米トランプ政権、北朝鮮政策を大転換か=金正恩、核保有『現(xiàn)狀凍結(jié)』を交渉カードに、対中依存度も低下―平巖関西學(xué)院大教授

八牧浩行    2016年11月16日(水) 5時10分

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14日、平巖俊司関西學(xué)院大教授が講演。北朝鮮は「核保有前提の『現(xiàn)狀凍結(jié)』を交渉材料にしたがっている」と指摘した。また「オバマ政権の戦略的忍耐で北朝鮮は米國を怖がらなくなり、その結(jié)果、安保面での対中依存度も低下した」と分析した。

2016年11月14日、北朝鮮の動向に詳しい平巖俊司関西學(xué)院大教授が日本記者クラブで講演した。北朝鮮にとって「核開発はもはや対米交渉カードではない。核保有前提の『現(xiàn)狀凍結(jié)』を交渉材料にしたがっている」と指摘、核開発の中止を米國の譲歩を引き出すための材料としてないとの見方を示した。また「オバマ政権の戦略的忍耐で北朝鮮は米國を怖がらなくなり、その結(jié)果、安保面での対中依存度も低下した」と分析した。その上で、「體制崩壊は目前」と韓國內(nèi)などの一部で観測されていることについて、「非現(xiàn)実的」と一蹴した。発言要旨は次の通り。

クリントン政権からブッシュ政権への交代期には、米朝協(xié)議も進(jìn)んでおり、多くの専門家はブッシュになったとしても大きく変わらないだろうと見ていたが、ブッシュ政権は北朝鮮をイラク、イランと並ぶ「悪の樞軸」と呼び、敵視した。米國の大統(tǒng)領(lǐng)の個性、考え方が全體の雰囲気をつくっていくことになり、トランプ政権も獨(dú)自の外交を展開、大きく転換させる可能性がある。

北朝鮮にとっての核ミサイル問題はもはや交渉カードではなく、明確な核保有の事実を前提とした『現(xiàn)狀凍結(jié)』を交渉材料にしたがっている。オバマ政権の(対北朝鮮攻撃や対話を控える)戦略的忍耐政策により、米國からの脅威が低下し、中國の影響力が減った。中國の目標(biāo)は、北朝鮮の核放棄と朝鮮半島の非核化であり、長い時間をかけて仲介役を果たすことだ。北朝鮮を批判する一方、國際社會にも冷靜な対応を要求する戦術(shù)を取っている。

「ブッシュ大統(tǒng)領(lǐng)と(その後の)オバマ大統(tǒng)領(lǐng)が展開した『戦略的忍耐』は、核強(qiáng)國を相手にするという難しい負(fù)擔(dān)を新政権に押し付けただけだ」との米クラッパー國家情報長官の発言を朝鮮労働新聞が取り上げ、「北朝鮮の核放棄は不可能」として「慎重な報告をした」と論評した(11月10日付)。同長官の発言は北朝鮮からすれば歓迎し得るだろう。

トランプ政権と中國が協(xié)力するか対立するかによって、北朝鮮の意味が変化する。中國は休戦協(xié)定から平和協(xié)定、北朝鮮の核放棄に繋げる「同時並行協(xié)議案」を推進(jìn)するだろう。

北朝鮮の體制崩壊は目前と韓國內(nèi)などでで観測されているが、「非現(xiàn)実的」である。金正恩體制は、若い指導(dǎo)者の経験不足を官僚、経済評論家、ベテランが補(bǔ)てんする體制であり、多くの課題はあるものの一定の安定を保っている。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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