日銀の株式?國債大量購入で市場機能がマヒ、中國人民銀行幹部「社會主義的統(tǒng)制思想」と揶揄―元日銀副総裁、“アベクロミクス”を痛烈批判

八牧浩行    2016年11月22日(火) 5時10分

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21日、山口泰?元日本銀行副総裁が日本記者クラブで會見、アベノミクスの中核となっている日銀金融政策について、「2%のインフレ目標達成は困難であり、異次元金融緩和、マイナス金利などの副作用が非常に大きい」と指摘した。

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2016年11月21日、山口泰?元日本銀行副総裁が日本記者クラブで會見、アベノミクスの中核となっている日銀金融政策について、「2%のインフレ目標達成は困難であり、異次元金融緩和、マイナス金利などの副作用が非常に大きい」と指摘。黒田東彥日銀総裁が推進している(1)國債発行額の全量80兆円の引き受け(2)ETF(株式投資信託)を通じた株式6兆円購入―など中央銀行としては前例のない政策により、市場機能が働いていないと批判した。その上で、中國人民銀行幹部から「日銀の資金コントロールは社會主義的統(tǒng)制の思想が入り込んでおり問題ではないか」と揶揄(やゆ)されているという逸話を紹介した。発言要旨は次の通り。

その他の寫真

政府日銀は、経済政策の目標としてインフレ率を「2%」に設(shè)定して上げようとしているが無理がある。もっと幅広く考えて経済全體のパフォーマンスを上げ、実力相応の所に誘導(dǎo)し持続させることが必要だ。安倍政権の3年間の國內(nèi)総生産(GDP)は年平均0.5?0.6%と低迷している。潛在的な成長率が低い中での、異次元金融緩和、マイナス金利政策は副作用が非常に大きい。2%のインフレ目標達成のために金融政策を推進するのはやめた方がいい。

加えて、國民の所得がなかなか増加しない。年間100萬人単位で定年退職者が出ている。新しい職に就いても賃金は大幅に上がりにくい?;镜膜摔仙b性を上げなければならないがそうなっていない。

國債発行額は借り換えも含めて年間約120兆円だが、日銀がほぼ120兆円を買っている。ネットの國債発行額は約80兆円だが、日銀がほぼ全量を購入している。日銀は市場をコントールできるので、市場參加者が日銀の一挙手一投足を見ながら行動し、市場機能が働いていない。

加えて株式市場では日銀が資金を委託したETF(株式投資信託)が6兆円も購入、巨大な投資家となった日銀は、多くの企業(yè)で筆頭株主になっている。中央銀行の株式購入は異例であり、中國人民銀行幹部から「日銀の資金コントロールは社會主義的統(tǒng)制の思想が入り込んで問題ではないか」と指摘されているようだ。株式市場では日銀資金が下支えているが、金融危機に見舞われているならともかく、市場が管理相場になっているのは異常な事態(tài)だ。経済の実態(tài)をマーケットが反映できない現(xiàn)狀は問題である。

これだけ國債発行を引き受けて市場を中央銀行がサポートすると、財政規(guī)律が崩れてしまう。我々は今微妙なところを歩いている。(金融緩和政策をやめる)いわゆる「出口」が近づいてくると、様々なリスクが顕在化する。財政?金融を総合的に考えて戦略を講じなければならない。その場合中央銀行の獨立性が問われる。

「出口戦略」についての議論はできるだけ早く気がついたところからやるべきだ。米國連邦準備制度理事會(FRB)は、金利の異常高騰などのリスクを予想、回避のためのシナリオをいくつか公表している。どのような影響を受け打撃を受けるか考えなければならない。

人口が減少する中での巨額投資は企業(yè)合理性にそぐわない。パイが先行き縮小していくことは企業(yè)収益投資にマイナス要因になっている。中長期的な観點から少子化対策に大膽にカネを使う必要がある。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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