日本経済にとって「救いの神」だった、中國(guó)人訪日客による「爆買い」現(xiàn)象。2015年の流行語(yǔ)大賞にも選ばれたほどだが、今年度に様相が一変した。

國(guó)內(nèi)景気の下支え役として政府が期待する訪日外國(guó)人の消費(fèi)が減少している。內(nèi)閣府発表の4?6月期の國(guó)內(nèi)総生産（GDP）によると、同消費(fèi)は前期比4．5％減と3年半ぶりにマイナスとなった。

海外からの訪日客數(shù)は13年以降、前年を2?5割上回るペースで伸び続け、15年は2000萬(wàn)人に迫る水準(zhǔn)に。今年1?7月累計(jì)の訪日外國(guó)人客數(shù)は前年同期比27％増の1410萬(wàn)人に達(dá)した。今春まで外國(guó)人観光客消費(fèi)も右肩上がりで増加してきた。

訪日外國(guó)人消費(fèi)が4?6月期に落ち込んだ要因として、まず挙げられるのは、円高で旅行者の購(gòu)買意欲が低下したこと。1?3月期は1ドル＝110?120円程度で推移していたが、4?6月期は円高が進(jìn)行した。日本百貨店協(xié)會(huì)によると、訪日外國(guó)人消費(fèi)が押し上げてきた全國(guó)百貨店売上高は6月まで4カ月連続で前年実績(jī)を下回った。

また訪日客トップの中國(guó)での関稅引き上げで、ブランド品や高級(jí)家電の販売が鈍る一方、化粧品や日用品など「小物」の消費(fèi)が主體となったことも大きい。大手家電量販店では、かつて8萬(wàn)円を超す炊飯器など高級(jí)家電が売れ、何臺(tái)もまとめ買いする中國(guó)人客もいたが、最近はめっきり減った。売れ筋はヘアドライヤーなど単価の低い商品?？蛿?shù)は増えているが客単価は前年比で2、3割少ないという。

中國(guó)では、長(zhǎng)く続いた2ケタ経済成長(zhǎng)が終焉。円高?人民元安が進(jìn)み、この1年で日本の商品の“お得感”は2割近くも失われた計(jì)算。ただ、爆買いがしぼんだ要因をこれだけで片付けることはできない。

中國(guó)の消費(fèi)市場(chǎng)は今なお2ケタ成長(zhǎng)が続き、中間層の間で日本製商品の人気は高い。実際、16年1?3月期に訪日中國(guó)人客の旅行消費(fèi)額は客數(shù)の伸びが寄與し、前年同期を4割強(qiáng)上回った。ただ、1人當(dāng)たりに換算すると、12％も減っている。

◆代理購(gòu)入ブローカーを締め出し

中國(guó)政府は4月、越境EC（電子商取引）に関する稅制を変更した。事実上免稅だった個(gè)人輸入扱いの荷物に一般貿(mào)易並みの稅金が課される。稅制の抜け道を使って荒稼ぎするブローカーを締め出し、正規(guī)の貿(mào)易業(yè)者の不公平感をなくすことが狙いとみられる。ドラッグストアなどで買い付けた商品を本國(guó)の客に販売してきた代理購(gòu)入ブローカーはこの稅制改正によりコストが合わなくなったという。人海戦術(shù)で商品を調(diào)達(dá)してきたブローカーは関稅引き上げと円高でうまみがなくなった。

日本百貨店協(xié)會(huì)がまとめた全國(guó)の百貨店の外國(guó)人客向け売上高は4月に3年3カ月ぶりに前年割れとなった。客數(shù)は7％以上増えたにもかかわらず、ブローカーの激減により、単価が16％近く落ち込んだ。

免稅店大手のラオックスの4?6月の平均客単価は約2萬(wàn)3000円と15年より約1萬(wàn)円低下した?！·长欷蓼?a target='_blank' href='http://www.wenhuatang.com/search.php?filter=中國(guó)人観光客'>中國(guó)人観光客を主なターゲットに業(yè)績(jī)を伸ばしてきた免稅店大手?ラオックスは、全店売上高が5月まで4カ月連続で前年割れとなる事態(tài)に見舞われている。

ラオックスの1?6月期の売上高は350億円と前年同期より22％減少。16年12月期の業(yè)績(jī)予想も下方修正し、営業(yè)利益は85％減の12億円と従來(lái)予想を60億円近く下回る見通しだ。

◆訪日客、買い物より観光?イベント

15年には3兆4000億円に達(dá)し、百貨店や家電量販店を潤(rùn)した「爆買い」だが、市場(chǎng)動(dòng)向や制度に左右されるため大きな変調(diào)につながりやすいことが明らかになった。今後のリスク要因になりかねないため、一時(shí)しのぎではない地道な対策が必要だ。

外國(guó)人訪日客は増加の一途をたどっている。特に中國(guó)人訪日客は7月には前年同月比27%増の73萬(wàn)人と単月として初めて70 萬(wàn)人を突破した。今後もリピーターがさらに増えるのは確実。これまでの「買い物」目當(dāng)てから「観光」や「イベント」を楽しむ中國(guó)人客が増加する。このような客向けにターゲットを絞った戦略が望まれる。（八牧浩行）

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。