2016年10月26日、フィリピンのドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)に同行して來日中のヤサイ同國外相が日本記者クラブで會見した。南シナ海での中國との紛爭について、「國連海洋法は領(lǐng)土をめぐる紛爭は、當(dāng)事國2國間の協(xié)議により平和的に解決するよう求めており、常設(shè)仲裁裁判所の評決はこの問題とは直接関係ない」と指摘。當(dāng)事國のフィリピン?中國雙方が平和的に話し合えばいいとの判斷を示した。

その上で、「米比軍事同盟は領(lǐng)土紛爭と関係はない。また中國の公船の攻撃を受けているわけでもないので、同盟は意味を持たず、米比合同演習(xí)も打ち切る」と強(qiáng)調(diào)した。

さらにドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng)の先の訪中について「中國側(cè)と両國間の諸問題を平和的に解決し、経済協(xié)力を推進(jìn)していくことで合意した」と説明、「南シナ海の爭いは橫に置いて時期が來たときに2國間で協(xié)議することになった。我々の権利を損なうものでもない」と一時棚上げする方針を明らかにした。

また「大統(tǒng)領(lǐng)の訪中のもう一つの目的は中國との間で信頼醸成を図り、良好な関係をつくることだった」とし、「比中合同演習(xí)は中國側(cè)の疑念を高め、比中間の平和的協(xié)議の妨げになる」と表明した。（八牧浩行）

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。