ある夫婦の美談と中國(guó)醫(yī)療保険制度の現(xiàn)狀

2006年7月11日、北京海淀區(qū)の湯敬巖（タンジンイェン）さんが、北京市のメディアの取材を受けている。湯敬巖さんは、黒竜江（こくりゅうこう）省尚志（シャンチー）市石河子（スーハーズ）鎮(zhèn)の農(nóng)民であるが、また、優(yōu)れた腕前を持つ大工でもある。ところで、彼の妻は、4年前に頭部に損傷を受けて、ここ4年來(lái)、病気がちで、よくけいれんを起したりもしていた。湯敬巖さんは、妻を連れて、黒竜江省の大きな病院で治療を受けていたが、徹底的に完治することができなかった。そこで、友人の話を聞いて、北京の病院なら治療のレベルが高いので、このような原因不明の病気も治るかも知れないと考えた。そこで、湯敬巖さんは、獨(dú)力で自家用の三輪人力車を「ルームカー」に改造。彼は、その「ルームカー」に妻を乗せて、3月21日から、1500?もある道のりを43日間かけて、引きながら歩いて、途中、筆舌に盡くし難い苦労をしながら、ついに6月28日、北京に辿り著いた。こうした彼のことはマスメディアに取り上げられて、中國(guó)國(guó)民を感動(dòng)させた。現(xiàn)在、彼の妻は、北京で治療を受けている。さて、こうした美談の一方で、世間では、中國(guó)醫(yī)療保険制度に関しての批判が相次いでいる。中國(guó)社會(huì)科學(xué)院が発表した醫(yī)療衛(wèi)生報(bào)告によれば、中國(guó)では、都市住民の70％、農(nóng)村住民の96％が異常に高い醫(yī)療費(fèi)が原因で、まともな診療を受けることが出來(lái)ていないという。中國(guó)の農(nóng)村では、醫(yī)療保険制度そのものが存在していないと言ってよく、また昨今の高騰する醫(yī)療費(fèi)の影響もあって、農(nóng)民は病気になっても醫(yī)者にはかかれず、市販の薬頼みで、もしその薬が効かなければ死を待つのみ、という狀況にあるということだ。

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