黃 文葦 2016年12月31日(土) 22時20分
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歴史上、日本と福建省の関係は密接であった。言葉も似ているし、食べ物でも親しみを感じる。福建省の人にとっては、日本は住みやすい場所に間違いない。寫真は筆者撮影。
在日中國人が日本の「忘年會文化」にすっかり馴染んでしまう。先日、私は「ビン南同郷會(ビン=門構えに蟲)」の忘年會に參加した。「ビン南」とは、中國福建省の南地域という意味である。私の故郷である福州市は福建省の北にあるけれども、「ビン南同郷會」の會長である親友に誘われて入會した。
私は日本に來て間もない十數(shù)年前のことを思い出した?!赋錾恧现袊韦嗓长扦工工去ⅴ毳啸ぅ认趣稳摔槁劋欷?。「福建省です」と答えると、相手はちょっと神妙な面持ちで「そっか」と言われた。その後、同郷の人から「日本人は福建省出身の人にあんまりいいイメージを持たないらしい」と聞かされた。
日本では、「県民性」という言葉があり、各都道府県の県民の性質(zhì)や行動についての傾向を指すものである。福建省の「県民性」と言えば、主に勤勉、団結(jié)、辛抱強い、商売上手、冒険志向など挙げられる。だが、一部の人の犯罪行為の影響により、80年代から日本では福建省に対して怖いイメージが形成された。
80年代、中國のほかの地域の人よりも一足早く大勢の福建省の人が日本に上陸した。留學ビザにもかかわらず、長時間アルバイトをする人が多かった。當時、福建省の人の多くは単に「金」のために日本にやってきていたのだ。
80年代に來日したある同郷の人が當初アルバイトを探した経験を教えてくれた。日本に來た翌日、日中辭書を片手に數(shù)軒の料理屋をまわり、分からない言葉を直ちに辭書を開いて調(diào)べて、単語で自己アピールした。さらに皿を洗う仕草を懸命に真似し、店の人がその熱意に感動したらしい。日本語が分からないにもかかわらず、同郷の人がその場で採用された。
80年代に來日した福建省の人たちは、懸命に仕事をして、貯金のほとんどを貧しい故郷の家族に送っていた。「家族のために新しい家を建てたい」。それは皆の共通の夢であった。
資料によると、世界各地にいる福建省出身の華人は約1580萬人、海外華人の4分の1を占めている。現(xiàn)在、多くの福建省の人が日本各地で活躍し、その中には起業(yè)した人もかなりいる。日本の上場企業(yè)の社長もいるし、料理屋のチェーン店のオーナーもいるし、學校法人を経営する人もいる。
日本人の福建省に対するイメージを一新するために同郷人が努力している?!弗鹰竽贤_會」のような在日福建省の人の集まる會はいくつかある。SNSのコミュニティで、「東京福州人會」もあり、同郷の人が力を合わせ、情報交換したり、助けあったりしている。
日本での暮らしが長くなればなるほど、日本と故郷の繋がりが段々見えてくる。1つは、日本語と福建省の地方言語。発音が似ている語?。à搐ぃ─蠑?shù)え切れないほどある。ちょっと不思議だと思っている。たとえば、「日本」(NIPPON)の発音は、福州語と日本語がほぼ同じである?!敢埃à洌埂ⅰ杆攸M」、「天下」、「犬(けん)」「感謝」、「謝罪」、「參加」、「加減(かげん)」などなど?!杠炂拧工趣いθ毡菊Zの言葉は福州語にも存在する。ただ中國語の中には、そういう語彙はない。
ある日、私は苗字「阿?!工趣いΨ饯趣獣い工腚Hに、相手から「阿保です」と言われた際に、一瞬福州語が聞えたと錯覚をした。日本語と福州語での「阿?!梗àⅳ埽─伟k音は、完全に一致する。福州語は日本人にとって歴史の香りが漂う言葉であるのかもしれない。
もう1つは、日本料理と福建料理、何とか深い縁がある。福州市の郷土料理である「太平燕」は明治時代に華僑が日本に伝えたもの?,F(xiàn)在「太平燕」は熊本県のご當?shù)廿哎毳幛戎椁欷皮い搿iL崎の名物料理「ちゃんぽん」は福州市に屬す福清市の「[火悶]麺」(メンミエン)からアレンジしたものとみられる?!袱沥悚螭荬蟆工伟k音は福清語の「喫飯」(食べること)と似ている。福清市では、「天麩羅」に似た作り方の料理もある。
江戸時代初期の1654年、福建省の禪僧隠元?。弁跗妫荬瑏砣铡kL元は、中國式の禪文化と「素菜」(中國式の精進料理)を日本に伝えた。それは日本の「普茶料理」の前身。福建料理は日本料理の源の1つだと言えるだろう。
歴史上、日本と福建省の関係は密接であった。平安時代の遣唐使留學僧の空海がかつて福州市の有名なお寺の鼓山湧泉寺を訪問した。江戸時代に長崎奉行所に置かれていた通訳「唐通事」は南京語と福州語とショウ州語(ショウ=さんずいに章)の三系統(tǒng)に分かれていた。ショウ州はビン南地域の都市である。
日本では福建省の名物と言えば、やっぱり「烏龍茶」である。烏龍茶のペットポルトの包裝で「中國福建省茶葉使用」、「福建省産茶葉100%、良質(zhì)な茶葉を使用した烏龍茶です」という広告の臺詞を見ると、なんとなく誇らしく思う。
もう1つの名物である「壽山石」はあまり知られていないかもしれない。福州市の壽山(じゅざん)と言われるところで取れる幻の印材である田黃(でんおう)は、印材の最高峰で、オークションでは數(shù)千萬の値がつくほど。
言葉も似ているし、食べ物でも親しみを感じる。福建省の人にとっては、日本は住みやすい場所に間違いない。ちなみに、數(shù)年前に中國の多くの都市で反日デモが起きた際、福建省では、あまり反日デモはなかった。商売上手な人々は、政治と文化をはっきり分けられる傾向がある。これからもっと多くの日本人が福建省観光へ行ってほしい?,F(xiàn)在、東京から福建省の福州とアモイへ行き直行便がある。是非、福建で日中関係の歴史の香りを楽しんでほしい。
■筆者プロフィール:黃 文葦
在日中國人作家。日中の大學でマスコミを?qū)煿イ?、両國のマスコミに従事。十數(shù)年間マスコミの現(xiàn)場を経験した後、2009年から留學生教育に攜わる仕事に従事。2015年日本のある學校法人の理事に就任?,F(xiàn)在、教育?社會?文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執(zhí)筆中。2000年の來日以降、中國語と日本語の言語で執(zhí)筆すること及び両國の「真実」を相手國に伝えることを模索している。
在日中國人作家。日中の大學でマスコミを?qū)煿イ贰I國のマスコミに従事。十數(shù)年間マスコミの現(xiàn)場を経験した後、2009年から留學生教育に攜わる仕事に従事。2015年日本のある學校法人の理事に就任。現(xiàn)在、教育?社會?文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執(zhí)筆中。2000年の來日以降、中國語と日本語の言語で執(zhí)筆すること及び両國の「真実」を相手國に伝えることを模索している。Facebookはこちら「黃文葦の日中楽話」の登録はこちらから
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