2016年10月、韓國(guó)人観光客に人気の大阪で起こった“わさびテロ”が日韓で大きな話(huà)題となった。すし店を訪れる韓國(guó)人客に対し、わさびを大量に入れたすしが提供された“嫌韓”事件としてこの件が注目されると、他にも日本で差別行為の被害に遭ったとの告発が相次いだ。

韓國(guó)のインターネット掲示板などで「わさびテロに遭った」との書(shū)き込みが出たのは9月ごろ。日本では「大阪のすし店が日本語(yǔ)のできない外國(guó)人客に嫌がらせをしていた」などと報(bào)じられた。店の運(yùn)営會(huì)社は騒ぎを受け10月2日に公式サイトで謝罪、外國(guó)人観光客からガリやわさびの増量を求められることが多く、1?2年前から事前の確認(rèn)なしに通常の2倍程度のわさびを入れて外國(guó)人客に出していたと説明した。

一方、10月初めにこれを報(bào)じた韓國(guó)メディアの多くは「韓國(guó)人観光客だけを狙ったわさびテロ」と見(jiàn)出しを打った。韓國(guó)のネット上には同店を「嫌韓食堂」とする書(shū)き込みが登場(chǎng)、メディアは「被害韓國(guó)人」へのインタビューや店への突撃取材を行うなどして事件を追った。

“わさびテロ”を呼び水とするように、10月5日には新たな韓國(guó)人差別騒動(dòng)が持ち上がる。今年4月、日本を旅行した韓國(guó)人が「大阪のバス會(huì)社で差別的な対応をされた」と主張したのだ。この人物は、バスの乗車(chē)券売り場(chǎng)で日本人職員から名前を?qū)い亭椁臁弗唷工却黏à郡趣长?、チケットの氏名欄に韓國(guó)人をおとしめる表記をされたと主張、「キムチョン」と印字されたチケットの畫(huà)像を公開(kāi)した。

ここまでの被害の訴えはネット上の書(shū)き込みやメディアへの情報(bào)提供にとどまっていたが、10月12日、大阪を中心とした嫌韓騒動(dòng)についに韓國(guó)政府が動(dòng)いた。韓國(guó)外交部は5日に大阪を旅行中の韓國(guó)人一家が日本人男性から暴行を受けたとして駐大阪韓國(guó)総領(lǐng)事館に屆け出た事件を受け、総領(lǐng)事館を通し日本側(cè)に再発防止のための徹底した対応を要請(qǐng)した。総領(lǐng)事館はこれに先立つ7日、公式ホームページに「道頓堀で韓國(guó)人が被害を受ける事例が受け付けられた」旨を掲載し、大阪を訪問(wèn)する韓國(guó)國(guó)民に注意を呼び掛けていた。

そしてもう一つ、こちらは外國(guó)人差別か否かについて日本でも賛否分かれた騒動(dòng)だが、外國(guó)人観光客が多く乗車(chē)した関西空港行きの列車(chē)で「外國(guó)人が多くご不便をお掛けします」との趣旨のアナウンスが流れていたことが発覚し、韓國(guó)メディアはそれまで物議を醸した嫌韓騒動(dòng)と結(jié)び付けてこれを伝えた。

一連の問(wèn)題から韓國(guó)メディアで「度重なる嫌韓事件の発生地」などと報(bào)じられた大阪だが、実は大阪は韓國(guó)人の間で抜群の人気を誇る旅先だ。韓國(guó)の旅行大手ハナツアーでの大阪ツアー旅行の予約客は騒動(dòng)が相次いだ10月だけで昨年同月と比べ56％も増加、モドゥツアーでの個(gè)人旅行販売も同じく10月に40％、11月では63％増加した。

また大阪だけではなく、日本自體を訪れる韓國(guó)人観光客も増え続けている。訪日韓國(guó)人客は15年に400萬(wàn)人に達(dá)し、単純計(jì)算で韓國(guó)國(guó)民の8％を占めるまでになった。さらに今年は9月までの數(shù)字で前年同期比3割の伸びをみせ、年間で過(guò)去最高となることはほぼ確実だ。

10月に降って湧いたさまざまな嫌韓騒動(dòng)を受け、韓國(guó)のネット上には問(wèn)題となった店や企業(yè)の姿勢(shì)を批判するコメントはもちろん、「こんな日本に行くのはやめるべきだ」との主張が相次ぎ、それでも日本を旅行する同胞を非難する聲も上がっていた。しかし少なくとも數(shù)字上では、騒動(dòng)により訪日を思いとどまった韓國(guó)人は多くないとみえる。

実際に韓國(guó)のネット掲示板には「それでも僕が日本を訪れる理由」を告白する書(shū)き込みや、「日本でうれしいもてなしをしてもらえた」といったエピソード紹介がたびたび見(jiàn)られたし、韓國(guó)のテレビマンがわさび問(wèn)題の店をアポなしで訪れ板前に頭を下げさせた際には「恥ずかしい」「売名だ」などと批判する論調(diào)が大勢(shì)を占めていた。もちろん相次ぐ嫌韓騒動(dòng)を肯定的にみてはいないだろうが、あるネットユーザーの書(shū)き込みにあった通り「日本人みんなが嫌韓なわけじゃない」と騒動(dòng)を冷靜に受け止めた韓國(guó)人も少なくなかった。

10月、「日本のスターバックスコーヒーの店舗でカップにハングルのメッセージを書(shū)いてもらった」とインターネットで紹介した韓國(guó)人は、「わさび事件」について「この事件が、私たち自身が外國(guó)人観光客にどのように対応しているか見(jiàn)直すきっかけになればいい」と書(shū)いている。一方、2020年には訪日外國(guó)人4000萬(wàn)人を目標(biāo)とし、ますます外國(guó)人観光客をもてなす機(jī)會(huì)が増えるはずの日本。私たち日本人は、この騒動(dòng)を「彼らをどのようにもてなしているか、もてなすことができるか」について考える機(jī)會(huì)とできただろうか。（編集/吉金）