世界貿(mào)易機(jī)関（WTO）加盟から今年12月11日で15周年を迎える中國がこの枠組みの中で「市場(chǎng)経済國の地位」を獲得するのはごく當(dāng)然のことといえる。だが保護(hù)主義の臺(tái)頭といった要因に影響されて、歐州連合（EU）、米國、日本の公式見解や一部の商業(yè)団體は中國がこうした待遇を獲得することに反対するよう呼びかけ、多くの産業(yè)で懲罰的関稅措置を適用する準(zhǔn)備が進(jìn)められている。

▽関稅の圧力は持続

業(yè)界関係者によると、市場(chǎng)経済國の地位獲得に反対するというのは名目で、多くの発達(dá)したエコノミーは自國産業(yè)を保護(hù)するために、中國からの輸入商品に引き続き関稅の圧力をかけることを主な目的としている。そうしてさまざまな措置を準(zhǔn)備して自國の貿(mào)易を保護(hù)し、形を変えて「代替國」制度を継続させているという。

米國、日本、EUでは最近、具體的な政策の內(nèi)容が明らかになりつつあり、中國からの輸入製品に対する関稅の引き上げに転じたことがわかる。

米國のトランプ次期大統(tǒng)領(lǐng)は市場(chǎng)経済のルールを無視して、選挙期間中、中國からの輸入商品に45％の関稅をかけると主張した。アナリストは、このような選挙スローガンが実際に行われるようになるまでには一定の距離があるものの、ここには次期米國政権の対中國貿(mào)易における態(tài)度が反映されていると指摘している。

日本の財(cái)務(wù)省は先月、現(xiàn)行の特恵関稅制度の見直しを打ち出し、中國など5カ國が日本に輸出する製品について、2019年から特恵関稅を供與しない方針を打ち出した。

また、EUの歐州委員會(huì)が先月、歐州議會(huì)と歐州理事會(huì)に反ダンピング法律制度の改定の提案を行ったのは、中國製品に対する関稅引き上げがねらいだ。

歐州委員會(huì)は改定案の提案を可決し、「非市場(chǎng)経済國」と「市場(chǎng)経済國」という分類をやめ、「國別に中立をはかる」やり方を採用し、國內(nèi)での価格やコストに「市場(chǎng)を歪曲するような狀況」があるかどうかの調(diào)査に重點(diǎn)を置くとした。その「狀況」とは、具體的に政府による干渉の有無などを指す。ある國の輸出製品価格に「市場(chǎng)を歪曲するような狀況」があると認(rèn)定されれば、「輸出國と同様の経済発展水準(zhǔn)にある適切な代表的國家」のデータを當(dāng)該國の國內(nèi)価格に置き換え、ダンピング幅を計(jì)算するという。

歐州委員會(huì)は「市場(chǎng)を歪曲する」と認(rèn)定する一連の要因を列挙し、これには関連市場(chǎng)が國有企業(yè)や國が株式を保有する企業(yè)によって極めて大規(guī)模に構(gòu)成されているかどうか、國が「価格またはコストに関與した」?fàn)顩rがあるかどうか、こうした狀況によって國內(nèi)の生産者が海外の同業(yè)者に比べて不公平な優(yōu)位性をもつようになる政策があるかどうかなどが含まれる。

歐州委員會(huì)のマルムストローム委員（貿(mào)易擔(dān)當(dāng)）は、「このようにして計(jì)算された反ダンピング関稅は現(xiàn)在の水準(zhǔn)にほぼ沿ったものになり、EUがWTO議定書第15條の規(guī)定で承諾した義務(wù)を履行することを可能にすると同時(shí)に、EU自身の貿(mào)易救済能力を確保することにもつながる」と話す。

この他にもEUの多くの業(yè)界関係者は中國製造業(yè)と直接的な競(jìng)爭(zhēng)関係にあるため、中國に市場(chǎng)経済國の地位を與えることに反対するだけでなく、いわゆる「レッサー?デューティー?ルール」の改訂を主張し、また、このルールによりEUの徴収する輸入関稅は他の地域よりも明らかに低いと主張する。

當(dāng)面のレッサー?デューティー?ルールに基づき、EUはダンピング行為によって生じた損失を評(píng)価する際に2種類の規(guī)準(zhǔn)を採用する。ドイツのシンクタンクMERICSの歐州対中國政策部門の責(zé)任者ヤスパースさんによると、「EUはダンピング幅とダンピング行為によって生じた損失の程度を評(píng)価する際、程度の低い方を徴稅の根拠にする」という。

英ロンドンに本部を置くコンサルティング會(huì)社グローバルカウンセルLLP．のパートナーのアダムスさんは、「生じる可能性の最も高い狀況は、EUがレッサー?デューティー?ルールを改定し、中國から輸入する商品により高い関稅をかけるようになることだ」と話す。

歐州鉄鋼協(xié)會(huì)はレッサー?デューティー?ルールができる限り少なく応用されることを願(yuàn)うとしている。総幹事のエッゲルトさんは、「そうなれば歐州の鉄鋼産業(yè)は助かる。歐州はレッサー?デューティー?ルールを採用する唯一の主要貿(mào)易主體だ」との見方を示す。

また、このたびの市場(chǎng)経済國の地位をめぐるやりとりに関して、歐米の懸念はWTOの條項(xiàng)における「代替國」制度終了の可能性にある。この制度では輸入國が非市場(chǎng)経済國から輸入した商品に対し、市場(chǎng)経済國の地位を備えた第3國の同類製品または類似製品を參考にして価格を計(jì)算することが認(rèn)められる。たとえば、中國の鉄鋼製品にダンピングが存在するかどうかを判斷する際、EUと米國は同製品の中國における実際の価格を考慮する必要はなく、インドの同類製品の価格を參考にするだけでよい。こうした制度により中國の商品はダンピングや政府からの補(bǔ)助金があると認(rèn)定されやすく、往々にして懲罰的関稅を徴収されることになる。

歐米のアナリストは、中國を市場(chǎng)経済體と認(rèn)めなければ、「代替國」メカニズムを延長することが可能だとしている。

分析によると、非市場(chǎng)経済國に関する條項(xiàng)は冷戦時(shí)代に米歐をはじめとする先進(jìn)國が社會(huì)主義國を牽制するために作り出したもので、諸々の基本的な貿(mào)易待遇や反ダンピングの問題を処理する際に、社會(huì)主義國に対して採用する一種の差別的な手段であり、はっきりとしたイデオロギーの色彩を帯びている。非市場(chǎng)経済國の條項(xiàng)はその誕生から応用まで、國際政治という要因の影響を深く受けざるを得ない。反ダンピング條項(xiàng)にある「代替國による方法」といった貿(mào)易救済措置は、非市場(chǎng)経済國の條項(xiàng)と緊密に結(jié)びついたもので、先進(jìn)國が対外的に保護(hù)貿(mào)易主義を発動(dòng)し、対內(nèi)的に特定の利益集団の利益を追求する場(chǎng)合の便利なツールとなっている。（提供/人民網(wǎng)日本語版?編集/KS）