2016年10月28日、側近とされる民間人女性に機密文書を渡していたことが明るみに出た韓國の樸槿恵（パク?クネ）大統(tǒng)領。樸大統(tǒng)領は事実関係を認め謝罪したが、與野黨は一斉に非難の聲を上げている。殘りの任期は1年4カ月。一挙にレームダック（死に體）化するのは必至で、崖っぷちに追い込まれた。

大統(tǒng)領府の文書流出は24日、テレビ局JTBCが特ダネとして報じた。中央日報によると、流出先の崔順実（チェ?スンシル）氏（60）は樸大統(tǒng)領の40年來の知人で、大統(tǒng)領は崔氏との関係を「困難な時に助けを受けた縁」と説明した。大統(tǒng)領の就任後は青瓦臺(大統(tǒng)領官邸)を出入りしながら、大統(tǒng)領の服やアクセサリー、歴訪日程などを管理したという。

JTBCによると、崔氏は大統(tǒng)領の演説草稿や対日関係のメモや南北軍事當局者の秘密接觸に関する情報、大統(tǒng)領府の警護擔當者の候補者リストといった機密情報を入手していた。崔氏に近い人物がハンギョレ新聞とのインタビューで語ったところでは、崔氏は樸政権を支えるため「諮問委員會」の性格を持つ秘密會合を定期的に開催。閣僚人事など國政全般に関與していたとされ、「陰の実力者」とも呼ばれていた。

樸大統(tǒng)領は25日に記者會見し、「國民の皆さんに心配をかけ、驚かせ、心を痛ませたことを申し訳なく思っている」と謝罪。「一部の演説文や広報物も表現(xiàn)などの面で手助けを受けたことがある」と認めた。

これに対し、最大野黨の「共に民主黨」は「大統(tǒng)領府の全面刷新」を要求する一方、疑惑を徹底的に追及する構え。與黨「セヌリ黨」も「大統(tǒng)領の謝罪で済む問題ではない」との見解で一致、大統(tǒng)領府と閣僚の大幅刷新を求めることを決めた?！弗互胎挈h」內からも大統(tǒng)領を批判する聲が高まった背景には、來年末の次期大統(tǒng)領選への危機感などがある。

崔氏をめぐっては、関與したスポーツ支援財団の私物化疑惑なども浮上。聯(lián)合ニュースによると、検察當局は26日、財団や崔氏の自宅などの関係先を一斉に家宅捜索するなど、波紋がさらに広がっている。機密漏えいなどの國政介入疑惑にまで捜査のメスが入るかも注目されている。

中央日報によると、 世論調査機関リアルメーターの集計で樸大統(tǒng)領の支持率は26日の時點で17．5％と就任後初めて10％臺に落ちた。25日時點の支持率は22．7％だったが、疑惑が大きく報じられて5．2ポイント落ちた。

樸大統(tǒng)領は24日の國會演説で、1期5年に限定されている大統(tǒng)領の任期に関して政策遂行面での問題點を指摘し、任期內に憲法改正を目指す考えを表明した。改憲論議を主導することで政権末期の求心力を高める狙いとみられたが、今回の事態(tài)で求心力回復の思惑は水泡に帰してしまったようだ。(編集/日向)