<コラム>トランプ米大統(tǒng)領(lǐng)、中國にとっては「やりにくい」が「分かりやすい」相手

如月隼人    2017年1月23日(月) 19時20分

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20日、トランプ新政権が発足した。これまで類のない米政権だけに、具體的に何をするのか、世界が固唾をのんで身構(gòu)えている狀態(tài)だ?,F(xiàn)狀において、中國はトランプ政権をどう見ているのだろうか。

米國で20日、トランプ新政権が発足した。これまで類のない米政権だけに、具體的に何をするのか、世界が固唾をのんで身構(gòu)えている狀態(tài)だ。現(xiàn)狀において、中國はトランプ政権をどう見ているのだろうか。

よく言われることだが、トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は「ビジネスマン感覚」で政治を理解しているとされる。だとすれば、當(dāng)選直後に臺灣の蔡英文総統(tǒng)と電話會談したり、経済金融問題などで中國が譲歩せねば「1つの中國」政策を見直す可能性があるとの発言をしたことにも、納得がいく。

まず、米商務(wù)省が16年2月に発表した15年の対中貿(mào)易赤字は前年比6.6%増の3656億9500萬ドルだった。対日貿(mào)易赤字の686億4000萬ドル(同2.2%増)と比べて、まさに「桁違い」だ。トランプ大統(tǒng)領(lǐng)にとって、中國が「容認(rèn)できない國」であることは確実で、為替操作國に指定するなどの発言を繰り返してきた。中國とは経済問題だけでなく南シナ海問題についても強硬姿勢で臨むと見られている。

さて、ビジネスマンとしてのトランプ氏が、さまざまな交渉でどのようなテクニックを使ってきたのか。よく言われるのは「最初に、相手がとても飲めない條件を出して、自らは形式的に譲歩しながら最初から想定していた結(jié)果をもぎとる」手法に長じていることだ。

つまり、「臺灣問題」という中國にとって絶対に譲れない問題に言及したのは、交渉上のテクニックというのだ。臺灣問題をいったん俎上(そじょう)に出した上で、同問題については譲歩していく。つまり「1つの中國」の原則に結(jié)果としては手をつけないことで、中國から経済などでの譲歩を引き出す作戦であると理解できる。

ちなみにトランプ大統(tǒng)領(lǐng)は臺灣?蔡英文総統(tǒng)との電話會談の後に、フェイスブックに「合衆(zhòng)國がどうやって、臺灣に何億ドルもの武器を売れるかに興味ある」とも書き込んでいる。中國側(cè)が経済問題で十分に譲歩せねば、「1つの中國」に抵觸しないまでも、臺灣への武器輸出を増やす可能性に言及したものと考えられる。

だとすれば、トランプ政権にとって、どちらに転んでも「儲け」は転がることになる。中臺を相手に「相見積もり」を取る感覚で接していると言うこともできる。

ところで、中國側(cè)にとってトランプ政権はどのような性格を持つのだろうか。これまでの米政権が極めて慎重に扱ってきた臺灣問題で、いとも簡単に再考示唆の発言をしたことからすれば、やりにくい相手であることは間違いないだろう。しかし考えれば「最初に、相手が絶対に受け入れられない條件」を示す交渉術(shù)は、中國人が極めてよく使う方法でもある。

トランプ大統(tǒng)領(lǐng)はさらに、20日の就任演説で「米國の生き方を誰に対しても無理強いしようとはしない」と明言した。つまり、他國とのつきあいで人権や民主を重視する考えはないと宣言したことになる。ここで思い出すのが、中國には、リビアやイラン、ミャンマーなど人権問題で西側(cè)諸國から強く非難されていた國と経済関係を著々と構(gòu)築した経歴があることだ。

當(dāng)時も、そして今も中國の言い分は「內(nèi)政不干渉」だ。中國にとって「利益になる」と判斷すれば、相手國が抱えている問題にはかまわず、関係を構(gòu)築している。

ここまでくれば、中國とトランプ大統(tǒng)領(lǐng)の発想は「共通する部分が多い」ことが分かる。要は、「自らの利益を最大限に重視」だ。米國にとって本來、自由や民主という理念は、自らの立場を長期的に強化する効用があった。しかし米國は國際社會における圧倒的な力を失いつつある。いわゆるGゼロ時代の到來だ。そこで、目先の利益にこだわる世論が力を得ることになった。

一方の中國は、経済や軍事で臺頭した。本來ならば、國際社會における責(zé)任や立場にもっと留意した方が長期的にはよいはずだが、経済高度成長の終焉、格差問題、環(huán)境問題、腐敗問題などさまざまな問題が噴出し、政権にとって余裕があるとは言えない狀況だ。

ということで、 米トランプ大統(tǒng)領(lǐng)による「アメリカ第一」、習(xí)近平國家主席による「中國の夢」のスローガンには重なる部分が大きい。どちらの國も「切羽詰まった狀況」にあるとの背景がある。

中國にとって米トランプ政権は極めて「やりにくい交渉相手」ではあるが、その手法も狀況も含めて「分かりやすい」存在であると解釈できる。極論すればトランプ米政権と中國習(xí)近平政権は、雙子の兄弟のような性格を持つということになる。(1月23日寄稿)

■筆者プロフィール:如月隼人

日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強したが、何を考えたか北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿ァH毡兢藨盲皮椁鲜长伽毪郡幛司幖浾撙蚣跇I(yè)とするようになり、ついのめりこむ?!钢袊慰諝荨工蛘i者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。

■筆者プロフィール:如月隼人

1958年生まれ、東京出身。東京大學(xué)教養(yǎng)學(xué)部基礎(chǔ)科學(xué)科卒。日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強し、その後は北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する。「中國の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。中國については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結(jié)局は得」が信條。硬軟取り混ぜて幅広く情報を発信。

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