2016年9月月29日、観光産業(yè)の常識を破る異色の経営者、星野佳路?星野リゾート代表が、日本記者クラブで講演した。日本の観光産業(yè)は産業(yè)規(guī)模が大きいのに地方経済への貢獻(xiàn)度は低く「観光立國」は掛け聲倒れ、と指摘。急増するインバウンド（外國人客）だけでなく、規(guī)模の大きい日本人の國內(nèi)観光旅行も増やすべきだと提言?！该癫搐去Ι`バー（スマホを活用した米國発配車サービス）が自由な地域ができれば、世界中からもっと人が來る」とを訴えた。

星野氏は長野県軽井沢町の老舗溫泉旅館の4代目で、全國各地で旅館やホテルを獨自のスタイルで経営。北海道の大規(guī)模リゾート?トマムなど各地の破たんしたリゾート施設(shè)を経営手腕で再生してきたカリスマだ。星野佳路星野リゾート代表は、観光産業(yè)の常識を破る異色の経営者である。講演要旨は次の通り。

「観光立國」とは、全國各地から地域獨自の魅力を磨き上げ、國內(nèi)外から多くの旅行?観光客を惹きつけている國である。その中で旅行?観光産業(yè)が基軸産業(yè)の一つに位置付けられ、人口減少に直面する地方に新たな雇用を生み、投資を呼び込み、地域密著型の産業(yè)として地域活性化に貢獻(xiàn)している國のことである。

爆買いに象徴されるインバウンド（外國人客）が急増、経済活性化への期待が大きい。訪日外國人の旅行消費額は2013年の1．7兆円から15年には3．3兆円に倍増した。この間に日本人の國內(nèi)旅行（宿泊?日帰り合計）は20．6兆円から20．9兆円とほぼ橫ばいにとどまった。観光立國を標(biāo)榜するなら、市場規(guī)模の大きな國內(nèi)旅行も増やさなければならない。

東京圏をはじめ日本人の人口が減少する中で、いかに國內(nèi)旅行者を増やすか。國內(nèi)旅行は20?30年代の女性によって支えられており、男性旅行者は減っている。外國人客の増加を國內(nèi)客の減少で相殺しては意味がない。女性は中高年になっても旅行への意欲が高く、孫を連れての3世代旅行も増えている。あらゆる性別、年代を惹きつけることが必要だ。

観光産業(yè)は金融や電機(jī)に並ぶ日本で5番目に大きな産業(yè)規(guī)模だが、地方経済に貢獻(xiàn)できていない。サービス産業(yè)の労働生産性が極めて低く、農(nóng)業(yè)より低いが、中でも宿泊業(yè)は最も低い。78％が非正規(guī)雇用であり、構(gòu)造的な問題を抱えている。

日本では年末年始、ゴールデンウィーク、お盆休暇、シルバーウィークと長期休暇が重なっており、混雑するが、あとの時期は閑散としている。政策的に平準(zhǔn)化されれば、需要が増えて競爭が盛んになるが、多くの中小旅館?ホテルは休日の平準(zhǔn)化は大手有名施設(shè)を利すると反対している。競爭こそが観光産業(yè)を振興するが、日本の観光産業(yè)は健全な競爭環(huán)境になっていない。

一般の民家が旅行者を泊める民泊に反対するのは旅館やホテルだ。旅館業(yè)法などとの関係でお客の安全が守られないと言うが、競爭への反対にあるのではないか。民泊とウーバーが自由な地域ができれば、世界中からもっと人が來る。

旅館などの再生には「地域特性の掘り起こし」と「従業(yè)員のアイデアの尊重」が不可欠である。従業(yè)員がさまざまなサービスを行う制度も必要だ。小規(guī)模の施設(shè)ではレストランのスタッフがベッドメイキングを行えばいい。そして現(xiàn)場を知った人間がスタッフ部門にも異動する。（八牧浩行）

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。