に失速狀態(tài)。日銀は7月末に、上場投資信託(ETF)の買い取り額の年間6 兆円への倍増させることを決定したが、日銀資金(事実上の稅金)による株購入は本來禁じ手に近い?!刚尉t合対策に合わせたアリバイ創(chuàng)りの窮余の一策」(大手銀行幹部)の面は否めない。

結局「大膽な経済対策28兆円」は「思い切り大きく見せかけた數字」(同)であり、安部政権の掲げる「政策総動員」の実態(tài)は寂しい限りだ。アベノミクスの一枚看板「円安?株高」も逆回転している。第3の矢の成長戦略を地道に積み上げて行くしかない。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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