2017年1月13日、今年秋の中國共産黨大會で2期目を目指す習(xí)近平総書記（國家主席）は、「反腐敗」の取り組みを一段と強化している。すべての公務(wù)員の腐敗行為を取り締まる新たな機関「國家監(jiān)察委員會」も設(shè)置する方針。5年に一度の黨大會を控え、習(xí)総書記への権力集中が一層強まりそうだ。

1月1日、習(xí)総書記は國営中央テレビ（CCTV）などを通じて、新年のあいさつを発表。この中で「われわれはまた全面的な黨內(nèi)管理の厳格化を積極的に推進(jìn)し、斷固として黨內(nèi)のトラとハエを排除し、政治的生態(tài)の清浄化に努め、これにより、黨內(nèi)環(huán)境、政治環(huán)境と社會の気風(fēng)が一段と向上してきた」」などと「反腐敗」の成果を誇示した。

6日から8日までは黨中央紀(jì)律検査委員會の全體會議を開催。黨中央規(guī)律委には最高指導(dǎo)部の政治局常務(wù)委員7人が全員出席した。習(xí)総書記は重要講話で「聖域なき反腐?。L爭）の堅持」を強調(diào)し、王岐山中央規(guī)律委書記は「揺らぐことなく全面的な厳しい黨管理を進(jìn)め、優(yōu)れた業(yè)績で黨大會を迎えなければならない」と訴えた。

8日に発表された黨中央規(guī)律委のコミュニケでは今年の重要任務(wù)として、「黨や國家の自らへの監(jiān)視を強化する」ことを挙げ、「國家監(jiān)察委員會」の設(shè)置に向けて準(zhǔn)備を進(jìn)める方針を確認(rèn)した。國家監(jiān)察委は、すべての公務(wù)員に対する監(jiān)視や摘発をさらに強化するため、政府內(nèi)の多くの組織に分散している汚職摘発部門を統(tǒng)合し、権限の集中を図る組織とされ、北京市、山西省、浙江省で試験的に導(dǎo)入されている。

中國メディアが伝えた黨中央規(guī)律委の報告によると、昨年に全國の規(guī)律検査?監(jiān)察機関が調(diào)査した事案は41萬3000件。処分者は41萬5000人で、省トップや閣僚などの「省部級」は76人に上った。國営新華社通信は4日、重大な規(guī)律違反の疑いで昨年9月に天津市の事実上のトップである黨委代理書記と市長を解任された黃興國氏が黨籍剝奪となった上、司法機関に送致された、と報じた。黃氏は習(xí)総書記の浙江省黨委書記時代の部下で、習(xí)氏の反腐敗キャンペーンで初めて失腳した習(xí)氏側(cè)近として注目を集めていた。

摘発のターゲットとなるのは、黨中央規(guī)律委も同様。CCTVは3日から同委が制作した番組「打鉄還需自身硬」（人を律するには自らを律しなければならないという意味）の放映を始めた。番組では元重慶市黨委書記の薄熙來氏（収賄罪などで無期懲役刑）の事件などを擔(dān)當(dāng)したこともある同委元幹部が、四川省の商業(yè)プロジェクトに參入したい企業(yè)家から依頼を受け、同省黨委副書記に便宜を図るよう依頼。企業(yè)家から1000萬元（約1億7000萬円）を超える金銭を受け取ったことなどを暴露している。

しかし、中國で汚職などの不正行為が絶えないのは、経済が大きく発展する一方で、共産黨に権力が集中する政治體制と表裏一體の関係にある。不正に対する國民の不満が高まれば、黨の屋臺骨を揺るがす事態(tài)にも発展しかねない。「反腐敗」は、「一黨獨裁」が抱える大きな課題でもある。（編集/日向）