8月15日の終戦記念日。靖國(guó)神社への參拝問(wèn)題を巡り中國(guó)や韓國(guó)などアジア近隣國(guó)と摩擦を生んできたが、今年も安倍晉三首相は終戦記念日の參拝を見(jiàn)送った。安倍政権は日中関係改善に向けた布石を打っている。

中韓両國(guó)は第3次安倍再改造內(nèi)閣の発足にあたって、かねて右翼的言動(dòng)が目立つ稲田朋美氏の防衛(wèi)相起用に反発。中國(guó)側(cè)は日本政府に水面下で「稲田氏が參拝すれば日本との関係は大変なことになる」などとけん制した。稲田氏は同日にジブチを訪問(wèn)する日程を組み、參拝できない口実をつくった。

今年6月には、第2次世界大戦中に日本に強(qiáng)制連行された中國(guó)人の元?jiǎng)簝P者らが損害賠償と謝罪を求めた問(wèn)題で、三菱マテリアルが被害者の大半と和解で合意。日本政府が早期和解を働きかけたとされる。

一方、71回目の「終戦の日」に対する中國(guó)政府や國(guó)営メディアの反応は抑制的だった。中國(guó)外交部は15日、一部閣僚の靖國(guó)神社參拝について「斷固反対する」との談話を発表したが、安倍首相の玉串料奉納については觸れず、昨年の「斷固反対し強(qiáng)烈な不満を表明する」という談話に比べて、トーンダウンした。

國(guó)営新華社の配信記事も、反日感情をあおるような內(nèi)容ではなかった。安倍首相や稲田防衛(wèi)相の靖國(guó)神社參拝がなかったことを評(píng)価したとみられる。

しかし、尖閣諸島沖の接続水域には15日も中國(guó)公船が4隻確認(rèn)されたが、8月上旬のように多數(shù)の中國(guó)漁船や公船が領(lǐng)海侵犯を繰り出す事態(tài)は回避されている。海上保安庁は11日朝、尖閣沖の公海上で、ギリシャ船籍の貨物船と衝突した中國(guó)漁船の乗組員を救助。いったん石垣島に上陸させたあと、すぐに中國(guó)側(cè)に引き渡した。対立をあおらず、迅速に対処しする「外交的配慮」を示し、中國(guó)當(dāng)局も謝意を表明した。

日中外交筋によると。9月初旬に中國(guó)?杭州で開(kāi)催される20カ國(guó)?地域（G20）首脳會(huì)議を控えているため、中國(guó)は協(xié)調(diào)路線に転じると分析。経済界からの要請(qǐng)もあって、雙方ともG20での日中首脳會(huì)談開(kāi)催を志向している。日本側(cè)も南シナ海問(wèn)題などで中國(guó)を強(qiáng)く刺激することを控える見(jiàn)通し。日本の外交関係者は「これから中國(guó)船の數(shù)は減るのではないか」と期待している。（八牧浩行）

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見(jiàn)。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。