「日本に行かれてたまるか」と言った父、「売國奴」と言った兄、2人に見える中國人の矛盾―中國人學(xué)生

日本僑報社    2016年12月17日(土) 7時40分

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「國辱を忘れるなかれ」とは中國でよく言われる言葉だが、浙江師範(fàn)大學(xué)の孔夢雪さんは心の底から日本を恨んでいる人は多くはないと主張し、中國人の「矛盾」に言及している。資料寫真。

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12月13日は中國で南京大虐殺の追悼記念日にあたり、この日は関連の情報がメディアやネットに流れた?!竾瑜蛲欷毪胜臁工趣现袊扦瑜预铯欷胙匀~だが、浙江師範(fàn)大學(xué)の孔夢雪さんは心の底から日本を恨んでいる人は多くはないと主張し、中國人の「矛盾」に言及している。

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「あんたに日本に行かれてたまるものか」。これは、私が日本留學(xué)の件について、父と相談した時、返ってきた答えだった。実は日本語學(xué)部に入って、けっこう大変な目にあったのだ。父には理解してもらえなかったし、4歳年上の兄にまで「売國奴」と呼ばれたこともあった。兄は冗談のつもりで言ったのはよく分かっていたが、その言葉にはきっと本気の部分も含んでいるだろう。

私自身は、日本にかなり好意を抱いている。最初はあまり興味を持っていなかったが、日本語を勉強(qiáng)するにつれて、日本という國を深く理解できるようになり、段々好きになっていた。父も兄も心の底から日本を恨んではいないと思う。彼らは、個人として、直接日本から具體的な被害を受けていないからだ。特に、兄は日本のACG(アニメ、漫畫、ゲームの総稱)文化を気に入っているのに、なぜ日本に留學(xué)したい妹のことを「売國奴」と呼ぶのだろうか。日本製品を信頼している父は、またなぜ日本語を勉強(qiáng)している娘にメンツを潰されたと思うのだろうか。

私はちょっと考えてみた。父と兄の矛盾している感情は、個人的な嫌悪感と言うより、國全般の怒りと言った方がもっと相応しい。父も兄もただ世論の力に逆らえないだけじゃないかと。その世論に逆らえない父と兄は世論の一部になり、その力をより一層強(qiáng)めているのだろう。

私の知っている限りでは、20代の若者は本気で日本を憎んだり恨んだりしている人はあまり多くはない。大學(xué)の食堂で先生と日本語で話している時、周りの人の反応を見ればわかる。みんなが投げかける視線は決して軽蔑の類ではなく、むしろ、単純に外國語が出來る人をうらやましがっている目だ。日本のアニメを見ながらも、日本の悪口を言う。日本人の丁寧さに感心しつつも、日本人は善良だと認(rèn)めない。つまり素直になれないということなのだ。みんなと逆の意見を出せば攻撃の対象になりやすいから、その場の空気を読んで、不本意でも日本を拒絶する。

小學(xué)校から受けた「歴史の恥を銘記せよ」という観念、テレビで絶え間なく放送される抗日戦爭のドラマ、上の世代の深い怨念。それらは世論を作り出した。そして、今の若者を戸惑わせる。集団から脫落するのを怖がって、自分の考えを貫くより、みんなに合わせて聲を出すことを先に選ぶ。あるいは、真の日本を見ずに、誰かに作り出された日本を仮想の敵とする人は少なくないだろう。同じように、中國を誤解している日本の若者も、多分、本當(dāng)の中國を見ていない。

日本のすべてを考えずに拒否する若者がいれば、日本のすべてを考えずに受け入れる若者もいる。自分の國に不満を抱え、病的に日本のポップカチャーに憧れ、非現(xiàn)実のことに耽る人々は、きっといつか幻の日本から目を覚ますだろう。この數(shù)年、日中両國の青年交流はいい方向に向かっている。世論の力に耐えて、本當(dāng)の日本と本當(dāng)の中國を冷靜に自分の目で確かめようとしている若者がたくさんいる。そもそも、憎しみ続けるだけでは何もならないと誰でもよく知っている。

日本語を勉強(qiáng)してまもなく3年、辛い思いがいろいろとあったが、一瞬も後悔なんかしていない。いつの間にか、周りは日本と日本語に多かれ少なかれ興味を持っている人ばかりになっている。日本語のお陰で、沢山の人と出會い、友達(dá)になった。そして、私の影響で友達(dá)は日本に対する偏見が無くなってきている。それも、日中両國の青年交流がいい方向に向かっている証拠の一つだと思う。

日本に留學(xué)に行く機(jī)會は失ったが、いずれ親の力を頼らないで日本に行くつもりだ。その時、私はきっと客観的に日本語という言語、日本人という人々、日本という國を語れるだろう。(編集/北田

※本文は、第十一回中國人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの?中國の若者は日本のココが理解できない」(段躍中編、日本僑報社、2015年)より、孔夢雪さん(浙江師範(fàn)大學(xué))の作品「日本に向けるまなざし」を編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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