<コラム>注目される中國とバチカンの関係構(gòu)築、臺灣は國交維持に今のところ自信

如月隼人    2016年9月12日(月) 14時30分

拡大

このところ、中國とバチカンが関係構(gòu)築のための対話を続けている。バチカン市國は歐州で唯一、中國と外交関係を結(jié)ばず、臺灣を承認している國だ。臺灣側(cè)は今のところ、バチカンとの関係維持についての自信を示している。寫真はバチカン。

このところ、中國とバチカンが関係構(gòu)築のための対話を続けている。バチカン市國は歐州で唯一、中國と外交関係を結(jié)ばず、中華民國(臺灣)を承認している國だ。臺灣側(cè)は今のところ、バチカンとの関係維持についての自信を示している。

臺灣と外交関係を維持する國は全世界で20カ國あまりだ。アジアで臺灣との外交関係を持つ國はない(例外として、ブータンは中臺いずれとも正式の外交関係を持たない)。そして、歐州で唯一、臺灣との外交関係を維持しているのがバチカンだ。

周知のように、バチカンは規(guī)模が極めて小さい國でありながら、カトリックの「総本山」であるために、世界全體に対する影響力は極めて大きい。中國とバチカンが外交関係を持てなかった最大の理由は、ローマ法王(教皇)による司教の任命権という、雙方にとって「大原則」にかかわる問題があったからだ。

ローマ教會は中世において、神聖ローマ帝國皇帝など世俗権力との熾烈(しれつ)な爭いを繰り返し、神聖ローマ皇帝を破門するという非常措置(1076年、カノッサの屈辱)まで発動して、司教の任命権などを確立した。中國を「特殊な例外」として司教の任命権を放棄したりしたら、法王の権威そのものに疑問を持たれかねない。

一方で、中國は國內(nèi)における宗教関連の問題で「外國勢力の干渉は受け入れない」ことを大原則としている。この原則は、「かつてキリスト教宣教師らが中國の國內(nèi)政治に干渉し、列強による植民地化を推進する力にもなった」との認識にもとづく。中華人民共和國は成立直後にバチカンと外交関係を結(jié)んだが、1951年に「內(nèi)政干渉がある」として斷交した。

仮に、ローマ法王が中國國內(nèi)の司教を任命したとしても、現(xiàn)狀では中國の國內(nèi)政治に干渉できるとは思えないが、共産黨が「原則」として打ち出した以上、譲歩は難しい。そのため中國は獨自に「中國天主教愛國會」を設(shè)立し、カトリックの組織とした。もちろん、バチカンも世界各地のカトリック組織も、カトリックの組織であるとは認めていない。

雙方が非難を応酬する事態(tài)もあったが、2013年に就任した第266代フランシスコ法王は、中國との対話に力を入れてきた。2016年1月ごろからは、「中國側(cè)が司教の候補者リストをバチカンに示し、その中から教皇が最終的に司教を選出する」との方法で、雙方が合意したとの報道も見られるようになってきた。

現(xiàn)在も最終決定に至ってはいないとみられるが、かつてとは様相が異なり、互いに「建設(shè)的な方向」を目指して協(xié)議を重ねていることは間違いない。

ここで問題になるのが、中國がこれまで、他國と外交関係を樹立する際に、相手國が中華民國(臺灣)との國交斷絶することを、「絶対の條件」としてきたことだ。臺灣で5月に民進黨?蔡英文政権が発足したことで、中國が現(xiàn)在も臺灣と國交を維持する國の「切り崩し」に力を入れていることは、想像に難くない。

臺灣側(cè)の動きとしては、陳建仁副総統(tǒng)が9月2日から8日まで、蔡総統(tǒng)の特使として故マザー?テレサの列聖式に出席するためにバチカンを訪問した。陳副総統(tǒng)は敬虔なカトリック信者として知られており、バチカンへの派遣はまさに適任だったと評することができる。

陳副総統(tǒng)に會見したフランシスコ法王は「臺灣の人々のために祈ります。あなた方も私のために祈ってください」などと述べたという。一方の陳副総統(tǒng)はフランシスコ法王に臺灣訪問を呼びかけた。陳副総統(tǒng)はさらに、フランシスコ會の創(chuàng)設(shè)者、聖フランシスコ生誕の地として知られるイタリア中部?アッシジを訪れ、世界と臺灣と中國大陸の平和のために祈った。

陳副総統(tǒng)の祈りは、本人の宗教心に発したものだろうが、中國大陸と臺灣の関係についてそれほど理解していない歐州やカトリック界の人々に対しての政治的アピールとしても、かなり有効だったと考えることができる。

中國によるバチカンへの働きかけについて、中華民國外交部(臺灣外務(wù)?。─螀抑局姓?wù)次長は8月28日、「臺灣とバチカンの関係は安定している。そして(われわれは)バチカンと北京が対話することに反対しない。よいことだ」などと発言。

陳副総統(tǒng)もバチカン訪問中に、臺灣とバチカンは良好で永続的な関係を維持していると表明した。臺灣側(cè)はバチカンとの関係維持について今のところ、自信を示している。(9月12日寄稿)

■筆者プロフィール:如月隼人

日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強したが、何を考えたか北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿ァH毡兢藨盲皮椁鲜长伽毪郡幛司幖浾撙蚣跇I(yè)とするようになり、ついのめりこむ?!钢袊慰諝荨工蛘i者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。

■筆者プロフィール:如月隼人

1958年生まれ、東京出身。東京大學(xué)教養(yǎng)學(xué)部基礎(chǔ)科學(xué)科卒。日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強し、その後は北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する。「中國の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。中國については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結(jié)局は得」が信條。硬軟取り混ぜて幅広く情報を発信。

Facebookはこちら
※フォローの際はメッセージ付きでお願いいたします。

ブログはこちら

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China?記事へのご意見?お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業(yè)務(wù)提攜

Record Chinaへの業(yè)務(wù)提攜に関するお問い合わせはこちら

業(yè)務(wù)提攜