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「日本人を恨んだりしていないよ」=家族を奪われた老人の話に、私はびっくりした―中國人學(xué)生

日本僑報(bào)社    2016年10月1日(土) 7時50分

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小泉氏が首相を務(wù)めた時期は、靖國神社參拝をきっかけに「日中関係が戦後最悪に冷え込んだ」ともいわれた。そんな時代に、西安外國語大學(xué)の學(xué)生だった金美子さんがつづった思いは、関係が冷え込む現(xiàn)在にも通じるところがある。

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安倍首相の首相在任日數(shù)は、9月30日現(xiàn)在で1741日。來年5月には小泉純一郎元首相の1980日を超えることになる。小泉氏が首相を務(wù)めた時期は、靖國神社參拝をきっかけに「日中関係が戦後最悪に冷え込んだ」ともいわれた。そんな時代に、西安外國語大學(xué)の學(xué)生だった金美子さんがつづった思いは、関係が冷え込む現(xiàn)在にも通じるところがある。以下は、金さんの作文より。

その他の寫真

世界にはいろんな人がいる。その人々の容貌はもちろんのこと、性格や習(xí)慣も民族によって違う。だから人と人の間に理解が必要なのだ。でも、理解というのは本當(dāng)に難しい。私はどうしても日本のことが理解できなかった。何で靖國神社へ參拝しなければならないのか、アジア各國で殘酷な殺戮(さつりく)と被侵略國の數(shù)多くの女性を慰安婦にさせ、戦爭を起こし、南京事件や生體実験などで多くの人々を殺した日本帝國主義は絶対に許せない。だから靖國神社への參拝は過去の帝國主義を美化しようとする考えで、アジア各國人民の感情を顧みない行為だから絶対に受け入れられないと思った。

その時の日本政府の靖國神社參拝の立場は、「小泉首相の靖國神社參拝は過去の軍國主義を美化しようとするものではなく、多くの戦沒者に敬意と感謝の意を表するためのものである。日本は極東國際軍事裁判の結(jié)果を受け入れている」というものだった。私が理解できないのは、アジア各國で騒ぎを引こされることを知っていながら、わざわざ靖國神社へ行く原因だ。植民地支配と侵略によって、多くの國々、とりわけアジア諸國の人々に対して多大の損害と苦痛を與えたことを認(rèn)めながら。いくら一人の國民だとしても、総理はどこへ行って何をしても日本を代表している。戦沒者への敬意は心の底にしまっておいていたらいいじゃないか。

私はずっとこんな思いをしていた。でも、私の考え方と日本に対する憎しみは平凡な2人の老人によって完全に変わった。

その日本の老人は、自身の手で日本刀を振りかざしながら中國人の首を切り落とした。迷いもためらいもなく、正義の名のもとに合法的に殺人をした。戦爭が終わって、理性や人間性をようやく取り戻した時、彼は罪の意識にさいなまれながら生きることがつらかったそうだ。彼の言ったその話は、今でも私の記憶に焼きついている?!杠姺摔膜い糠丹暄稀闋帳Kわり、軍服を脫ぎ捨てれば忘れることができるけれども、心にはね返った血は生きている限り、決して消えることがないのだ」。

1年後、私は祖父の家に遊びに行く時、見るだけでも孤獨(dú)を感じられる老人に會った。祖父の話によると、その人は家族も家もないそうだ。家族5人は全員日本人に殺され、今まで一人で過ごしてきたそうだ。私の専攻が日本語だと知った後、私に日本語で話しかけた。

「日本語をよく勉強(qiáng)しなさい。君たちの世代に戦爭が起こらないようにね」。私は老人の深い目を見ながら、知らぬ間に涙がいっぱいたまった。それは同情と憎しみの涙だった。私は靜かに聞いた。「日本人を恨んでいますか」。すると、彼は何かを思い出すような目で空を眺めながら言った。「私は日本人を恨んだりしていないよ。誰が悪いわけでもない。時代が悪かったのだ。その時代はそんな人や事をつくるのだよ」。

私は老人の話にびっくりした。この2人の老人は、自身で経験して同じつらい生活をしているのだけど、互いに理解して許しながら互いの立場に立って考えたのだ。もし私たちが2人の老人のような思いをしていれば、中國と日本は歴史を越えて互いに理解し、助け合う隣人になる時代がきっと來ると思う。(編集/北田

※本文は、第三回中國人の日本語作文コンクール受賞作品集「國という枠を越えて」(段躍中編、日本僑報(bào)社、2007年)より、金美子さん(西安外國語大學(xué))の作品「理解の力」を編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報(bào)社の許可を得て掲載しています。

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