八牧浩行 2016年12月8日(木) 5時10分
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中尾武彥アジア開発銀行(ADB)総裁は日本記者クラブで會見し、中國経済について、「サービスと消費(fèi)が主導(dǎo)する経済に移行し、中高進(jìn)國の構(gòu)造になりつつある」と分析した上で、日本の1990年代のような「バブル崩壊」はないとの見方を示した。
2016年12月1日、中尾武彥アジア開発銀行(ADB)総裁は日本記者クラブで會見し、中國経済について、「サービスと消費(fèi)が主導(dǎo)する経済に移行し、中高進(jìn)國の構(gòu)造になりつつある」と分析した上で、日本の1990年代のような「バブル崩壊」はないとの見方を示した。またインフラ資金需要が膨大なアジアにおいて、「ADBは中國主導(dǎo)のアジアインフラ投資銀行(AIIB)とは補(bǔ)完的関係にあり、ライバルではない」と強(qiáng)調(diào)した。発言要旨は次の通り。
アジアの開発途上國は全體として堅(jiān)調(diào)な成長ペースを維持、GDP成長率は2016年、2017年ともに5.7%となる。中國経済はやや減速するものの6%臺半ばを維持。自動車販売臺數(shù)が2000萬臺と高水準(zhǔn)を保つなど、サービスと消費(fèi)が主導(dǎo)する経済に移行しつつある。都市化が進(jìn)行する一方、宇宙や高速鉄道など競爭力が強(qiáng)い分野も出現(xiàn)しつつあり、中高進(jìn)國の構(gòu)造になりつつある。日本の1990年代のようなバブル崩壊はない。
人口増加が著しいインドはモディ政権の経済重視志向もあって7%臺の成長を堅(jiān)持。インドネシア、パキスタン、バングディッシュ、フィリピン、ベトナム、ミャンマーなども5?6%の成長が続く。
2008年に歐米を襲ったリーマンショック不況の際、歐米市場との経済取引に依存しているアジア開発途上國にも打撃となり、成長も急減するとの見方が有力だった。ところがアジア域內(nèi)での取引が活発化したため杞憂に終わった。アジアの成長の要因は、インフラへの投資、教育や保健など人的資本への投資、マクロ経済の安定、開放的な貿(mào)易?投資體制、民間セクターの促進(jìn)、政府のガバナンス(統(tǒng)治)、將來ビジョン?戦略、政治や治安の安定など。アフリカや中南米など他の開発途上地域に比べ、これらの長所が際立っている?!?/p>
アジアは19世紀(jì)の初めまで世界のGDPの半分以上を占めていた。その後歐米の臺頭によって凋落したが、現(xiàn)在3割程度に回復(fù)した。ADBの委託研究「Asia2050」によると、「アジアの世紀(jì)」が実現(xiàn)した場合、2050年には52%に達(dá)する見通しだ。
ADBは中國主導(dǎo)のアジアインフラ投資銀行(AIIB)とは補(bǔ)完的関係にあり、ライバルではない。ADBはアジア諸國と援助(ドナー)國に限定しているため加盟67カ國?地域にとどまっている、AIIBは域外途上國にも広げ、100カ國近くに達(dá)した。融資額も増え、成功したと思う。ADBとAIIBは國際協(xié)調(diào)融資などで協(xié)力できる。パキスタン、バングラディッシュ向けで実績も上がっている。
職員數(shù)はADBの約3000人に対し、AIIBは約100人とまだ少數(shù)なので、ADBの支援を求めている。今後とも両者が協(xié)力していきたい。世界で突出した成長を続けるアジアにはインフラ関連だけでも膨大な資金需要がある。豊かになったとはいえ、貧困率が10%で貧困人口も多い。主な非加盟國は日米だけになったが、ADBとAIIBはライバルのような対立構(gòu)造ではなく、アジアでは補(bǔ)完し合える。
世界におけるアジアの存在は高まっている。ADBは稅制、気候変動などのセミナーも開催。來年5月に、50周年記念総會を橫浜で開催するのを機(jī)に「発展するアジア」のけん引役としての役割を果たしていきたい。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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