2016年12月2日?國政介入事件で韓國の樸槿恵大統(tǒng)領(lǐng)の退陣を求め毎週末、ソウル中心部を埋めた大規(guī)模なデモ。韓國の政治の節(jié)目では過去にもデモが大きな役割を果たしてきた。時には流血の慘事となることもあった。今回は韓國メディアが「ろうそく革命」と呼ぶ平和的なデモで樸大統(tǒng)領(lǐng)を任期満了前の辭任表明に追い込んだ。

街頭での抗議行動が時の政権を打倒したのは、1960年の4月革命。韓國の初代大統(tǒng)領(lǐng)で12年間も、その座にあった李承晩氏を追放し、獨裁體制に幕を下ろした。

李氏が4選を目指した3月の大統(tǒng)領(lǐng)選で、大がかりな不正があったとして、學(xué)生らが反発。4月19日、ソウル大學(xué)などソウル市內(nèi)の大學(xué)生が決起し、デモ隊の人數(shù)は中高校生や市民も加わって20萬人にもなり、大統(tǒng)領(lǐng)の退陣などを叫んで警官隊と衝突した。これに対し、李大統(tǒng)領(lǐng)はソウルなどに戒厳令を布告したが、軍は政治的中立を維持して動かず、混亂が続いた。1週間後の4月26日、李大統(tǒng)領(lǐng)は辭任。翌月には米ハワイに亡命した。

流血のデモとして記憶に殘るのは、1980年5月の光州事件。前年10月の樸正煕大統(tǒng)領(lǐng)暗殺事件後、全斗煥保安司令官（後の大統(tǒng)領(lǐng)）ら軍部は全國に高まった民主化運動を抑え込むため、5月17日、全土に戒厳令を敷き、野黨指導(dǎo)者の金泳三、金大中両氏（いずれも後に大統(tǒng)領(lǐng)）らを逮捕?軟禁した。

金大中氏の出身地?全羅南道の光州市では戒厳令に抗議する學(xué)生や市民と軍が衝突。學(xué)生らは街頭にバリケードを築き、角材、鉄パイプ、火炎瓶などで武裝して軍の部隊に対抗し、市街戦の様相を呈した。軍は戦車まで出動させて市內(nèi)を制圧。200人以上が死亡?行方不明になった。

1987年6月の民主化宣言も、約20日間にわたり繰り広げられたデモの産物でもある。この年、韓國では大統(tǒng)領(lǐng)の直接選挙制を?qū)g現(xiàn)するための憲法改正を求める聲が高まっていたが、當(dāng)時の全斗煥政権はこれを拒否した。警察がデモ鎮(zhèn)圧に放った催涙弾の直撃を受けた大學(xué)生が死亡したことなどを契機に、全國各地にデモが拡大。大學(xué)生のデモに高校生、サラリーマンも合流し、デモ參加者は100萬人に達した。

民主化要求デモが空前の盛り上がりを見せる中、政権與黨の盧泰愚?民正黨代表最高委員（後の大統(tǒng)領(lǐng)）は6月29日に「大統(tǒng)領(lǐng)直接選挙制改憲と88年の平和的政権移譲」「政黨活動の保障」などを盛り込んだ宣言を発表、民主化に道筋を付けた。

樸大統(tǒng)領(lǐng)に下野を迫ったデモについて、中央日報は「世界が驚くろうそく革命の力」との社説を掲載。この中で「世界が驚いている。國家元首の退陣を要求する革命的な波がガラス窓1枚壊すことなくこれほど平和的に進められるということに驚いている」と指摘し、「いま韓國のろうそく革命はこの地に真の市民社會が到來したことを告げる祝砲といえるだろう」などと稱賛している。（編集/日向）