<コラム>香港の新任議員「香港は支那の一部でない」、中國側(cè)の猛反発の裏に國內(nèi)向けポーズ

如月隼人    2016年10月17日(月) 17時0分

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香港で12日に開會した立法會(議會)で「異常事態(tài)」が発生した。寫真は香港の區(qū)旗と中國國旗。

香港で12日に開會した立法會(議會)で「異常事態(tài)」が発生した。4日の改選後、初の立法會であり、同日には議員による宣誓式が行われた。その宣誓式で、「香港は支那の一部でない」などと発言し、垂れ幕を掲げる新任議員が出た。

宣誓などで「問題あり」とされた議員は3人。宣誓式では、香港のあり方を定めた香港基本法を指示することや、中國と香港に忠誠を盡くすことが盛り込まれた定型文を読み上げることになっている。

しかし、「本土派(香港にとって香港こそが『本土』であり、香港は中國の一部ではないとの主張)」の政黨に所屬する梁頌恒、游●禎(●は草かんむりに「恵」)の両議員は、英語で読み上げた宣誓文に、定型文にはない「香港民族の利益を誠実に守る」などの文言を挿入した。

さらに、英語の「China」の部分を、広東語の「支那」の発音にした。さらに、宣誓中に「香港は中國でない」とする垂れ幕を示した。結(jié)果として、「問題あり」とされた3議員は、「宣誓を終えたとは認められない」ということになった。このまま、議員としての活動が認められない可能性も高い。

中國の猛反発は、想定內(nèi)だった。中國中央政府の香港での出先機関である香港特別行政區(qū)聯(lián)絡(luò)弁公室は、「宣誓中に國家と民族を侮辱する言葉を使い、國家の尊厳に挑戦し、香港同胞を含む全國人民と海外華人の感情を著しく傷つけた」として、強烈に非難した。

興味深いのは、中國大陸側(cè)の報道が、香港においても、「宣誓式」での本土派議員の言動に、香港で強烈な批判が起きたと強調(diào)していることだ。

新華社は15日、同事態(tài)を紹介する記事を発表したが、大陸側(cè)関係者による「われわれは、新任議員の卑劣な言動が、(香港)社會の義憤を強く引き起こしたことに注目している」などと紹介した。その他の記事も、「本土派議員の言動に、香港の広範な人々が強く反発している」との論調(diào)に終始している。

実際には、香港で中國大陸の対香港政策に反発する人は増えている。例えば、10月1日の國慶節(jié)(中國の建國記念日)では、香港の10カ所以上の大學(xué)で、構(gòu)內(nèi)に「香港獨立」と書かれた大きな垂れ幕が掲示された。香港で、中國大陸の圧力増大に懸念や不信を感じ、「はっきりとした分離」を願う人が増えていることは、間違いない。

ならば、大陸メディアはなぜ、香港における大陸當局への反発を「一部の人」と主張しつづけるのか??激à皮撙欷?、大陸外にいる人にとっては、大陸メディアの報道が、「事実を歪曲している」あるいは「一部を誇張している」と、容易に気づくはずだ。

考えられるのは、ただ1つだ。中國當局が同問題について最も懸念しているのは、國內(nèi)世論だ。中國共産黨は、自らの政権を正統(tǒng)とする最大の論拠を「清朝末期以來、反植民地狀態(tài)だった狀況に終止符を打ち、獨立自主の中國を成り立たせた」ことに置いている。1997年の香港返還を?qū)g現(xiàn)させたことは、「英國の植民地だった香港を取り戻した」という共産黨にとって極めて大きな「イベント」だった。

だから今さら、香港で中國離れが本格化しているとは言えない。だから、本土派の存在は認めざるを得ないとしても「ごく一部の、特殊な主張」と言わざるをえない。

香港の今後については、予斷が許されない部分が極めて大きい。ただ、中國における対外問題に関連する主張や報道全般について、當局やメディアの「現(xiàn)狀認識の本音」とは別に、「國內(nèi)向けに、どう論じるか」との側(cè)面が極めて強いということに、つねに注意しておく必要がある。

■筆者プロフィール:如月隼人

日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強したが、何を考えたか北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ?!钢袊慰諝荨工蛘i者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。

■筆者プロフィール:如月隼人

1958年生まれ、東京出身。東京大學(xué)教養(yǎng)學(xué)部基礎(chǔ)科學(xué)科卒。日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強し、その後は北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する?!钢袊慰諝荨工蛘i者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。中國については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結(jié)局は得」が信條。硬軟取り混ぜて幅広く情報を発信。

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