2016年12月16日、トランプ米次期大統(tǒng)領(lǐng)の中國“口撃”がエスカレートしている。米國が維持してきた「一つの中國」政策の見直しにも言及した。その一方で、トランプ氏は中國大使には習(xí)近平國家主席の知人を起用。硬軟織り交ぜて中國を揺さぶり、貿(mào)易などで譲歩を引き出す狙いとみられる。

トランプ氏は11日放送された米FOXテレビの番組で、「『一つの中國』政策は完全に理解している」と前置きしながらも、「貿(mào)易関係などで合意が得られなければ、なぜ『一つの中國』に縛られないといけないのか」と疑問を呈した。

さらに、「中國は為替操作などで米國に不利益を與えている」と批判。「南シナ海の真ん中での巨大な要塞の建設(shè)により、私たちは非常に大きな被害を受けている」「北朝鮮の核開発を中止するため中國が協(xié)力していない」とも指摘した。

日本メディアによると、トランプ氏は今月2日の臺(tái)灣?蔡英文総統(tǒng)との電話會(huì)談の直前、米情報(bào)當(dāng)局から、中國の南シナ海進(jìn)出に関する3時(shí)間に及ぶ説明を受けていた。軍事拠點(diǎn)化が進(jìn)む巖礁の衛(wèi)星畫像を見たトランプ氏は「こんなに広範(fàn)囲に行われているのか。元に戻すことはできないのか」と激怒したという。

中國外交部はトランプ氏が「一つの中國」原則の見直しに觸れたことに対し、「深刻な懸念」を表明。王毅外相は12日、訪問先のスイスで、「世界の誰であれ、どんな勢(shì)力であれ、もし『一つの中國』原則を破壊し、中國の核心的利益を損なおうとたくらめば、最終的に自業(yè)自得の結(jié)果に終わるほかない」と警告を発した。

中國共産黨中央委員會(huì)機(jī)関誌?人民日?qǐng)?bào)系の環(huán)球時(shí)報(bào)も12日付の社説で、「（一つの中國は）すでに現(xiàn)代の國際秩序の基本原則になっている」として、「外交を虛心に學(xué)ぶ必要がある」とトランプ氏に注文。「中國も決然と戦うべきだ」と主張した。

一方、トランプ氏は習(xí)主席と親交が深く、「舊友」と呼ばれるアイオワ州知事のテリー?ブランスタッド氏を中國大使に指名する意向を明らかにした。ブランスタッド氏と中國のつながりは、1980年代にさかのぼる。84年に河北省を初めて訪問。この時(shí)、習(xí)主席は同省の共産黨正定県委員會(huì)書記だった。

習(xí)主席は中國のトップに就任する9カ月前の2012年2月に同州を訪問している。ブランスタッド氏の大使起用について、中國外交部は「彼は中國人民の古い友人だ」と歓迎する意向を示した。

トランプ流外交のキーワードは、ビジネスマン出身らしく「取引（DEAL）」。環(huán)球時(shí)報(bào)は社説で「『一つの中國』という原則を商業(yè)的な利益との取引材料に使おうとするのはとても幼稚な衝動(dòng)だ」と反発したが、「米國の利益最優(yōu)先」を掲げるトランプ氏にとって「一つの中國」は「聖域」ではなく、交渉カードの一つのよう。中國が反発すればするほど、利用価値が高まる。來年1月の正式就任後の対中政策に改めて注目が集まっている。（編集/日向）